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逗子、葉山、鎌倉、横須賀、横浜市金沢区の在宅医療

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在宅医療を科学する32~在宅診療で命を守る「スナップ診断」――大動脈解離を絶対に見逃さないための重要ポイント
在宅医療の現場では、病院のような大規模な検査機器に頼ることができません。限られた情報から瞬時に重大な疾患を疑う「スナップ診断」こそが、患者さんの命を救う鍵となります。 今回は、見逃すと致命的になりかねない**「大動脈解離」**に焦点を当て、その臨床サインと画像判断のコツを解説します。 1. 臨床現場で疑うべき「3項目」即時スクリーニング 往診時に以下の3項目のうち複数が当てはまる場合は、極めて高い確率で大動脈解離が疑われます。 突然発症の「裂けるような痛み」 胸背部から肩甲間部、さらに頸部や腹部まで痛みが移動するのが特徴です。 胸部単純X線での「縦隔陰影(じゅうかくいんえい)の拡大」 心臓の付け根付近の影が横に広がっていないかを確認します。 左右上腕の血圧差(20 mmHg以上) 左右の腕で血圧を測り、明らかな差がある場合は要注意です。 【尤度比(ゆうどひ)による判断】 上記のうち3項目すべてに該当する場合、陽性尤度比(LR+)は約66となり、診断の確信度が飛躍的に高まります。 2. 症例から見る「見逃しやすいサイン」 典型的な胸痛以外にも、意
3 日前読了時間: 3分


誤嚥性肺炎を科学する32~誤嚥性肺炎の予防とケアとしてのリハビリテーション
― 「リハビリ=訓練」ではない ― 誤嚥性肺炎は、在宅医療で最も頻度の高い重篤疾患のひとつです。 しかし、誤嚥性肺炎の予防は「嚥下訓練だけ」ではありません。 重要なのは、 障害者へのケアすべてがリハビリである という視点です。 1. リハビリの広い意味 リハビリには ✔ 狭義(療法士による疾患別リハ)✔ 広義(生活を支えるすべての支援) があります。 誤嚥性肺炎予防に関わるのは、主にこの「広義のリハビリ」です。 2. 疾患別リハビリ(狭義) 理学療法士・作業療法士・言語聴覚士が行う 嚥下評価 嚥下訓練 呼吸リハビリ 姿勢調整 は非常に重要です。 しかし、それだけでは不十分です。 3. 集団体操の役割 体操は ✔ 心肺機能維持✔ 日中覚醒促進✔ 日内リズム調整 に役立ちます。 複数人で行う体操は、 集団意識 競争意識 社会参加意欲 を刺激し、導入・継続しやすいという利点があります。 4. 口腔ケアは「口のリハビリ」 口腔ケアは単なる清掃ではありません。 ✔ 口腔清掃✔ 機能的口腔ケア✔ 唾液腺刺激 を組み合わせることで、 「食べるための口」を維持し
3 日前読了時間: 2分


誤嚥性肺炎を科学する31~リハビリテーションとは何か
― 在宅医療における「広い意味のリハビリ」 ― 「リハビリをお願いします。」 在宅医療の現場で、日常的に耳にする言葉です。しかし、この“リハビリ”という言葉、正しく理解されているでしょうか。 1. リハビリには2つの意味がある まず大切なのは、 リハビリには“広義”と“狭義”がある ということです。 ■ 狭義のリハビリ 理学療法士(PT)作業療法士(OT)言語聴覚士(ST) が行う、疾患別・専門的訓練。 いわゆる「機能回復訓練」です。 ■ 広義のリハビリ WHOはリハビリを、 「能力や状態の低下を最小限にし、社会参加を可能にするためのすべての支援」 と定義しています。 つまり、 ✔ 日常生活支援✔ 口腔ケア✔ 排泄介助✔ 栄養支援✔ 環境整備✔ 福祉用具導入 これらすべてが、広い意味でのリハビリです。 2. 要介護高齢者へのケアはリハビリである 歩行訓練だけがリハビリではありません。 安全に移乗する 自力で食事を続ける 排泄を維持する 会話能力を保つ 口腔機能を守る これらはすべて「能力の維持」という意味でリハビリです。 在宅医療では、 ケアその
4 日前読了時間: 2分


