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認知症は治せるか~認知症治療の羅針盤46~認知症患者の余命と頻度の高い身体合併症肺炎・転倒・心血管疾患と向き合う在宅ケア
認知症の予後余命身体合併症生存期間誤嚥性肺炎転倒口腔ケアフレイルサルコペニアLewy小体型認知症前頭側頭葉変性症在宅医療訪問診療逗子市 認知症の存在は、それ自体で死亡率を大きく高めます。 特に肺炎が直接死因の第1位であり、これは一般人口と反対の傾向です。 在宅医療の現場では、認知症の疾患別予後・合併症のリスクを理解したうえで、 口腔ケア・誤嚥予防・転倒対策・身体リハビリテーションを 包括的に提供することが患者さんの生存期間と生活の質(QOL)の改善につながります。 認知症の死亡率 疾患別:発症から死亡までの生存期間 認知症の直接死因 なぜ認知症に肺炎が多いのか 口腔衛生の悪化:認知症による口腔ケア不足→口腔内微生物の増加 嚥下障害:認知症に出現しやすい誤嚥→誤嚥性肺炎リスク上昇 移動制限:自立歩行の困難・身体拘束→肺炎リスクをさらに高める 管理面の問題(口腔衛生・体位・栄養)が肺炎発症と密接 認知症に伴いやすい身体合併症 合併症 特徴・メカニズム 在宅での対策 誤嚥性肺炎(最多) 嚥下障害+口腔衛生悪化+移動制限 口腔ケア、食形態調整、嚥
3 時間前読了時間: 2分


在宅酸素療法を科学する37~吸入療法COPD・喘息における吸入薬の分類・治療戦略と手技の重要性
喘息やCOPDにおいて、治療の中心は吸入薬である。吸入薬は気管支拡張作用や抗炎症作用を持つ薬剤を局所的に投与できるため、全身性の有害事象を軽減でき安全性が高い。一方で、患者の吸入手技による効果の不安定さには十分注意を払うべきであり、40年間にわたって不適切な吸入手技がはびこっていることが明らかとなっている。 吸入薬の剤形と特徴 剤形 特徴 長所 短所 pMDI 定量噴霧式吸入器 粒子は液体・粒子径は小さめ。加圧式ガスにより定量噴霧。溶液タイプと懸濁液タイプがある 携帯可。緊急時に向く。デバイスはほぼ同じ 噴霧との同調が必要。スペーサー使用を推奨 DPI ドライパウダー吸入器 粒子は粉末・粒子径は大きめ。粉末を自らの呼気により吸い込む。薬剤内蔵タイプと薬剤装填タイプがある 携帯可。同調不要 必要吸気力が存在。デバイスが様々 ネブライザー 粒子は液体。粒子径は種類により異なる。薬液を霧状にし自然呼吸により吸入。ジェット式・超音波式・メッシュ式がある 急性期治療に向く。同調不要 装置が必要。時間がかかる。電力が必要。騒音・振動 吸入薬の薬効分類 喘息治
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認知症は治せるか~認知症治療の羅針盤45~「ビタミンB₁欠乏」とWernicke脳症過少診断を防ぎ、命と記憶を救う
ビタミンB₁欠乏Wernicke脳症Korsakoff症候群Treatable認知症アルコール依存症眼球運動障害失調記憶障害医原性高カロリー輸液チアミンサイアミン在宅医療訪問診療逗子市 「立てなくなった」「目の動きがおかしい」「同じことを何度も質問する」―― アルコール依存や栄養不足のある患者さんにこうした症状が現れたとき、 ビタミンB₁欠乏によるWernicke脳症を真っ先に疑ってください。 この疾患は死亡前に診断されるのはわずか約15%という過少診断の代表例であり、 治療の遅れが命と記憶に重大な後遺症をもたらします。 Wernicke脳症とは Wernicke脳症はビタミンB₁(チアミン)欠乏によって引き起こされる急性〜亜急性の神経症候群です。 ビタミンB₁は糖代謝に関わる補酵素として機能し、 欠乏するとクエン酸回路とペントースリン酸回路での障害が生じ、 血管性浮腫と細胞毒性浮腫による脳障害が発生します。 Wernicke脳症の「3徴候」 ビタミンB₁欠乏を起こす背景 診断のポイント EFNSガイドライン(2010年)の診断基準...
