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逗子、葉山、鎌倉、横須賀、横浜市金沢区の在宅医療

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在宅医療を科学する14~治療に難渋する皮膚炎:在宅復帰後に直面した広範な紅斑とびらんへのアプローチ
在宅医療の現場では、病院での治療を経て帰宅された後、急激な身体の変化に直面することがあります。今回は、退院後に皮膚症状が悪化し、多角的な治療を試みても改善に難渋したある女性の症例をご紹介します。 1. 患者様の背景(病歴) この患者様は、もともと「偽膜性腸炎」や「尿路感染症」を繰り返しており、入退院を頻繁に重ねておられました。感染症との戦いが続くなか、ようやく自宅退院を迎えられたという背景があります。 2. 自宅退院後の急激な悪化 住み慣れた自宅へ戻られた後、残念ながら皮膚炎が増悪してしまいました。その症状は非常に重く、単なる赤みを超え、以下のような深刻な状態を呈しました。 広範な紅斑: 皮膚の広い範囲が赤く腫れ上がる。 びらん: 皮膚の表面が剥がれ落ち、ジュクジュクとした「ただれ」が生じる。 3. 試みられた治療と直面した困難 在宅チームでは、標準的な皮膚科的治療を含め、あらゆる手段を講じました。 外用剤の活用: 抗菌外用剤や抗真菌外用剤など、感染を疑ったアプローチ。 物理的保護: ドレッシング材(被覆材)による患部の保護。 外部刺激の
2月8日読了時間: 2分


在宅医療を科学する13~血糖値が正常でも要注意!SGLT2阻害薬と「正常血糖性ケトアシドーシス」
糖尿病治療の現場で広く使われている「SGLT2阻害薬」。非常に優れたお薬ですが、服用中に「血糖値は高くないのに、体の中が酸性になる(アシドーシス)」という特殊な緊急事態が起きることがあります。 これを正常血糖性ケトアシドーシス(Euglycemic DKA)と呼びます。 ● 通常のDKAと何が違うの? 通常の糖尿病性ケトアシドーシス(DKA)は、インスリン不足によって血糖値が 300mg/dL以上 という著しい高血糖を伴います。 しかし、SGLT2阻害薬を服用している場合、血糖値が 150〜200mg/dL といった「一見正常に近い値」であっても、ケトン体が過剰に蓄積し、重篤な状態に陥ることがあります。 項目 通常の糖尿病性DKA 正常血糖性DKA 血糖値 300mg/dL以上 150〜200mg/dL ケトン体 増加(++) 著明に増加(++++) 原因 インスリン不足 SGLT2阻害薬 ● なぜ血糖値が上がらないのに危険なの? SGLT2阻害薬によって尿糖が排泄されると、体内のインスリンが低下し、逆にグルカゴンが増加します。これにより脂肪分解
2月7日読了時間: 2分


在宅医療を科学する12~【重要】血糖値が「正常」でも油断禁物?SGLT2阻害薬と「正常血糖性ケトアシドーシス」
糖尿病の治療を受けている方、特に SGLT2阻害薬 を内服されている皆様へ。 「血糖値がそれほど高くないから大丈夫」と思っていても、実は体の中で深刻な状態が起きているかもしれません。 今回は、見逃されやすい「 正常血糖性ケトアシドーシス(euglycemic DKA) 」について解説します。 1. 「正常血糖性」ケトアシドーシスとは? 通常、糖尿病の急性合併症である「ケトアシドーシス(DKA)」は、血糖値が300mg/dL以上の著しい高血糖を伴います。 しかし、SGLT2阻害薬を服用している場合、血糖値が 150~200mg/dL程度 、あるいは250mg/dL以下の「正常~軽度上昇」にとどまっているにもかかわらず、血液が酸性に傾く「アシドーシス」という危険な状態に陥ることがあります。これが「正常血糖性」と呼ばれる理由です。 2. なぜ血糖値が上がらないのに危険なの?(SGLT2阻害薬の影響) SGLT2阻害薬は尿から糖を出す薬ですが、その影響で体の中では以下の連鎖が起きることがあります。 尿から糖が排泄される。 インスリンが低下し、逆にグルカゴ
2月6日読了時間: 2分