在宅医療を科学する31~在宅・往診で見逃さない!大動脈解離を疑う「3つの即時スクリーニング項目」
在宅診療の現場では、病院のような精密な検査機器がすぐには使えません。しかし、致死的な「大動脈解離」の中には、 “見た瞬間”に診断がつく症例 がある一方で、 病歴と「疑う目」がなければ簡単に見逃してしまう症例 も存在します。 今回は、往診現場ですぐに実践できる「即時スクリーニング」の3項目を整理します。 大動脈解離を疑う3項目(在宅・往診用) 1. 突然発症の「裂けるような痛み」 最も重要なのは、痛みの「始まり方」と「移動」です。 発症様式 : 突然、何の前触れもなく激痛が走ります。 痛みの部位 : 胸背部だけでなく、肩甲間部、頸部、顎、腹部まで痛みが移動することがあります。痛みが「移動した」というエピソードは解離を強く疑わせます。 2. 胸部単純X線での「縦隔陰影の拡大」 ポータブルX線を使用できる場合、以下の指標を確認します。 立位での目安 : 縦隔幅が 8 cm を超えている場合。 臥位での代替指標 : 臥位では判別が困難なため、気管分岐部レベルで「椎体中央から大動脈陰影左縁までが 5 cm 以上 」であれば縦隔拡大陽性と判断します(この距
4 日前読了時間: 2分


在宅医療を科学する30~在宅診療で命を守る「スナップ診断」――大動脈解離を見逃さないためのポイント
在宅医療の現場では、病院のような大規模な検査機器がすぐには使えません。だからこそ、限られた情報から瞬時に重大な疾患を疑う「スナップ診断」が極めて重要になります。 今回は、見逃すと致命的になりかねない「大動脈解離」に焦点を当て、その見抜き方について解説します。 1. 症例から学ぶ:大動脈解離を疑うべき4つのサイン 急激な体調変化に対し、以下の症状が重なる場合は一刻を争います 。 胸を“掴まれる”様な強い痛み : 突然発症する強烈な胸痛は、大動脈解離の代表的な予兆です 。 冷汗 : 強い痛みやショック状態に伴う冷や汗は、緊急性の高さを示します 。 咽頭痛(のどの痛み) : 胸の痛みだけでなく、喉の奥に痛みを感じる場合もあります 。 嗄声(させい:声のかすれ) : 声がかすれる症状は、解離によって 反回神経麻痺 が起きている可能性を示唆する非常に重要なサインです 。 これらの症状が揃っている場合、在宅診療であっても大動脈解離を強く疑い、速やかな搬送判断が必要です 2. 胸部X線(レントゲン)で見抜く決定的な所見 往診時にレントゲン撮影を行った際、特に注
5 日前読了時間: 2分


誤嚥性肺炎を科学する30~禁食中の口腔衛生
― 食べていないからこそ、口腔ケアが必要な理由 ― 在宅医療の現場では、 ・脳卒中後・神経難病・進行がん・腸閉塞・終末期 などの理由で「禁食」となる患者さんが少なくありません。 しかし、ここで重要な事実があります。 食べていないことが、誤嚥性肺炎のリスクを高めることがある。 本日はその理由を整理します。 1. 禁食で何が起こるのか ■ 唾液が減る 禁食中は唾液分泌が著しく低下します。 唾液には ✔ 抗菌作用✔ 口腔内の洗浄作用✔ 潤滑作用 があります。 唾液が減ると、口腔は一気に「細菌優位環境」になります。 2. 口腔内細菌の変化 研究では、 経腸栄養・禁食患者では ・MRSA・腸内細菌・クレブシエラ・プロテウスなどの検出率が有意に上昇することが示されています。 つまり、 食べない=口がきれいになる ではなく、 食べない=病原菌が増えやすい環境になる のです。 3. 禁食と誤嚥性肺炎 誤嚥性肺炎は 「食べ物を誤嚥する」だけが原因ではありません。 実際には、 ✔ 唾液✔ 口腔内分泌物✔ 細菌を含んだ痰 を不顕性に誤嚥することが主な原因です。 禁食に
5 日前読了時間: 3分


在宅医療を科学する29~在宅診療で「大動脈解離」を見逃さないために。命を救う4つのサインと見抜き方
在宅医療の現場では、限られた検査環境で緊急事態を察知しなければなりません。なかでも 大動脈解離 は、一刻を争う疾患です。今回は、資料に基づき、その決定的な予兆と判断基準を解説します。 1. 症例から学ぶ「疑うべき4つのサイン」 大動脈解離を強く疑い、救急搬送を検討すべき患者さんには、共通の症状が現れることが資料により示されています。 胸を“掴まれる”ような強い痛み : 突然、強烈な痛みが襲います。 冷汗 : 激痛に伴い、体力を著しく消耗しているサインです。 咽頭痛(のどの痛み) : 胸の痛みだけでなく、喉の奥に痛みを感じる場合があります。 嗄声(させい:声のかすれ) : 最も注意すべきサインの一つです。 Shutterstock 2. なぜ「声のかすれ」が危険なのか 資料では、声のかすれ(嗄声)が大動脈解離の重要な診断材料として挙げられています。 大動脈が解離し、血管が膨らんだり出血したりすると、そのすぐ近くを通っている 反回神経(声を出すための神経)を圧迫します。これを反回神経麻痺 と呼びます。 「風邪によるのどの痛みや声枯れ」と安易に判断せず
6 日前読了時間: 2分


