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逗子、葉山、鎌倉、横須賀、横浜市金沢区の在宅医療

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在宅医療を科学する29~在宅診療で「大動脈解離」を見逃さないために。命を救う4つのサインと見抜き方
在宅医療の現場では、限られた検査環境で緊急事態を察知しなければなりません。なかでも 大動脈解離 は、一刻を争う疾患です。今回は、資料に基づき、その決定的な予兆と判断基準を解説します。 1. 症例から学ぶ「疑うべき4つのサイン」 大動脈解離を強く疑い、救急搬送を検討すべき患者さんには、共通の症状が現れることが資料により示されています。 胸を“掴まれる”ような強い痛み : 突然、強烈な痛みが襲います。 冷汗 : 激痛に伴い、体力を著しく消耗しているサインです。 咽頭痛(のどの痛み) : 胸の痛みだけでなく、喉の奥に痛みを感じる場合があります。 嗄声(させい:声のかすれ) : 最も注意すべきサインの一つです。 Shutterstock 2. なぜ「声のかすれ」が危険なのか 資料では、声のかすれ(嗄声)が大動脈解離の重要な診断材料として挙げられています。 大動脈が解離し、血管が膨らんだり出血したりすると、そのすぐ近くを通っている 反回神経(声を出すための神経)を圧迫します。これを反回神経麻痺 と呼びます。 「風邪によるのどの痛みや声枯れ」と安易に判断せず
6 日前読了時間: 2分


誤嚥性肺炎を科学する29~要介助者への口腔ケア
― 清潔だけで終わらせない「機能を守るケア」 ― 在宅医療の現場で強く感じるのは、 口腔ケアの質が、その人の予後やQOLに直結する ということです。 とくに要介助者では、口腔ケアは「セルフケア」ではなく ケア提供者が主体となって行う他動的口腔ケア になります。 今日は、そのポイントを整理します。 1. 要介助者の口腔ケアは“他動的ケア” 自立している方の口腔ケアは「指導」が中心ですが、要介助者ではケア提供者が主体となります。 押さえるべき基本は同じです。 ✔ 歯と歯の間✔ 歯と歯肉の境目✔ 粘膜✔ 舌✔ 清掃後の回収・排出✔ 最後に保湿 この一連の流れを省略しないことが重要です。 2. 乾燥した口はそのまま磨かない 口腔内乾燥を認める場合、 いきなりブラッシングをすると✔ 粘膜損傷✔ 出血✔ 痛み✔ ケア拒否 につながります。 まずは ・保湿剤・湿らせたガーゼ・スポンジブラシ で湿潤環境を作ってから清掃を行います。 これは非常に重要なポイントです。 3. 「回収・排出」が最重要 ブラッシングや清掃で浮き上がった細菌は 必ず口腔外へ排出させる
6 日前読了時間: 3分


在宅医療を科学する28~臨床的示唆とまとめ
― 在宅医療におけるPDPsy(PD精神症状)への向き合い方 ― パーキンソン病(PD)の精神症状は、在宅診療の現場でしばしば遭遇します。幻視や妄想(FP:誤認・被害的解釈など)は一括りに語られがちですが、その背景は決して単純ではありません。 本稿では、臨床的示唆を整理します。 ① 幻視とFPは同じではない 幻視とFP(被害的解釈・妄想傾向など)は、 異なる神経経路・心理背景に基づく可能性 があります。 幻視 → 視覚処理系やREM睡眠関連ネットワークとの関連 FP → 解釈・意味付けの歪み、心理社会的背景の影響 同じ“精神症状”でも、介入アプローチは異なることを意識する必要があります。 ② FPは「洞察困難」で環境依存的 FPの特徴は、 ✔ 本人が症状と認識しにくい✔ 妄想化しやすい✔ 環境要因で変動する という点です。 照明、孤立、身体的不調、薬剤変動など、 小さな環境変化が症状を増悪させる ことがあります。 ③ 独居・社会的孤立はリスク因子 在宅現場では、 独居 会話機会の減少 昼夜逆転 不安の慢性化 がFPを助長することを多く経験します。
2月22日読了時間: 2分