在宅医療を科学する11~正常血糖性ケトアシドーシス(euglycemic DKA)を知っていますか?
「血糖値が正常だから大丈夫」その思い込みが、思わぬ体調悪化を見逃す原因になるかもしれません。本日は、特にSGLT2阻害薬を服用中の方やそのご家族に知っておいていただきたい「正常血糖性ケトアシドーシス」について解説します。 1. 正常血糖性ケトアシドーシスとは? 通常、糖尿病の深刻な合併症である「ケトアシドーシス」は、著しい高血糖を伴います。しかし、特定の条件下では 血糖値がそれほど高くない(正常〜軽度上昇程度)にもかかわらず、血液が酸性に傾き(アシドーシス)、生命に関わる状態 になることがあります。これが「正常血糖性ケトアシドーシス(euglycemic DKA)」です。 2. 臨床的な特徴 この病態の最大の注意点は、一般的な血糖測定だけでは異常に気づきにくいことです。具体的な特徴は以下の通りです。 項目 特徴 血糖値 正常〜軽度上昇(≦250 mg/dL) ケトン体 高値 (血中β-ヒドロキシ酪酸の上昇) 血液 pH 低下(アシドーシス) HCO₃⁻ 低値 AG(アニオンギャップ) 増加 3. 注意すべきタイミング 一見元気そうに見えても、以下
2月5日読了時間: 2分


在宅医療を科学する10~血糖を下げるお薬の「意外な落とし穴」?SGLT2阻害薬とケトアシドーシスのしっくり解説
糖尿病の治療でよく使われる「SGLT2阻害薬」。 尿から余分な糖を出すことで血糖値を下げてくれる、とても心強いお薬です。でも、体の中ではちょっとした「勘違い」が起きることがあります。 今回は、知っておきたい副作用「ケトアシドーシス」のしくみを、図解とともに分かりやすくお伝えします! 🧐 体が「お腹ぺこぺこ!」と勘違い? SGLT2阻害薬を飲むと、体の中ではこのような連鎖が起きることがあります。 糖がどんどん尿から出る :血糖値がしっかり下がります。 インスリンが減る :血糖が下がるので、血糖を下げるホルモン「インスリン」の出番が少なくなります。 ホルモンが「飢餓(きが)」と誤解する :糖が足りない!と体が思い込み、代わりにエネルギーを作ろうとして「脂肪を燃やしすぎてしまう」のです。 その結果、燃えカスである**「ケトン体」 という物質が増えすぎてしまい、血液が酸性に傾く危険な状態(ケトアシドーシス)を招くことがあります。これを euglycemic DKA(正常血糖ケトアシドーシス)**と呼び、血糖値が正常なのに体が酸性になるのが特徴です。 ⚠
2月4日読了時間: 2分


攻めの栄養療法を科学する62~
在宅医療や急性期ケアにおいて、既製品のバッグだけでは対応しきれない特殊な病態があります。今回は、水分量を極限まで抑えたい時や、カリウム制限が必要な時の「攻めの処方設計」について解説します。 1. 水分量を制限しつつ高エネルギーを届ける「手作りTPN」 心不全や腎不全など、投与できる水分量に厳しい制限がある場合、既製品では栄養量が不足しがちです。 濃縮処方の設計 : 50%ブドウ糖液、高濃度アミノ酸製剤(アミゼットB)、脂肪乳剤(イントラリポス20%)を直接組み合わせることで、水分量を大幅にカットできます。 減量の実例 : 標準的なTPNで1,800mLかかる栄養量(約1,640kcal)を、この設計により1,300mLまで圧縮可能です。 注意点 : この「手作り」の場合は、ビタミン剤や微量元素だけでなく、ナトリウム、カリウム、リン、マグネシウムなどの電解質を病態に合わせて個別に添加し、厳密にモニタリングする必要があります。 2. カリウム制限が必要な時の「攻めのPPN」 末梢点滴(PPN)の施行中にカリウムを制限しなければならない局面があります。
2月3日読了時間: 2分


在宅医療を科学する9~血糖値が正常でも要注意?SGLT2阻害薬の落とし穴
現在、糖尿病だけでなく心不全や慢性腎臓病の「特効薬」として、多くの患者様に処方されているのがSGLT2阻害薬(ジャディアンス、フォシーガなど)です。尿から余分な糖を出すことで、血糖を下げ、心臓や腎臓を保護してくれる非常に優れたお薬です。 しかし、この薬を服用している方が、体調不良(シックデイ)に陥った際、稀に「正常血糖性ケトアシドーシス(eu-DKA)」という病態を引き起こすことがあります。 1. 「血糖値が低いから安心」という誤解 通常、糖尿病が悪化して意識障害などを起こす「ケトアシドーシス」は、血糖値が300mg/dLや500mg/dLといった高値になります。 しかし、SGLT2阻害薬を飲んでいると、 血糖値が150〜200mg/dL程度の「それほど高くない数値」でも、血中のケトン体が急増し、体が酸性に傾く重篤な状態 になることがあるのです。 2. 在宅現場で注意すべき「サイン」 訪問看護師さんやご家族に知っておいていただきたいのが、以下の症状です。 激しい倦怠感(ぐったりしている) 吐き気や嘔吐、腹痛 呼吸が荒い、または呼気から甘酸っぱい臭
2月3日読了時間: 2分


