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看護師さんによる在宅医療におけるエコーを科学する⑤~医療用画像の違いと使い分け :エコー・X線・CT・MRIの特徴とは?

  • 執筆者の写真: 賢一 内田
    賢一 内田
  • 7月15日
  • 読了時間: 2分

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病気やけがの診断に欠かせない「医療用画像」。一言に画像検査といっても、エコー、X線、CT、MRIなど、さまざまな種類があり、それぞれに特徴と適応があります。

ここでは、各画像検査の違いと、それぞれどんな場面で使い分けられているのかをわかりやすく紹介します。

🩻 比較表:主な画像検査の特徴

検査名

被ばく

負担

検査時間

観察できる部位

禁忌・注意点

コスト

エコー(超音波)

なし

短い

腹部、心臓、体表、筋肉など

なし

最も安価

X線写真

あり

短い

骨、肺など

妊婦には注意

安価

CT

あり

短い

全身対応可能

妊婦には注意

高価

MRI

なし

圧迫・音などやや大きい

長い

全身対応可能

金属(ペースメーカー等)禁忌

最も高価

※ピンクはデメリットとなるポイントを示しています。

🔍 各検査の特徴と適応

✅ エコー検査(超音波検査)

  • 放射線を使わない非侵襲的検査で、痛みもなく体にやさしい

  • リアルタイム観察が可能で、心臓の動きや血流も評価できる

  • 装置が小型・安価・持ち運び可能で、ベッドサイドでも使える

  • 軟部組織(筋肉・脂肪・臓器)の描出に優れており、腹部や心臓、体表の観察に向いている

  • ただし、検者の技術に左右されやすい点や、静止画像としての記録性に限界があるのが弱点

✅ X線検査(レントゲン)

  • 最も古くからある画像診断法

  • 骨折や肺炎、関節の変化などの診断に優れている

  • 被ばくはあるが、1回の線量は比較的少ない

  • 妊婦さんや胎児への影響には注意が必要

✅ CT(コンピュータ断層撮影)

  • X線を360度方向から照射し、体の断層像を高精細に再構築

  • 脳卒中、肺炎、腫瘍、腹部疾患など全身の急性病変の診断に有用

  • 検査時間が短く、救急現場で多用される

  • X線を使うため、被ばくは比較的大きい

✅ MRI(磁気共鳴画像)

  • 放射線を使わず磁場と電波で画像を取得

  • 脳や脊髄、関節、靭帯、筋肉、腫瘍などの軟部組織を詳細に評価できる

  • 検査時間は長く、機械音や閉所環境があるため不快感を覚える人も

  • 体内金属(ペースメーカー、脳クリップ等)は禁忌

💡 エコー検査はこんなときにおすすめ

  • 急性腹痛、心不全、浮腫の評価などベッドサイドでの即時対応

  • 妊婦さんや小児など被ばくを避けたい人

  • 血流動態の観察(ドプラ機能の活用)

✍️ まとめ

それぞれの検査には長所と短所があり、使い分けが重要です。エコーは簡便で非侵襲的、X線は骨や肺の初期評価に、CTは迅速で全身を広く観察可能、MRIは詳細な軟部組織の描出に強みを持ちます。

状況に応じて、最も適した画像検査を選ぶことが、正確な診断と治療の第一歩になります。

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