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逗子、葉山、鎌倉、横須賀、横浜市金沢区の在宅医療

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看護師さんによる在宅医療におけるエコーを科学する47~エコーで見るDVT⑥ ― 血栓の評価と判断の実際
深部静脈血栓症(DVT)の診断では、 血栓の存在・範囲・可動性・性状 を正確に把握することが重要です。ここでは、エコーによる血栓評価の基本手順を順を追って紹介します。 🔍血栓評価の4ステップ 1️⃣ 血栓検索(存在診断) 2️⃣ 血栓範囲の把握 3️⃣ 血栓中枢端(血栓尖)の可動性評価 4️⃣ 血栓性状評価(急性/慢性の判定) ① 血栓検索(存在診断) 基本は B-mode(2Dモード)による短軸走査 です。静脈を短軸で連続観察しながら、 適時圧迫 を行い血栓の有無を判断します。 🔸圧迫法の原理 正常静脈 :圧迫により完全につぶれ、内腔が消失する。 血栓あり :静脈内腔がつぶれず残存。(動脈は圧迫してもつぶれないため、比較対象として有用) 💡 静脈がつぶれない=血栓を強く疑う。短軸で検出後、 長軸走査 で血栓の連続性と内部性状を確認します。 🔸補助技術 カラードプラ法 :血流信号の欠損により血栓の存在を確認。 骨盤内観察 :腸管ガスの影響があるため、 やや強めの圧迫 で背側の静脈を描出。 ⚠️ 急性期の浮遊型血栓 は可動性が高く、 強い
6 日前読了時間: 4分


看護師さんによる在宅医療におけるエコーを科学する46~エコーで見るDVT⑤ ― 検査法と実践のポイント
深部静脈血栓症(DVT)は、 非侵襲的に診断できる代表的疾患のひとつ です。その評価において、エコー(超音波)は最も有用かつ即時性の高い検査手段です。今回は、DVTの**エコー検査法(全下肢静脈法)**について解説します。 🔍 DVTのエコー検査法 ― 2つのアプローチ DVT評価には、観察範囲の異なる2つの方法があります。 ① 全下肢静脈法(Whole-leg venous ultrasound) 骨盤部の総腸骨静脈から下腿ひらめ静脈まで を系統的に観察 急性期・慢性期ともに評価でき、再検不要 診療・在宅領域でも標準的な手技 ② 2点圧迫法(2-point CUS:compression ultrasonography) 鼠径部(総大腿静脈)と膝窩部(膝窩静脈) の2か所を限定的に圧迫評価 時間が限られる 救急現場向けの簡易法 初回陰性でも 1週間後の再検が必須 💡 本稿では、より詳細な評価が可能な 全下肢静脈法 を中心に解説します。 🩻 観察対象と静脈の基本構造 下肢の静脈は**筋膜より浅い「表在静脈」**と、**筋膜より深い「深部静
10月16日読了時間: 4分


看護師さんによる在宅医療におけるエコーを科学する45~エコーで見るDVT(深部静脈血栓症)― リンパ浮腫との鑑別にも重要
リンパ浮腫と同様に「下肢の腫脹」を呈する疾患として、**深部静脈血栓症(DVT: deep vein thrombosis)**があります。DVTは、**肺塞栓症(PE: pulmonary embolism)**の原因となり得る、命に関わる重要な疾患です。今回は、DVTの基本・症状・エコーによる診断法を整理します。 🩸DVTとは? 〜VTEという概念〜 DVTとは、主に**下肢の深部静脈(腸骨静脈〜下腿静脈)**に血栓が形成された状態を指します。それ自体は必ずしも致死的ではありませんが、 血栓が肺へ飛んでPE(肺塞栓症)を起こす と、突然の呼吸困難やショックを来し、重篤な転帰をとることがあります。 この DVTとPEを合わせて「VTE(venous thromboembolism:静脈血栓塞栓症)」 と呼びます。VTEは俗に「 エコノミークラス症候群 」「 旅行者血栓症 」としても知られ、長時間同じ姿勢で過ごす飛行機搭乗中や、術後の臥床中に発生することがあります。 💡 日本でも近年、生活習慣や高齢化、長時間手術などの影響で VTEは増加傾
10月15日読了時間: 3分


看護師さんによる在宅医療におけるエコーを科学する44~エコーで見るリンパ浮腫④ ― 評価と判断の手技
エコーはリンパ浮腫の 病期判定・浮腫範囲の把握・経時的変化の追跡 において、非常に有用なツールです。ここでは、臨床での観察手技と経時的評価のポイントをまとめます。 🔍 内部性状の違いによる評価 リンパ浮腫では、 患肢全体の皮下組織の状態 を把握することが第一歩です。観察範囲は次の通りです。 上肢リンパ浮腫 :手関節(尺骨側)から上腕まで 下肢リンパ浮腫 :足関節(外果)から大腿まで 🔸 撮影のコツ エコー装置の「 動画機能 」や「 パノラマ撮影 」を活用すると、患肢全体の連続像を得られます。 プローブと皮膚の両方にゲルを十分塗布し、 皮膚上を滑らせながら移動 するのがポイントです。 プローブは**身体の長軸方向(縦向き)**に当てます。 💡 コツ: 浮腫の程度は長軸方向に変化するため、縦方向の走査がより正確な観察につながります。 🧭 部位による内部性状の違い 下肢リンパ浮腫の例を見ると、患肢全体で皮下組織が厚く、部位によって 内部性状(エコー輝度・構造)が異なる ことが分かります。これは、同じ患肢でも 部位ごとに病期が異なる可能性 を示
10月14日読了時間: 3分
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