在宅医療を科学する8~糖尿病治療の落とし穴?SGLT2阻害薬と「正常血糖ケトアシドーシス」
現在、多くの糖尿病患者さんに処方されている SGLT2阻害薬 。血糖を下げるだけでなく、心不全や腎不全の予後改善にも効果がある非常に優れたお薬ですが、使用にあたっては正しく知っておくべき副作用があります。 今回は、近年注目されている副作用のひとつ、**「SGLT2ケトーシス」**について解説します。 1. SGLT2ケトーシスとは? 通常、糖尿病の重篤な合併症である「ケトアシドーシス」は、著しい高血糖(300〜500mg/dL以上)を伴うのが一般的です。 しかし、SGLT2阻害薬を服用している場合、血糖値がそれほど高くない(200mg/dL以下)にもかかわらず、体内の「ケトン体」が異常に増えて血液が酸性に傾く**「正常血糖性ケトアシドーシス(euglycemic DKA)」**という特殊な状態に陥ることがあります。これが臨床上、非常に重要な注意点です。 2. なぜ血糖値が正常なのにケトーシスが起こるのか SGLT2阻害薬は、腎臓の近位尿細管でのグルコース再吸収をブロックし、尿から糖を排出させることで血糖を下げます。 この時、体は「糖が足りない」と
2月2日読了時間: 2分


在宅医療を科学する7~高齢糖尿病患者における糖尿病ケトアシドーシス(DKA)の発症例
タグ:在宅医療 | さくら在宅クリニック | 逗子市 | 糖尿病 | 緩和ケア 1. 症例背景 89歳、女性。30年近く糖尿病治療を継続されており、超速効型インスリンおよび持効型インスリン、SGLT2阻害薬の併用療法を行っていました。直近の検査では随時血糖390mg/dL、HbA1c 10.1%とコントロールは不良な状態でした。 加齢に伴いADLが低下し、ベッド上で過ごす時間が増大。外来通院が困難となったため、当院にて糖尿病管理を含む全身管理を行う方針となりました。 2. 経過と往診時の所見 訪問診療開始後、意識障害が出現したとの連絡を受け緊急往診を施行しました。 バイタル・検査所見: 血糖値は252mg/dLと軽度上昇に留まっていましたが、呼吸促進(クスマウル呼吸の疑い)が認められました。 随伴症状: 嘔吐物に血液の混入を確認。 インスリン作用の不足に脱水などの加齢要因が加わり、血糖値が極端に高くない状態でも進行する「正常血糖ケトアシドーシス」の可能性も考慮し、精査・加療のため近隣病院へ緊急搬送となりました。 3. 在宅医療における視点..
2月1日読了時間: 2分


在宅医療を科学する5~治療と在宅での方針
―「治す医療」から「付き合う医療」へ― これまでご紹介してきた 難治性蜂窩織炎・静脈うっ滞性皮膚潰瘍の症例 では、「どの治療を選ぶか」以上に、 どの姿勢で関わるか が重要なテーマとなりました。 今回は、 在宅診療における治療方針と考え方 を整理します。 ■ 治療方針の基本 静脈うっ滞性皮膚潰瘍に対して、 漫然とした保存療法のみでは改善は困難 です。 本症例では、以下を治療の柱としました。 1.持続的な圧迫療法 弾性包帯・弾性ストッキングを用いた 継続的圧迫 静脈還流を促進し、浮腫を軽減 感染再燃・滲出液増加の予防につながる 2.患肢挙上の徹底 日常生活の中で**「足を下げっぱなしにしない」** 下肢静脈圧を下げる最もシンプルで効果的な方法 3.外用療法の最適化 肉芽形成の状態 滲出液量 に応じて外用薬・被覆材を選択。「とりあえず同じ薬を塗り続ける」ことは避けます。 4.感染防止と衛生維持を最優先 潰瘍を「完全に閉じる」ことより 感染を起こさせないこと を最重要視 ■ 在宅診療での姿勢 在宅医療では、 限られた医療資源の中でQOLを守る という視点
1月30日読了時間: 2分