誤嚥性肺炎を科学する28~高齢期の不思議な感覚と向き合う:心のサインと「お口の健康」の深い関係
― “清潔”だけで終わらせない、機能を守るケア ― さくら在宅クリニック院長 内田 賢一 口腔ケアは「清掃」だけではありません 在宅医療の現場で強く感じるのは、 口腔ケアは命を守るケアである ということです。 特に要介助者の場合、口腔ケアは「本人が行うセルフケア」ではなく、ケア提供者が主体的に実施する“他動的ケア”になります。 そして重要なのは、 ✔ 口腔を清潔に保つこと✔ 清掃後の“回収・排出”を徹底すること✔ 口腔機能を維持する“機能的ケア”を行うこと この3点です。 ① 口腔保清:基本は変わらない 自立している方も、要介助の方も、口腔保清の基本は同じです。 ✅ 歯と歯の間 ✅ 歯と歯ぐきの境目 ✅ 粘膜 ✅ 舌 を丁寧に清掃します。 乾燥している口は、そのまま磨かない 口腔内が乾燥している場合、いきなりブラッシングすると粘膜を傷つけてしまいます。 まずは ・保湿剤・少量の水分・湿らせたガーゼ で 湿潤環境をつくってから清掃 しましょう。 これだけで痛みが減り、清掃効率も大きく変わります。 ② 「回収・排出」が最重要ポイント...
2月22日読了時間: 3分


誤嚥性肺炎を科学する27~自立している方向けの機能的口腔ケア(2)
―「話す・笑う・呼吸する」ことが、食べる力を支える ― こんにちは。今回は、自立度が比較的高い方に向けた**機能的口腔ケア(後編)**です。 口腔の機能は大きく分けて4つあります。 ✔ 食べる✔ 話す✔ 笑う✔ 呼吸する これらはすべて連動しています。 「食べる」だけを鍛えるのでは不十分です。 ① 話す機能へのケア 発語には、 口唇 頬 舌 下顎 咽頭 喉頭 の協調運動が必要です。 ▶ パタカラ体操 「パ・タ・カ・ラ」 パ:口唇 タ:舌先 カ:舌根 ラ:舌の巧緻性 食前の準備体操として非常に有効です。 日常でできること ✔ 挨拶を促す✔ 短い会話を増やす✔ 模倣発声を行う 認知機能が低下している場合も、簡単な発語誘導で十分です。 ② 笑う機能へのケア 笑うとき、 表情筋 呼吸筋 発声筋 が同時に働きます。 笑いは 最高の口腔リハビリ です。 笑いを引き出す方法 ✔ 楽しかった思い出を聞く✔ 集団体操で誘い笑い✔ 喜びを共有する 「笑ってください」では笑えません。 感情を動かすことが重要です。 ③ 呼吸する機能へのケア 呼吸と嚥下は密接に関連してい
2月21日読了時間: 2分


在宅医療を科学する27~「誰もいないはずなのに、誰かの気配がする」――高齢期の不思議な感覚の正体とは?
こんにちは、さくら在宅クリニックです。 在宅診療の現場では、ご本人やご家族から「誰もいないはずなのに、すぐそばに誰かがいる気がする」「後ろに誰か立っているような感覚がある」といったお話を伺うことがあります。 これらは単なる気のせいではなく、医学的には「存在感覚(Feeling of Presence:FoP)」 や 「遅発性パラフレニー」といった言葉で説明される現象かもしれません。今回はスライド資料をもとに、その正体とメカニズムについて解説します。 1. 姿は見えないが「気配」を感じる「存在感覚(FoP)」 「他者の姿は見えないが、誰かが近くにいると強く感じる体験」を医学的に**存在感覚(FoP)**と呼びます。 主観的な体験 : 目に見えるわけではなく、「いる」と直感的に感じます。 なぜ起こるのか? : 脳の右半球の病変や、自己身体の情報を処理する領域(TPJ:側頭頭頂接合部、島皮質)の働きの乱れが関わっています。 関連する病気 : パーキンソン病(PD)などでみられることがあります。 対応のヒント : 十分な睡眠や安心できる環境づくりが、症状
2月21日読了時間: 3分


誤嚥性肺炎を科学する26~自立している方向けの機能的口腔ケア(1)
― 「食べる力」を自分で守るトレーニング ― こんにちは。今回は、 ある程度自立している方に向けた機能的口腔ケア をまとめます。 「まだ普通に食べられるから大丈夫」その今こそ、機能を維持するタイミングです。 なぜ今やるのか? 嚥下機能は 気づかないうちに少しずつ低下 します。 特に影響を受けるのは: 口輪筋 表情筋 舌 咀嚼筋 頸部筋 これらを“使い続けること”が最大の予防です。 ① 口を大きく動かす体操 「あ・い・う・え・お」を 誇張するくらい大きく 発声します。 ポイント: ✔ 口輪筋の収縮✔ 表情筋の可動性✔ 口唇閉鎖力の維持 食物残渣の除去能力にも関与します。 ② 舌を大きく動かす体操 前後・左右・上下に動かします。 ✔ 舌の可動域維持✔ 食塊形成の安定✔ 咽頭への送り込み強化 舌圧低下は誤嚥リスクに直結します。 ③ 大唾液腺マッサージ 耳下腺顎下腺舌下腺 を優しく刺激します。 ※強く押しすぎない※顎下部は特に注意 唾液分泌維持は誤嚥予防の基本です。 ④ 首・肩の柔軟体操 姿勢が悪いと嚥下は不安定になります。 ✔ 頸部筋の柔軟性✔ 肩の可
2月20日読了時間: 2分


