top of page
逗子、葉山、鎌倉、横須賀、横浜市金沢区の在宅医療

神奈川県逗子市桜山2-2-54
TEL 046-874-9475
FAX 050-3145-2736
平日9時~17時
検索


攻めの栄養療法を科学する⑬~【口から食べることをあきらめないために】
食べることは、単なる栄養摂取行為ではありません。 家族と同じ食卓を囲む 食べ物の香り・味・温度・食感を楽しむ 外食というレジャーを楽しむ 人と共有する時間と体験を持つ これらの“付加価値”が、人の活動・参加・生活の質(QOL)を支えています。 高齢者にとって 「口から食べられない」 という事実は、身体機能だけでなく、 活動・参加・精神面 に大きな影響を与える重大な問題です。 ▼ 経口摂取は100%安全でない。しかし、代替手段もまたリスクを持つ 重度の嚥下障害では誤嚥や窒息のリスクがあるため、医療者が慎重な判断をすることは当然ですが、 静脈栄養:カテーテル感染、電解質異常、腸管不使用による免疫能低下 経管栄養:逆流、誤嚥、下痢、留置トラブル 栄養補給の代替手段も 決して100%安全ではありません。 さらに、経口摂取をしない期間が長引けば長引くほど、 嚥下機能そのものが低下していきます。 だからこそ、医療者が“とりあえず禁食”という判断を安易に下すことは避けるべきです。 ▼ 攻めの栄養療法が果たす役割 攻めの栄養療法とは、 必要な栄養量を確保し
2025年12月13日読了時間: 3分


攻めの栄養療法を科学する⑫~【サルコペニア嚥下障害に対する治療】
― 栄養 × リハ × 多職種連携による「攻めの栄養療法」 ― サルコペニアを背景とした摂食嚥下障害は、従来の嚥下リハビリだけでは改善が難しいことが知られています。その理由は、嚥下筋の筋力低下だけでなく、 全身の低栄養・筋量低下 が同時に進行しているためです。 そこで重要になるのが、 「攻めの栄養療法(アグレッシブ・ニュートリション)」 を用いた包括的アプローチです。 ▼ 1. 低栄養とサルコペニアを改善する ― 攻めの栄養療法の役割 回復期リハ病棟での多施設研究では、 低栄養リスクが高い患者ほど、経口摂取の獲得が困難である と報告されています。 しかし現場では、 低栄養のリスクが十分に認識されていない 認識されていても栄養介入不足という問題がしばしば見受けられます。 ● 栄養不足が続くと何が起こるか? 全身の筋肉量が減少 嚥下筋も萎縮 嚥下機能低下 → 食べられない → さらなる低栄養 ADL・QOL低下 この悪循環を断ち切るには、 筋肉と栄養状態を同時に改善する“攻めの栄養療法”が不可欠 です。 ▼ 攻めの栄養療法の有効性:症例報告(3
2025年12月12日読了時間: 3分


攻めの栄養療法を科学する⑪~【疾病構造の変化とサルコペニア嚥下障害への新しい対応】
日本は世界でも類を見ないスピードで高齢化が進み、医療の中心は「治す医療」から “併存疾患を抱える高齢者の生活を支える医療” へと変化しています。こうした疾病構造の変化の中で、摂食嚥下障害も従来のアプローチだけでは十分に改善できないケースが増えてきました。 特に、高齢者では下記の要因が複雑に絡み合い、嚥下機能が低下しやすくなります。 ■ 高齢者の嚥下低下と関係する要因 併存疾患(心疾患、脳疾患、腎不全、感染症など) ポリファーマシー(多剤服用) 認知症による食行動変化 活動量低下 低栄養 サルコペニア これらが重なると、単純な「嚥下訓練」だけでは改善しないケースが多く見られます。 ■ サルコペニアを伴う嚥下障害では“従来型リハだけでは不十分” 従来の摂食嚥下訓練は、構造的・神経学的障害に対しては効果的でした。しかし近年増えている サルコペニア(筋肉量低下)を背景とした嚥下障害 では、 嚥下筋そのものが萎縮 全身の筋力低下により姿勢保持が困難 呼吸筋力低下により誤嚥リスク増大 食事量低下 → さらなる低栄養 → 筋力低下(悪循環) というメカニズ
2025年12月11日読了時間: 3分