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在宅酸素療法を科学する36~感染予防策 長期酸素療法患者の生活指導とワクチン接種の重要性
長期酸素療法での感染予防は、① 生活における注意と② 積極的な予防としてのワクチン接種の2本柱からなる。安定していても、長期酸素療法を実施するような患者の肺炎は急な転帰を辿ったり、負のスパイラルに陥ったりすることが予測されるため、早めに予防接種を実施することが重要である。 セルフマネジメントと生活指導 2003年のBourbeauらによる研究以降、ケースマネージャー(看護師)による患者教育が救急外来受診と入院の減少およびQOLの改善効果を示した。COPDに対するセルフマネジメントのメタアナリシスでは、QOL・全原因および呼吸器に関連した入院・息切れ(mMRC)の改善効果が得られている。 感染対策のセルフマネジメントとしては、感染や増悪の徴候を早くとらえて、あらかじめ処方されている薬剤(抗菌薬とプレドニゾロン)を迅速に服用することが中心。そのため、以下のセルフモニタリング教育が重要である。 重要な感染予防項目(生活指導) インフルエンザワクチンの重要性 インフルエンザウイルスは、特に気道上皮細胞の障害が強く生じることから、細菌性肺炎が引き起こされる
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認知症は治せるか~認知症治療の羅針盤44~「進行性多巣性白質脳症(PML)」とは?免疫抑制患者の亜急性認知症を見逃さない
進行性多巣性白質脳症PMLJCウイルスTreatable認知症免疫抑制ナタリズマブフィンゴリモドIRIS亜急性脳症高次脳機能障害PCR検査超高感度PCR在宅医療訪問診療逗子市 「漢字が書けなくなった」「道に迷うようになった」「計算が面倒になった」―― こうした亜急性の認知機能低下の背景に、 進行性多巣性白質脳症(PML)が隠れている場合があります。 PMLは免疫抑制を背景にJCウイルスが再活性化して発症する希少感染症ですが、 免疫抑制薬・生物学的製剤を使用する患者が増加した現代、 在宅医療の現場でも知っておくべき重要疾患です。 PMLとは―JCウイルスによる脱髄疾患 PMLは免疫不全を背景にJCウイルス(JCV)が再活性化し、 オリゴデンドロサイト(髄鞘を形成する細胞)に感染して 中枢神経において多発性脱髄病変を引き起こす希少感染症です。 病変部位に応じて多様な神経巣症状を引き起こしますが、 特に認知機能障害・運動障害・発話障害の頻度が高く、 これらが亜急性に進行し、自然経過では失外套症候群へ至ります。 PMLを疑うべきリスク因子 PMLの主
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在宅酸素療法を科学する35~栄養療法慢性呼吸不全・COPDにおける栄養障害の評価と実践的栄養管理
慢性呼吸不全においては、栄養障害の合併が病態や予後に悪影響を及ぼすとされている。COPDは全身性疾患であり、栄養障害には全身性炎症・換気メカニクスの障害・摂食調節因子の異常など多くの要因が複合的に関与している。本記事では栄養障害の特徴から評価・実践的な栄養療法まで体系的に解説する。 栄養障害の特徴と問題点 ① タンパクエネルギー低栄養状態(PEM) 慢性呼吸不全患者の栄養障害の特徴はタンパクエネルギー低栄養状態(PEM)である。しばしば体重減少が認められ、以下の変化を呈する。 ② 代謝亢進状態 気流制限や肺過膨張により呼吸筋のエネルギー消費量が増えるため、COPD患者では安静時エネルギー消費量(REE)が同年代の健常者の1.2〜1.4倍に増大しており、体重減少患者では体重正常患者よりも有意な増大が認められている。また全身性炎症に伴うTNF-αなどの炎症性サイトカインが体重減少のあるCOPD患者で増加しているとされる。 ③ 摂取エネルギー量の低下 COPD患者が身体活動を維持するために必要なエネルギーを食事で摂取することが困難な場合が多い。その理由
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認知症は治せるか~認知症治療の羅針盤43~「多発性硬化症(MS)」と認知機能低下行動異常・カタトニアの背景に潜む神経免疫疾患
「最近、仕事を無断欠勤するようになった」「理由もなく車の査定を依頼した」―― こうした急性の行動異常・脱抑制・カタトニアの背景に、 多発性硬化症(MS)の再発が隠れていることがあります。 MSは再発を繰り返しながら認知機能低下が進行するTreatable(治療可能)な神経免疫疾患で、 適切な疾患修飾薬(DMD)の選択と早期治療介入が予後を左右します。 多発性硬化症(MS)とは MSは中枢神経系(脳・脊髄・視神経)の脱髄と炎症を繰り返す自己免疫疾患です。 進行形式により3型に分類されますが、いずれも経過とともに緩徐に認知機能低下が進行します。 MSの認知機能障害 MSでよくみられる認知機能障害は、 アルツハイマー病とは異なるパターンを示します。 MSの鑑別診断 空間的・時間的多発性を示す疾患はMS以外にも存在します。 特に以下の神経免疫疾患は治療が異なるため、厳密な鑑別が重要です。 MSの治療(疾患修飾薬:DMD) 薬剤 分類 特徴・注意点 インターフェロンβ 第一世代DMD 再発回数・MRI病変を軽減。本症例ではインターフェロンβで疾患活動性
3 日前読了時間: 2分
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