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在宅医療を科学する48~爪周囲炎とPAD(末梢循環不全)が併存するとき──見逃されやすい臨床的特徴を整理する
#爪周囲炎#PAD#末梢動脈疾患 #在宅医療#フットケア #見落とし注意 #感染徴候 #皮膚観察#さくら在宅クリニック 爪周囲炎とPAD(末梢循環不全)が併存するとき──見逃されやすい臨床的特徴を整理する さくら在宅クリニック | スライド p.66 爪周囲炎(爪の周りの感染・炎症)とPAD(末梢動脈疾患・末梢循環不全)が同時に存在するケースは、在宅・訪問診療の現場でも少なくありません。この「併存」には、 単独では気づきやすい感染徴候が見えにくくなる という特有の難しさがあります。 ② 併存時の臨床像の特徴 爪周囲炎+PADでは、以下の症状が見られます。 爪周囲炎(局所症状) 爪の周りの発赤・腫脹 圧痛 時に軽度排膿 掻破後の皮膚損傷 PAD(末梢循環不全) 足趾の冷感 足背/後脛骨動脈の触知低下 皮膚の乾燥・光沢 CRT(毛細血管再充満時間)延長 皮膚の色素沈着 小さな傷の治癒遅延 ⚠️ 感染しても"赤くならない"、"腫れにくい"= 見逃されやすいという特徴があります。 ケアのポイント PADが背景にある場合、通常の炎症サインが出にくいため、発
35 分前読了時間: 1分


在宅医療を科学する47~PAD合併足部感染の進展リスクと病態
さくら在宅クリニック / フットケア・在宅医療 病態 ① 治癒遅延・悪化リスクが高い理由 PAD(末梢動脈疾患) は下肢の動脈血流が低下しているため、以下の3つの問題が同時に起こります。 末梢の 組織灌流が悪い 酸素供給が不足 免疫細胞が 患部に届きにくい 小さな感染でも治りにくく、悪化しやすいという特徴があります。 ② 爪周囲炎の発症きっかけ 爪周囲炎はそもそも以下をきっかけに発症します 皮膚の微小外傷 爪切り・皮膚乾燥 真菌 / 細菌感染 PADがあると、これらの感染が 通常より速く深部に進む危険性が高く 、最悪の場合は下記のリスクに繋がります。 ③ 感染進展のリスク経路 蜂窩織炎 潰瘍 壊疽 下肢切断 ⚠️ 糖尿病や心不全が併存すると、さらにリスクは上昇します。早期発見・早期介入が重要です。
23 時間前読了時間: 1分


在宅医療を科学する46~あれ?思っていた経過と違う……!
足底部の創傷を診察していたところ、医師もスタッフも「あれれれ???」と思わず声に出してしまうような状況に遭遇しました。 在宅医療の現場では、毎回の訪問が「発見」の連続です。前回の診察からの変化が予想と異なることも少なくありません。それが良い方向への変化であっても、懸念が増す変化であっても、 しっかり観察・記録・対応 することが大切です。 在宅での足部創傷ケアのポイント 足部の潰瘍や傷は、特に以下のような患者さんで注意が必要です: 糖尿病のある方 :神経障害や血流障害により自覚症状が乏しいことがある 寝たきり・低活動の方 :血行不良や皮膚の脆弱化が起こりやすい 高齢者 :皮膚が薄く、治癒力が低下している 訪問のたびに創の 大きさ・深さ・色・滲出液・臭い・周囲皮膚の状態 を記録し、変化を見逃さないようにしています。 在宅医療だからこそできること 病院に来ることが難しい患者さんのご自宅に直接伺い、その場の環境・生活状況も踏まえた上でケアを行えるのが在宅医療の強みです。 「ちょっとした変化」も見逃さず、患者さんとご家族の安心のために、さくら在宅クリニック
2 日前読了時間: 2分


