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攻めの栄養療法を科学する56~攻めの投与方法

  • 執筆者の写真: 賢一 内田
    賢一 内田
  • 2 日前
  • 読了時間: 3分

― 高エネルギーを「無理なく・安全に」入れる工夫 ―

高エネルギー投与を行う際、1 kcal/mL の栄養剤のみを使用すると投与ボリュームが非常に大きくなるという問題があります。特に、

  • 体格の小さい高齢者

  • 胃食道逆流や誤嚥リスクの高い患者

では、そのままでは投与が困難となることも少なくありません。

以下では、

  • 必要エネルギー量:2600~3000 kcal

  • 必要たんぱく質量:60~120 g

  • 必要水分量:1800~2000 mL

  • 1回注入量:約500 mL

を想定した、攻めの投与の実践例を示します。

液体栄養剤による攻めの投与

① 間欠投与(ボーラス投与)

基本的な考え方

  • 胃の排泄時間を考慮し、まず水を投与

  • 20〜30分の間隔をあけて高濃度栄養剤を注入

  • 不足する水分は、就寝前や注入間で追加投与

この方法は、高価な栄養剤を使用せずに実施可能であり、👉 攻めの栄養療法における第一選択として対応しやすい方法です。

【投与方法①】標準的な攻めの間欠投与

  • 水 150 mL

  • 20〜30分後

  • アイソカル® 2K(1000 kcal/500 mL)× 3回

投与速度:200 mL/時間

1日合計

  • エネルギー:3000 kcal

  • たんぱく質:90 g

  • 水分量:1980 mL

【投与方法②】高齢者・腎機能リスクがある場合

※高齢でなくても、腎機能悪化リスクがある場合はこちらを検討

  • 水 150 mL

  • 20〜30分後

  • アイソカル® 2K(1000 kcal/500 mL)× 2回

  • レナウェル® A(800 kcal/500 mL)× 1回

1日合計

  • エネルギー:2800 kcal

  • たんぱく質:63 g

  • 水分量:1846 mL

👉 たんぱく質量を抑えつつ、エネルギーを確保する設計

② 粘度調整食品を併用した方法(逆流対策)

REF-P1® などの粘度調整食品を先に注入し、その後に通常の栄養剤を投与する方法です。胃内でとろみが形成され、逆流・誤嚥予防目的で使用されます。

【投与方法③】

  • 水 100 mL

  • 20〜30分後

  • REF-P1® + サンエット® 2.0 バッグZ(1000 kcal/500 mL)× 3回

1日合計

  • エネルギー:3000 kcal

  • たんぱく質:120 g

  • 水分量:1838 mL

持続注入による攻めの投与

基本的な考え方

  • 経管栄養ポンプを使用し、少量を持続的に注入

  • 細菌汚染防止のため、8時間以上の継ぎ足し注入は行わない

  • イリゲーター/バッグは適切に交換

リハビリが可能な場合

  • 日中の活動時間を確保するため、夜間投与を検討

合併症が強い場合

  • 投与速度を極力落とし、忍容性を優先

【投与方法④】夜間投与+末梢静脈栄養併用

※リハビリ時間を最大限確保したい場合

  • メイバランス® 2.0Zパック:2600 kcal(1300 mL)

  • 3号液:172 kcal(1000 mL)

  • 投与速度:108 mL/時間

  • 夜間12時間投与

1日合計

  • エネルギー:2772 kcal

  • たんぱく質:88.4 g

  • 水分量:1904 mL

【投与方法⑤】空腸瘻・下痢対応時の持続注入

※空腸瘻からの投与や下痢が問題となる場合

  • ペプタメン® スタンダード バッグ:3000 kcal(2000 mL)

  • 水:300 mL

  • 投与速度:95.8 mL/時間

1日合計

  • エネルギー:3000 kcal

  • たんぱく質:105 g

  • 水分量:1830 mL

👉 消化態栄養剤の使用が効果的

攻めの投与を成功させるために

攻めの栄養療法において重要なのは、「たくさん入れること」ではありません。

  • ボリューム

  • たんぱく質

  • 水分

  • 電解質

  • 微量栄養素

常にモニタリングしながら調整することが前提です。

特に高エネルギー投与時には、👉 合併症を見逃さず、即座に修正できる体制が不可欠です。

▶︎ 公式サイト

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