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在宅医療を科学する2~難治性蜂窩織炎の経過と初診時画像

  • 執筆者の写真: 賢一 内田
    賢一 内田
  • 3 日前
  • 読了時間: 2分

―「治らない蜂窩織炎」の背景にあるもの―

今回は、難治性蜂窩織炎と診断された女性の症例について、初診時および経過中の皮膚所見を中心に、在宅医療の視点からまとめます。

■ 搬送後も改善しなかった経過

本症例では、医療機関へ搬送された後も、約2か月間にわたり病状の明らかな改善を認めませんでした。

抗菌薬治療は行われていたものの、

  • 局所の皮膚障害が遷延

  • 浮腫の持続

  • 滲出液のコントロール不良

といった問題が残存していました。

■ 初診時の皮膚所見

初診時、下腿前面に広範な潰瘍形成を認め、局所には滲出液を伴うびらんがみられました。

単なる蜂窩織炎というよりも、

  • 慢性的な皮膚バリア破綻

  • 浮腫・循環障害の関与

  • 創傷治癒環境の不良

が強く疑われる状態でした。

■ 約1か月後の変化

治療介入とスキンケアの継続により、約1か月後には足底部のびらんに痂皮形成が認められるようになりました。

これは、

  • 滲出液が一定程度コントロールされた

  • 皮膚の再上皮化が進み始めた

ことを示す所見であり、**「治癒に向かうサイン」**と評価できます。

一方で、完全な改善には至らず、長期的な関与が必要な慢性創傷であることも明らかでした。

■ この症例から学ぶこと

蜂窩織炎が「難治化」する背景には、

  • 感染そのもの

  • 循環障害(PADの可能性)

  • 浮腫

  • 生活環境・セルフケア困難

といった複数の要因が重なっていることが多くあります。

特に高齢者では、「抗生剤を使えば治る」という単純な話では済まないケースが少なくありません。

■ 在宅医療の役割

在宅医療では、

  • 皮膚状態を継続的に観察できる

  • 生活背景に即した現実的なスキンケア指導ができる

  • 患者本人・家族の受け止めを踏まえた介入が可能

といった強みがあります。

本症例は、**「皮膚を診ること=生活を診ること」**であると、改めて感じさせられるケースでした。

在宅医療・訪問診療についての情報は👉 さくら在宅クリニック公式サイトhttps://www.shounan-zaitaku.com/

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