在宅医療を科学する45~在宅環境での足部多発潰瘍・壊死組織に対するドレッシング管理の実際
この記事のポイント 在宅環境での足部多発潰瘍・壊死組織に対するドレッシング管理の実際 壊死組織(黒色壊死)の観察ポイントと記録のとり方 在宅医療チームによる多職種連携のケアプロセス 症例概要 部位 足部(足底・趾部) 創傷の性状 壊死組織(黒色壊死)を伴う多発潰瘍、浸出液あり 使用材料 非固着性ドレッシング材、吸収パッド ケア環境 在宅(訪問診療・訪問看護) 観察所見と評価 1. 創傷の状態 趾部(主に第1趾・足底側)に 黒色乾性壊死(dry gangrene様) を認める。 壊死組織の辺縁は概ね明瞭で、周囲皮膚との境界は比較的安定している。 足底部には複数の浸出液を伴う潰瘍が存在し、ドレッシング材の汚染(黄色〜褐色滲出液)が観察された。 2. 皮膚周囲の状態 足背・下腿部の皮膚は乾燥・鱗屑を伴い、菲薄化傾向。毛細血管の透見が可能な程度の皮膚菲薄化を認め、 血流障害(末梢動脈疾患:PAD)や糖尿病性神経障害との関連が示唆される所見であった。 📌 在宅ケアでの観察ポイント: 壊死組織の拡大・軟化・悪臭の有無を毎回記録。感染徴候(発赤・熱感・膿
3 日前読了時間: 3分


在宅医療を科学する44~あれれ? いつもと違う経過
【経過報告】足趾の傷、なんか変? ── 在宅医療の現場から あれれ? いつもと違う経過 在宅診療の現場では、毎回の訪問でしっかりと傷の状態を観察することがとても大切です。 今回ご紹介するのは、足の親指(母趾)に傷を抱えている患者さんの経過です。 写真をご覧いただくと、母趾の先端に 黒色壊死様の病変 と周囲の発赤・腫脹が確認できます。前回の訪問時と比較して「あれれ?」と思わず声が出てしまうような変化が見られました。 在宅での創傷観察ポイント 足趾の傷を観察する際、私たちが特に注意しているポイントをご紹介します。 1. 色の変化 黒色・暗紫色 → 壊死や血流障害のサイン 赤色・発赤の拡大 → 炎症・感染の広がりの可能性 黄色・白色滲出液 → 感染や壊死組織の存在 2. 腫脹・熱感 足背や趾間まで腫れが広がっていないか、触れたときの熱感はどうか、毎回丁寧に確認します。 3. 臭気 感染が進行すると特有の臭気が生じることがあります。見た目だけでなく、嗅覚も大切な診断ツールです。 4. 境界線の変化 壊死と正常組織の境界(デマルケーション)が明確にな
4 日前読了時間: 2分


在宅医療を科学する43~高齢者に多い巻き爪(陥入爪)は、一見些細なトラブルに見えますが、爪周囲炎から重篤な感染症・潰瘍へと進行するリスクがあります。
高齢者に多い 巻き爪(陥入爪) は、一見些細なトラブルに見えますが、爪周囲炎から重篤な感染症・潰瘍へと進行するリスクがあります。本記事では、在宅診療で経験した実際の症例をもとに、見逃せないサインと適切な対処法を解説します。 📋 病歴・経過 病 歴 発症初期 左足第1趾に 爪周囲炎 を契機とした感染を認め、膿瘍形成のため 排膿 および抗菌外用剤・内服にて加療を開始。 経過中 感染は一時軽快するも、 壊死組織が残存 し、以後も創部は乾燥と浸出を繰り返す経過をたどった。 約1か月後 第一趾に加え 踵・外足部にも潰瘍が拡大 。PAD(末梢動脈疾患)に伴う皮膚変化も併存。 治療・転帰 外用剤( スルファジアジン銀クリーム )とデブリ処置を継続し、感染はコントロールされた。 🔍 この症例から学ぶポイント ① 爪周囲炎が重症化しやすい背景 高齢者では皮膚の菲薄化・免疫機能低下・末梢循環障害が重なりやすく、爪周囲炎が単なる局所感染に留まらず 蜂窩織炎・骨髄炎・敗血症 へ発展するリスクがあります。特に糖尿病やPAD(末梢動脈疾患)を合併している場合は要注意です
5 日前読了時間: 3分