攻めの栄養療法を科学する57~半固形栄養剤を用いた「攻めの栄養療法」
― 短時間・高エネルギー投与を安全に成立させる ― 半固形栰養剤を使用する場合は、 口径の大きい胃瘻アクセス を使用することが前提となります。半固形栄養剤には、以下のような明確なメリットがあります。 胃食道逆流の予防 短時間での投与が可能 下痢の予防 消化管の より生理的な動き を保ちやすい 近年では、半固形栄養剤を用いた 自然滴下法 や 加圧バッグによる短時間注入 が、在宅・施設の現場でも広く浸透してきています。 半固形栄養剤使用時の注意点 半固形栄養剤には 高粘度タイプ の製剤があり、 瘻孔からの漏れ防止 胃蠕動運動の促進 逆流防止 といった点で大きなメリットがあります。 一方で、 粘度が高いため 加圧バッグの使用や絞り出す労力 が必要 栄養剤自体の水分量が少ないため、 水分補充を別途行う必要がある という点には注意が必要です。 水分補充のタイミングとしては、 食前30分 食後2時間 などを目安に検討します。また、逆流リスクが高い症例では、 水分にもとろみを付けた方が安全 な場合があります。 半固形栄養剤の投与例(高粘度タイプ) 【投与方法
1月28日読了時間: 3分


攻めの栄養療法を科学する56~攻めの投与方法
― 高エネルギーを「無理なく・安全に」入れる工夫 ― 高エネルギー投与を行う際、 1 kcal/mL の栄養剤のみを使用すると投与ボリュームが非常に大きくなる という問題があります。特に、 体格の小さい高齢者 胃食道逆流や誤嚥リスクの高い患者 では、そのままでは投与が困難となることも少なくありません。 以下では、 必要エネルギー量:2600~3000 kcal 必要たんぱく質量:60~120 g 必要水分量:1800~2000 mL 1回注入量:約500 mL を想定した、 攻めの投与の実践例 を示します。 液体栄養剤による攻めの投与 ① 間欠投与(ボーラス投与) 基本的な考え方 胃の排泄時間を考慮し、 まず水を投与 20〜30分の間隔をあけて 高濃度栄養剤を注入 不足する水分は、 就寝前や注入間で追加投与 この方法は、 高価な栄養剤を使用せずに実施可能 であり、👉 攻めの栄養療法における 第一選択 として対応しやすい方法です。 【投与方法①】標準的な攻めの間欠投与 水 150 mL 20〜30分後 アイソカル® 2K(1000 kcal/50
1月27日読了時間: 3分


在宅医療を科学する2~難治性蜂窩織炎の経過と初診時画像
―「治らない蜂窩織炎」の背景にあるもの― 今回は、 難治性蜂窩織炎 と診断された女性の症例について、 初診時および経過中の皮膚所見 を中心に、在宅医療の視点からまとめます。 ■ 搬送後も改善しなかった経過 本症例では、医療機関へ搬送された後も、 約2か月間にわたり病状の明らかな改善を認めませんでした。 抗菌薬治療は行われていたものの、 局所の皮膚障害が遷延 浮腫の持続 滲出液のコントロール不良 といった問題が残存していました。 ■ 初診時の皮膚所見 初診時、 下腿前面に広範な潰瘍形成 を認め、局所には 滲出液を伴うびらん がみられました。 単なる蜂窩織炎というよりも、 慢性的な皮膚バリア破綻 浮腫・循環障害の関与 創傷治癒環境の不良 が強く疑われる状態でした。 ■ 約1か月後の変化 治療介入とスキンケアの継続により、 約1か月後には足底部のびらんに痂皮形成 が認められるようになりました。 これは、 滲出液が一定程度コントロールされた 皮膚の再上皮化が進み始めた ことを示す所見であり、**「治癒に向かうサイン」**と評価できます。 一方で、完全な改
1月26日読了時間: 2分


在宅医療を科学する1~難治性蜂窩織炎と診断された女性のケース
― 在宅医療の視点から考える早期介入と継続支援 ― 今回は、 難治性蜂窩織炎 と診断された女性のケースを通して、在宅医療の現場で直面しやすい課題と、その対応についてご紹介します。 ■ 病歴の概要 本症例は、 医療機関を受診しないまま老夫婦で生活 されていた女性です。下肢に潰瘍が出現したものの、息子さんが受診を勧めても ご本人は受診を強く拒否 していました。 その後、状態悪化により搬送され、 蜂窩織炎 と診断。以下のような治療・対応が行われました。 抗生剤投与および抗菌外用剤による治療 PAD(末梢動脈疾患) の関与も考慮し、抗血小板薬を併用 下肢浮腫に対して利尿薬を使用 糖尿病なし、喫煙歴なし いわゆる「典型的なリスク因子」が乏しい一方で、 受診遅れ・生活背景 が重なり、治療に難渋したケースといえます。 ■ なぜ難治化したのか? この症例で重要なのは、病気そのものだけでなく、 社会的・心理的背景 です。 医療機関未受診の期間が長かった 高齢夫婦のみの生活で、外部の目が入りにくかった 本人の「受診拒否」という強い意思 これらが重なり、 感染の早期発
1月25日読了時間: 2分
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