誤嚥性肺炎を科学する29~要介助者への口腔ケア
― 清潔だけで終わらせない「機能を守るケア」 ― 在宅医療の現場で強く感じるのは、 口腔ケアの質が、その人の予後やQOLに直結する ということです。 とくに要介助者では、口腔ケアは「セルフケア」ではなく ケア提供者が主体となって行う他動的口腔ケア になります。 今日は、そのポイントを整理します。 1. 要介助者の口腔ケアは“他動的ケア” 自立している方の口腔ケアは「指導」が中心ですが、要介助者ではケア提供者が主体となります。 押さえるべき基本は同じです。 ✔ 歯と歯の間✔ 歯と歯肉の境目✔ 粘膜✔ 舌✔ 清掃後の回収・排出✔ 最後に保湿 この一連の流れを省略しないことが重要です。 2. 乾燥した口はそのまま磨かない 口腔内乾燥を認める場合、 いきなりブラッシングをすると✔ 粘膜損傷✔ 出血✔ 痛み✔ ケア拒否 につながります。 まずは ・保湿剤・湿らせたガーゼ・スポンジブラシ で湿潤環境を作ってから清掃を行います。 これは非常に重要なポイントです。 3. 「回収・排出」が最重要 ブラッシングや清掃で浮き上がった細菌は 必ず口腔外へ排出させる
6 日前読了時間: 3分


在宅医療を科学する28~臨床的示唆とまとめ
― 在宅医療におけるPDPsy(PD精神症状)への向き合い方 ― パーキンソン病(PD)の精神症状は、在宅診療の現場でしばしば遭遇します。幻視や妄想(FP:誤認・被害的解釈など)は一括りに語られがちですが、その背景は決して単純ではありません。 本稿では、臨床的示唆を整理します。 ① 幻視とFPは同じではない 幻視とFP(被害的解釈・妄想傾向など)は、 異なる神経経路・心理背景に基づく可能性 があります。 幻視 → 視覚処理系やREM睡眠関連ネットワークとの関連 FP → 解釈・意味付けの歪み、心理社会的背景の影響 同じ“精神症状”でも、介入アプローチは異なることを意識する必要があります。 ② FPは「洞察困難」で環境依存的 FPの特徴は、 ✔ 本人が症状と認識しにくい✔ 妄想化しやすい✔ 環境要因で変動する という点です。 照明、孤立、身体的不調、薬剤変動など、 小さな環境変化が症状を増悪させる ことがあります。 ③ 独居・社会的孤立はリスク因子 在宅現場では、 独居 会話機会の減少 昼夜逆転 不安の慢性化 がFPを助長することを多く経験します。
2月22日読了時間: 2分


誤嚥性肺炎を科学する28~高齢期の不思議な感覚と向き合う:心のサインと「お口の健康」の深い関係
― “清潔”だけで終わらせない、機能を守るケア ― さくら在宅クリニック院長 内田 賢一 口腔ケアは「清掃」だけではありません 在宅医療の現場で強く感じるのは、 口腔ケアは命を守るケアである ということです。 特に要介助者の場合、口腔ケアは「本人が行うセルフケア」ではなく、ケア提供者が主体的に実施する“他動的ケア”になります。 そして重要なのは、 ✔ 口腔を清潔に保つこと✔ 清掃後の“回収・排出”を徹底すること✔ 口腔機能を維持する“機能的ケア”を行うこと この3点です。 ① 口腔保清:基本は変わらない 自立している方も、要介助の方も、口腔保清の基本は同じです。 ✅ 歯と歯の間 ✅ 歯と歯ぐきの境目 ✅ 粘膜 ✅ 舌 を丁寧に清掃します。 乾燥している口は、そのまま磨かない 口腔内が乾燥している場合、いきなりブラッシングすると粘膜を傷つけてしまいます。 まずは ・保湿剤・少量の水分・湿らせたガーゼ で 湿潤環境をつくってから清掃 しましょう。 これだけで痛みが減り、清掃効率も大きく変わります。 ② 「回収・排出」が最重要ポイント...
2月22日読了時間: 3分
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