在宅医療を科学する42~
巻き爪(陥入爪)は、爪が皮膚に食い込むことで痛みや炎症を引き起こす状態です。 特に高齢者では日常的なケアが難しく、気づかないうちに重症化するケースが少なくありません。 本記事では、高齢者の巻き爪の原因・症状・ケア方法について詳しく解説します。 1 巻き爪(陥入爪)とは? 巻き爪とは、爪の両端または片側が皮膚に食い込んで炎症や痛みを起こす状態です。 特に足の親指に多く見られます。軽度では違和感・圧痛程度ですが、 放置すると皮膚が赤く腫れ、化膿して歩行困難に至ることもあります。 🦶 右足親指に巻き爪による炎症・肉芽組織の形成が見られます。患部周囲はガーゼで保護されています。 ※ さくら在宅クリニック 症例写真(2025.2.14) 2 高齢者に多い理由 高齢になると、様々な要因が重なり巻き爪が起こりやすくなります。 🔍 主な原因・リスク因子 爪が厚く・硬くなり、自分でカットしにくくなる 視力の低下や身体の柔軟性の低下により、足に手が届きにくい 圧迫された靴・ゆるすぎる靴による慢性的な外圧 糖尿病・末梢循環障害による傷の治りにくさ 爪の深切り・不適
6 日前読了時間: 3分


在宅医療を科学する41~RS3PEとPMR:似て非なる2つの炎症疾患を見分けるポイント
はじめに 「手足がむくんでいる」「肩や腰がこわばって動かしにくい」——高齢者のこうした訴えの裏に、見逃してはならない炎症疾患が潜んでいることがあります。 今回は、似たような症状を持ちながらも本質的に異なる2つの疾患、 RS3PE(緩解性血清陰性対称性滑膜炎・浮腫) と PMR(リウマチ性多発筋痛症) について解説します。 RS3PEとは?——手・足の"むくみ"が主役の滑膜炎 RS3PE(Remitting Seronegative Symmetrical Synovitis with Pitting Edema) は、その名の通り「浮腫を伴う血清陰性対称性滑膜炎」です。 主な特徴 手・足背の著明な浮腫(むくみ) が最大の特徴 手指・足趾の腱鞘滑膜炎を伴うことが多い リウマトイド因子(RF)陰性 高齢者(特に60歳以上)に好発 比較的急速に発症することが多い 注意すべきポイント:悪性腫瘍の合併 RS3PEでは、 悪性腫瘍(がん)の合併に特に注意が必要 です。 RS3PEは腫瘍随伴症候群として発症することがあり、特に消化器がん・肺がん・血液腫
7 日前読了時間: 3分


在宅医療を科学する39~RS3PEとは?
RS3PE(Remitting Seronegative Symmetrical Synovitis with Pitting Edema)は、 主に高齢者に発症する炎症性疾患で、 リウマトイド因子陰性・左右対称性の滑膜炎・手背や足背の著明な浮腫 を特徴とします。 多くの場合、ステロイドへの反応が良好で劇的に改善することが知られています。 疾患の特徴: 突然の発症、手足の著しいpitting edema(圧痕浮腫)、 血沈・CRPなどの炎症反応の上昇が典型的。高齢の男性に多い傾向があります。 悪性腫瘍との関係 RS3PEは単独の炎症性疾患としてだけでなく、 固形癌や血液腫瘍の随伴症候(paraneoplastic syndrome) として出現することがあります。 悪性腫瘍合併率については各報告間で差があり、 0〜50% と幅広く報告されています。 この数字のばらつきは診断基準や患者背景の違いを反映していますが、 いずれにせよ悪性腫瘍の存在を積極的に除外することが求められます。 RS3PE と診断された場合、 背景にある悪性腫瘍を見逃さないこと
3月6日読了時間: 3分


在宅医療を科学する38~RS3PEとPMR——鑑別が難しい理由と見分けるポイント
RS3PEとPMR——鑑別が難しい理由と見分けるポイント タグ: #RS3PE #PMR #リウマチ性多発筋痛症 #浮腫 #高齢者医療 #在宅医療 #炎症疾患 #ステロイド #鑑別診断 #内科 なぜ鑑別が難しいのか? RS3PE(Remitting Seronegative Symmetrical Synovitis with Pitting Edema)とPMR(Polymyalgia Rheumatica:リウマチ性多発筋痛症)は、臨床の現場でしばしば混同される疾患です。 その理由は明確で、この2つの疾患には 3つの大きな共通点 があります。 高齢発症 :どちらも主に60歳以上の高齢者に発症します 炎症所見 :CRPや赤沈の上昇など、明らかな炎症反応を伴います ステロイド反応性 :どちらも少量〜中等量のステロイドに劇的に反応します これだけ共通点が多ければ、鑑別に迷うのは当然のことです。 同時に併存することもある さらに厄介なのは、 両疾患が同時に存在するケースがある という点です。 実際、PMR患者の**約10〜30%**においてRS3P
3月5日読了時間: 2分


