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在宅医療を科学する60~パーキンソン病の診断がつく10〜20年前から、非運動症状(Non-motor symptoms)がすでに出現しはじめています。

  • 2 日前
  • 読了時間: 4分

パーキンソン病の臨床経過目安

症状の進行段階と治療タイミングを正しく知る(Kalia et al., Lancet 2015)

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📂 神経内科・難病🏷️ パーキンソン病🕐 読了目安:6分👤 対象:医療・介護従事者・患者家族

パーキンソン病は、発症の20年以上前から前駆症状が始まるとされています。Lancet 2015(Kalia et al.)が示したこの図は、非運動症状・運動症状・合併症の出現時期を時系列で整理したもので、在宅医療・介護の現場でも広く参照されています。

臨床経過の3フェーズ

−20〜0年

前運動期


(Pre-motor)

  • 便秘(Constipation)

  • RBD(睡眠行動障害)

  • EDS・嗅覚低下

  • 抑うつ(Depression)

診断〜5年

早期


(Early)

  • 振戦・固縮・無動

  • 痛み・疲労

  • MCI(軽度認知障害)

  • ハネムーン期

5〜20年以降

進行期


(Advanced/late)

  • Wearing-off・ジスキネジア

  • 嚥下障害・姿勢反射障害

  • すくみ足・転倒

  • 認知症・精神症状

出典:Kalia LV et al. Parkinson's disease. Lancet. 2015;386(9996):896-912.

前運動期(−20〜0年):見逃されやすい前駆症状

パーキンソン病の診断がつく10〜20年前から、非運動症状(Non-motor symptoms)がすでに出現しはじめています。この時期は「パーキンソン病」とは気づかれないまま経過することがほとんどです。

🚽

便秘(Constipation)

  • 最も早期から出現する症状の一つ

  • 診断の20年以上前から見られることも

💤

RBD(レム睡眠行動障害)

  • 寝言・寝ぼけた動作が激しくなる

  • 将来のパーキンソン病リスクが高い

👃

嗅覚低下(Hyposmia)/EDS

  • においがわかりにくくなる

  • 過度の日中眠気(EDS)も前駆症状

😔

抑うつ(Depression)

  • 気分の落ち込み・意欲低下

  • 単なるうつ病と鑑別が難しい場合も

診断直後:ハネムーン期とは

🍯 ハネムーン期(Honeymoon Period)

診断後の初期治療(主にレボドパ)が非常によく効く時期です。薬の効果が安定しており、運動症状が劇的に改善します。この「うまくいっている」時期をハネムーン期と呼びます。しかし一般に数年で終わり、その後はWearing-offやジスキネジアなどの運動合併症が出現してきます。

運動症状(Motor symptoms)の進行

診断時から出現し始め、進行とともに多彩な運動障害が加わります。

🤝

三大主徴(早期〜)

  • 振戦(Tremor):安静時の手の震え

  • 固縮(Rigidity):筋肉のこわばり

  • 無動(Bradykinesia):動作の遅さ

🔄

運動合併症(中期〜)

  • Wearing-off:薬の効果が切れやすくなる

  • ジスキネジア:不随意運動の出現

🚶

進行期の運動障害

  • 姿勢反射障害(Postural instability)

  • すくみ足(Freezing of gait)

  • 転倒(Falls)のリスク増大

🍽️

嚥下障害(Dysphagia)

  • 進行期に出現・増悪する

  • 誤嚥性肺炎の主要リスク

  • 食事介助・食具操作が重要に

進行期の非運動症状と合併症

進行とともに認知機能や精神症状も現れ、介護負担が大きく増加します。

🚿

自律神経症状

  • 排尿障害(Urinary symptoms)

  • 起立性低血圧(Orthostatic hypotension)

  • 失神・ふらつきのリスク

🧠

認知症(Dementia)

  • 診断10年以降に多く見られる

  • 記憶・実行機能の低下

  • 介護の複雑さが増す

🌀

精神症状(Psychosis)

  • 幻視・妄想が出現することも

  • 薬の副作用との区別が必要

  • 家族・介護者の支援が不可欠

💊

治療難易度の変化

  • 早期:誰でも治療可能

  • 中期:工夫が求められる

  • 進行期:どうやっても難しい

治療難易度の目安

誰でも治療可能

診断〜5年頃

工夫が求められる

5〜10年頃

どうやっても難しい

10年以降

この分類は、早期診断・早期介入の重要性を改めて示しています。ハネムーン期のうちに生活習慣の整備・リハビリ・在宅支援体制の構築を進めることが重要です。

✅ まとめ

  • パーキンソン病の前駆症状(便秘・RBD・嗅覚低下・抑うつ)は診断の20年前から始まることがある。

  • 診断後の「ハネムーン期」は薬が非常によく効く時期だが、数年で終わり運動合併症が出現する。

  • 進行とともに嚥下障害・姿勢反射障害・すくみ足・転倒のリスクが増大する。

  • 進行期には認知症・精神症状(幻視・妄想)も加わり、介護の複雑さが著しく増す。

  • 治療難易度は時間とともに高まるため、早期からの多職種連携・在宅体制の整備が重要。

  • 下障害の出現後は、食具操作・食事姿勢などの誤嚥リスク管理が不可欠になる。

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