在宅医療を科学する26~「誰もいないはずなのに、誰かの気配がする」――高齢期の不思議な感覚の正体とは?
こんにちは。さくら在宅クリニックです。 私たちのクリニックでは、在宅療養をされている患者様やご家族から、「誰もいないはずなのに、近くに誰かがいる気がする」「後ろに誰か立っているような感覚がある」といったお話を伺うことがあります。 こうした体験は、決して「気のせい」や「怖い話」ではなく、脳の働きや環境の変化によって起こる医学的な現象です。今回はスライド資料をもとに、その仕組みを分かりやすく解説します。 1. 「存在感覚(Feeling of Presence)」:姿は見えないが気配を感じる 「他者の姿は見えないが、誰かが近くにいると感じる体験」を、医学的には存在感覚(Feeling of Presence)と呼びます。 なぜ起こるのか? :自分の体の感覚(身体表象)と、周囲の空間を把握する認知機能がうまくかみ合わず、その「ずれ」が原因で起こります。 脳の仕組み :右側の脳(側頭頭頂接合部や前頭前野など)の異常や、自分の体の意識(自己身体表象)の障害が関わっています。本来は存在しない「もう一人の自分」を外に感じてしまう現象とも言えます。 どんな時に現
2月20日読了時間: 3分


在宅医療を科学する24~「そこに誰かいる?」脳が作り出す不思議な体験:幻視と実在感(FP)の正体
こんにちは。さくら在宅クリニックです。 パーキンソン病やレビー小体型認知症の患者様から、「誰もいないはずなのに、そこに誰かが立っている」「後ろに誰か気配を感じる」といったお話を聞くことがあります。 これらは決して「気のせい」や単なる「認知症の進行」ではなく、脳の特定のネットワークの働きが変化することで起こる医学的な症状です。今回は、スライド資料をもとにそのメカニズムを解説します。 1. 「幻視」とは:実際にはないものがハッキリ見える体験 幻視(Visual Hallucination)は、実際には存在しないものを、あたかも「見えている」と確信する知覚体験です。 主な原因: 視覚系の異常活動や、目から入った情報を正しく統合できない障害によって生じます。 代表的な疾患: レビー小体型認知症(典型的で鮮明な人物幻視が多い)、パーキンソン病、加齢性視覚障害(シャルル・ボネ症候群)、あるいは薬剤(抗コリン薬、L-DOPA、ステロイドなど)の影響で起こることもあります。 2. 「存在感(Feeling of Presence)」とは:姿は見えないが気配を
2月19日読了時間: 3分


誤嚥性肺炎を科学する25~ケア提供者が行う機能的口腔ケア
― 口腔のリハビリテーションという視点 ― こんにちは。今回は「機能的口腔ケア」について整理します。 口腔ケアは“清潔にすること”だけではありません。 食べる・飲み込む・話す機能を守るケア こそが、在宅医療では重要です。 機能的口腔ケアとは? ケア提供者が行う代表的な介入には、 ✔ 唾液腺マッサージ✔ 表情筋のストレッチ✔ 舌の可動域拡大ストレッチ✔ 舌の抵抗訓練✔ 開口運動✔ 頸部筋マッサージ などがあります。 これらはすべて、 誤嚥性肺炎予防と摂食嚥下機能の維持 に直結します。 ① 唾液腺マッサージ 唾液分泌の維持は最優先課題です。 耳下腺 顎下腺 舌下腺 をターゲットにします。 乾燥がある場合は、ジェルやクリームで湿潤させてから実施します。 唾液は嚥下の潤滑油であり、防御因子です。 ② 表情筋のストレッチ 表情筋は骨に固定されていない特殊な筋肉です。 つまむ 広げる 把持してマッサージ といった手技で可動性を保ちます。 同時に耳下腺刺激にもなります。 ③ 舌の可動域拡大ストレッチ 嚥下時の送り込み運動(咽頭への移送)には、舌の運動性が不可欠
2月19日読了時間: 2分
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