在宅医療を科学する37~
さくら在宅クリニック 医療チーム⏱ 約5分で読めます はじめに:似ているようで異なる2つの疾患 高齢者の関節痛や筋痛の原因として、 RS3PE(可逆性血清陰性滑膜炎+圧痕性浮腫) と PMR(リウマチ性多発筋痛症) はしばしば混同されます。 どちらも50〜80代に多く、炎症反応(ESR・CRP)が上昇し、ステロイドに劇的に反応するため、 鑑別が難しいケースも少なくありません。 しかし発症様式・主な症状・浮腫の有無・画像所見・治療経過には明確な違いがあります。 在宅医療の現場でも適切な診断と管理が求められる疾患です。本記事では両者を丁寧に比較します。 🔑 この記事のポイント RS3PEは「圧痕性浮腫」が必発の急性発症、PMRは「近位筋の朝のこわばり」が主体の亜急性発症。 ステロイドへの反応速度と再発リスクも大きく異なります。 RS3PEとは? RS3PEは Remitting Seronegative Symmetrical Synovitis with Pitting Edema の略称で、 日本語では「可逆性血清陰性滑膜炎+圧痕性浮腫」と訳
3月4日読了時間: 4分


在宅医療を科学する35~浮腫を伴う高齢女性の関節痛
― 「痛み」だけを診てはいけない ― 肩関節周囲炎で大学病院に通院されていた高齢女性。 しかし、初診時に私たちが目にしたのは、 全身の痛み そして 四肢の著明な浮腫 通院が困難となり、往診依頼となりました。 浮腫+関節痛は何を意味するのか? 高齢者の関節痛はよくある症状です。しかし、 四肢の著明な浮腫 全身のこわばり 多関節痛 日常生活動作(ADL)の急激な低下 これらが重なる場合、単なる「肩関節周囲炎」では説明できないことがあります。 高齢発症の炎症性疾患を疑う このようなケースでは、以下の疾患を鑑別に挙げます。 リウマチ性多発筋痛症(PMR) 高齢発症関節リウマチ RS3PE症候群 甲状腺機能異常 心不全や低栄養に伴う浮腫 特に RS3PE症候群(Remitting Seronegative Symmetrical Synovitis with Pitting Edema) は、高齢者に多く、 ✔ 両側対称の手足の浮腫✔ 急激な発症✔ 強い炎症反応✔ ステロイドへの著効 という特徴があります。 「通院困難」は重要なサイン 在宅医療では、 「通
3月2日読了時間: 2分


在宅医療を科学する34~在宅診療で命を救う「スナップ診断」:大動脈解離を見逃さないための3点チェック
在宅医療や往診の現場では、病院のような精密検査がすぐには行えません。しかし、致死的な疾患である「大動脈解離」の中には、病歴と「疑う目」さえあれば、その場で判断し迅速な対応につなげられるものがあります。 今回は、往診現場で実践すべきアクションプランと、診断のポイントをまとめます。 1. 反射的に確認すべき「3点セット」 大動脈解離を疑う場合、まずは以下の3項目を即座にスクリーニングします。 突然発症の「裂けるような痛み」 : 胸背部から肩甲間部、顎や腹部へと移動するのが特徴です。 胸部X線での縦隔(じゅうかく)陰影の拡大 : 立位での縦隔幅が 8cm を超えているかを確認します。 左右上腕の血圧差(20 mmHg以上) : 両腕で同時に、または連続して血圧を測定します。 2. 在宅X線(レントゲン)撮影のコツ 現場での画像判断を確実にするための「押さえどころ」は以下の通りです。 基準画像(コントロール)を作っておく : 初診時にベースラインのX線を1枚撮影しておくことで、将来の急変時に比較が可能になり、見逃しを減らせます。 臥位(ねころんだ状態)
3月1日読了時間: 2分


在宅医療を科学する33~在宅診療の現場で「大動脈解離」をどう見抜くか?命を救うアクションプラン
在宅診療において、大動脈解離は「見た瞬間」に分かる症例もあれば、詳細な病歴と「疑う目」がなければ簡単に見逃してしまう症例もあります。限られた機材の中で迅速に判断を下すための、実戦的なスクリーニングとアルゴリズムを解説します。 1. 疑うべき「3項目」即時スクリーニング 往診現場で以下の臨床サインを確認した場合、大動脈解離の可能性を強く疑う必要があります。 突然発症の「裂けるような痛み」 : 胸背部から肩甲間部、頸部、顎、腹部へと痛みが移動することがあります。これまでにない激痛に加え、冷汗などの自律神経兆候を伴うのが特徴です。 左右上腕の血圧差(20 mmHg以上) : 腕頭動脈や鎖骨下動脈の狭窄でも起こり得ますが、胸背部症状を伴う場合は直ちに画像評価が必要です。 嗄声(させい:声のかすれ)や嚥下痛 : 上行大動脈から弓部にかけて縦隔が拡大し、反回神経を圧迫している兆候です。 陽性尤度比(LR+)による判断の確信度 上記3項目すべて該当: LR+ ≈ 66 (極めて高い確率で解離) 2項目該当: LR+ ≈ 5.3 2. 在宅X線(レントゲン)画
3月1日読了時間: 2分


在宅医療を科学する31~在宅・往診で見逃さない!大動脈解離を疑う「3つの即時スクリーニング項目」
在宅診療の現場では、病院のような精密な検査機器がすぐには使えません。しかし、致死的な「大動脈解離」の中には、 “見た瞬間”に診断がつく症例 がある一方で、 病歴と「疑う目」がなければ簡単に見逃してしまう症例 も存在します。 今回は、往診現場ですぐに実践できる「即時スクリーニング」の3項目を整理します。 大動脈解離を疑う3項目(在宅・往診用) 1. 突然発症の「裂けるような痛み」 最も重要なのは、痛みの「始まり方」と「移動」です。 発症様式 : 突然、何の前触れもなく激痛が走ります。 痛みの部位 : 胸背部だけでなく、肩甲間部、頸部、顎、腹部まで痛みが移動することがあります。痛みが「移動した」というエピソードは解離を強く疑わせます。 2. 胸部単純X線での「縦隔陰影の拡大」 ポータブルX線を使用できる場合、以下の指標を確認します。 立位での目安 : 縦隔幅が 8 cm を超えている場合。 臥位での代替指標 : 臥位では判別が困難なため、気管分岐部レベルで「椎体中央から大動脈陰影左縁までが 5 cm 以上 」であれば縦隔拡大陽性と判断します(この距
2月25日読了時間: 2分


在宅医療を科学する30~在宅診療で命を守る「スナップ診断」――大動脈解離を見逃さないためのポイント
在宅医療の現場では、病院のような大規模な検査機器がすぐには使えません。だからこそ、限られた情報から瞬時に重大な疾患を疑う「スナップ診断」が極めて重要になります。 今回は、見逃すと致命的になりかねない「大動脈解離」に焦点を当て、その見抜き方について解説します。 1. 症例から学ぶ:大動脈解離を疑うべき4つのサイン 急激な体調変化に対し、以下の症状が重なる場合は一刻を争います 。 胸を“掴まれる”様な強い痛み : 突然発症する強烈な胸痛は、大動脈解離の代表的な予兆です 。 冷汗 : 強い痛みやショック状態に伴う冷や汗は、緊急性の高さを示します 。 咽頭痛(のどの痛み) : 胸の痛みだけでなく、喉の奥に痛みを感じる場合もあります 。 嗄声(させい:声のかすれ) : 声がかすれる症状は、解離によって 反回神経麻痺 が起きている可能性を示唆する非常に重要なサインです 。 これらの症状が揃っている場合、在宅診療であっても大動脈解離を強く疑い、速やかな搬送判断が必要です 2. 胸部X線(レントゲン)で見抜く決定的な所見 往診時にレントゲン撮影を行った際、特に注
2月24日読了時間: 2分


在宅医療を科学する29~在宅診療で「大動脈解離」を見逃さないために。命を救う4つのサインと見抜き方
在宅医療の現場では、限られた検査環境で緊急事態を察知しなければなりません。なかでも 大動脈解離 は、一刻を争う疾患です。今回は、資料に基づき、その決定的な予兆と判断基準を解説します。 1. 症例から学ぶ「疑うべき4つのサイン」 大動脈解離を強く疑い、救急搬送を検討すべき患者さんには、共通の症状が現れることが資料により示されています。 胸を“掴まれる”ような強い痛み : 突然、強烈な痛みが襲います。 冷汗 : 激痛に伴い、体力を著しく消耗しているサインです。 咽頭痛(のどの痛み) : 胸の痛みだけでなく、喉の奥に痛みを感じる場合があります。 嗄声(させい:声のかすれ) : 最も注意すべきサインの一つです。 Shutterstock 2. なぜ「声のかすれ」が危険なのか 資料では、声のかすれ(嗄声)が大動脈解離の重要な診断材料として挙げられています。 大動脈が解離し、血管が膨らんだり出血したりすると、そのすぐ近くを通っている 反回神経(声を出すための神経)を圧迫します。これを反回神経麻痺 と呼びます。 「風邪によるのどの痛みや声枯れ」と安易に判断せず
2月23日読了時間: 2分


在宅医療を科学する28~臨床的示唆とまとめ
― 在宅医療におけるPDPsy(PD精神症状)への向き合い方 ― パーキンソン病(PD)の精神症状は、在宅診療の現場でしばしば遭遇します。幻視や妄想(FP:誤認・被害的解釈など)は一括りに語られがちですが、その背景は決して単純ではありません。 本稿では、臨床的示唆を整理します。 ① 幻視とFPは同じではない 幻視とFP(被害的解釈・妄想傾向など)は、 異なる神経経路・心理背景に基づく可能性 があります。 幻視 → 視覚処理系やREM睡眠関連ネットワークとの関連 FP → 解釈・意味付けの歪み、心理社会的背景の影響 同じ“精神症状”でも、介入アプローチは異なることを意識する必要があります。 ② FPは「洞察困難」で環境依存的 FPの特徴は、 ✔ 本人が症状と認識しにくい✔ 妄想化しやすい✔ 環境要因で変動する という点です。 照明、孤立、身体的不調、薬剤変動など、 小さな環境変化が症状を増悪させる ことがあります。 ③ 独居・社会的孤立はリスク因子 在宅現場では、 独居 会話機会の減少 昼夜逆転 不安の慢性化 がFPを助長することを多く経験します。
2月22日読了時間: 2分


在宅医療を科学する27~「誰もいないはずなのに、誰かの気配がする」――高齢期の不思議な感覚の正体とは?
こんにちは、さくら在宅クリニックです。 在宅診療の現場では、ご本人やご家族から「誰もいないはずなのに、すぐそばに誰かがいる気がする」「後ろに誰か立っているような感覚がある」といったお話を伺うことがあります。 これらは単なる気のせいではなく、医学的には「存在感覚(Feeling of Presence:FoP)」 や 「遅発性パラフレニー」といった言葉で説明される現象かもしれません。今回はスライド資料をもとに、その正体とメカニズムについて解説します。 1. 姿は見えないが「気配」を感じる「存在感覚(FoP)」 「他者の姿は見えないが、誰かが近くにいると強く感じる体験」を医学的に**存在感覚(FoP)**と呼びます。 主観的な体験 : 目に見えるわけではなく、「いる」と直感的に感じます。 なぜ起こるのか? : 脳の右半球の病変や、自己身体の情報を処理する領域(TPJ:側頭頭頂接合部、島皮質)の働きの乱れが関わっています。 関連する病気 : パーキンソン病(PD)などでみられることがあります。 対応のヒント : 十分な睡眠や安心できる環境づくりが、症状
2月21日読了時間: 3分


在宅医療を科学する26~「誰もいないはずなのに、誰かの気配がする」――高齢期の不思議な感覚の正体とは?
こんにちは。さくら在宅クリニックです。 私たちのクリニックでは、在宅療養をされている患者様やご家族から、「誰もいないはずなのに、近くに誰かがいる気がする」「後ろに誰か立っているような感覚がある」といったお話を伺うことがあります。 こうした体験は、決して「気のせい」や「怖い話」ではなく、脳の働きや環境の変化によって起こる医学的な現象です。今回はスライド資料をもとに、その仕組みを分かりやすく解説します。 1. 「存在感覚(Feeling of Presence)」:姿は見えないが気配を感じる 「他者の姿は見えないが、誰かが近くにいると感じる体験」を、医学的には存在感覚(Feeling of Presence)と呼びます。 なぜ起こるのか? :自分の体の感覚(身体表象)と、周囲の空間を把握する認知機能がうまくかみ合わず、その「ずれ」が原因で起こります。 脳の仕組み :右側の脳(側頭頭頂接合部や前頭前野など)の異常や、自分の体の意識(自己身体表象)の障害が関わっています。本来は存在しない「もう一人の自分」を外に感じてしまう現象とも言えます。 どんな時に現
2月20日読了時間: 3分
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