攻めの栄養療法を科学する⑩~【攻めの栄養療法の重要性】
― 高齢者の経口摂取を守るために ― ■ はじめに 日本では急速な高齢化に伴い、要介護高齢者の数が増え続けています。要介護となる主な原因として、 認知症 脳卒中 骨折 高齢者の衰弱(フレイル) などが挙げられ、これらの患者さんの多くは 低栄養 を合併しています。 特に入院中の高齢者では、 不必要な安静 不必要な禁食(点滴管理) が続くことで、摂食嚥下機能が急速に低下し、結果として 経口摂取ができなくなる ことがあります。 このようなケースでは「嚥下訓練だけ」で経口摂取を回復することは難しく、 同時に栄養状態を改善しなければ嚥下機能が戻らない 場合も少なくありません。 そのため近年、「攻めの栄養療法(リハ栄養)」が注目されており、経口摂取を継続するうえで不可欠なアプローチとなっています。 ■ 経口摂取が困難になる理由 摂食嚥下障害(嚥下障害)は、さまざまな後天的要因で起こります。 ● ① 器質的な変化 舌がん 咽頭・喉頭がん 歯の脱落・不良補綴 など、嚥下に必要な構造そのものが障害されるパターン。 ● ② 機能的な変化 脳血管疾患(脳梗塞・脳
2025年12月10日読了時間: 3分


攻めの栄養療法を科学する⑨~【EBMに基づく臨床意思決定】
目の前の患者に「診療ガイドライン」をどう適用するか リハ栄養診療ガイドラインを理解するためには、 EBM(Evidence-Based Medicine)=科学的根拠に基づいた医療 の考え方が不可欠です。EBMは「研究エビデンスだけ」で決めるものではなく、次の3つが重なった領域こそが、もっとも望ましい臨床判断とされています。 ● EBMを構成する3つの柱 研究エビデンス (scientific evidence) 患者の価値観・行動 (patient values) 医療者のスキル・経験・専門性 (clinical expertise) さらに、 臨床状況・社会環境 も必ず判断に影響します。 ▼ ガイドラインは「そのまま当てはめればよい」ものではない 診療ガイドラインは、あくまで “より良い意思決定を支援するための道標” です。 実際の臨床では、以下の点を丁寧に確認する必要があります。 【1】患者固有の状況を把握する 多疾患併存 栄養状態・身体機能 家族背景・介護力 経済的・社会的状況 在宅 or 病院などの医療環境 ガイドラインに記載され
2025年12月9日読了時間: 3分


攻めの栄養療法を科学する⑧~【リハ栄養診療ガイドライン2018】
成人がん・急性疾患の最新エビデンスと、EBMに基づくガイドラインの読み解き方 リハビリテーションと栄養療法は、どちらも患者さんのQOL(生活の質)や回復過程に強く影響します。「リハ栄養診療ガイドライン2018」では、主要4疾患(脳血管疾患/大腿骨近位部骨折/成人がん/急性疾患)について、 患者個別の状態に応じた“強化型栄養療法”の有効性 が検討されています。 この記事では、特に質問の多い 成人がん・急性疾患領域 のポイントと、ガイドラインを読み解くための EBM(Evidence Based Medicine)の考え⽅ までを分かりやすくまとめました。 ▼【成人がん】リハ+栄養指導のプログラムは行うべきか? ● CQ 不応性悪液質を除く成人がん患者に、リハビリと栄養指導を組み合わせたプログラムを行うべきか? ● 推奨(一定の推奨はしない/エビデンス非常に低い) 補助化学療法・放射線治療を受ける成人がん患者において、現時点では リハ+栄養指導プログラムを一律に推奨できるだけのエビデンスは不足 しています。 ただし―― 患者・家族の意向 病状
2025年12月8日読了時間: 4分


在宅診療セミナーの開催~ 湘南鎌倉総合病院 総合診療内科部長 瀬戸雅美先生を座長に迎えて
在宅診療セミナーの開催について この度、 2016年1月16日 、三浦半島の医療を牽引されている 湘南鎌倉総合病院 総合診療内科部長 瀬戸雅美先生 を座長に迎え、 逗葉訪問看護ステーションにて特定看護師トレーニングを開始される海老原文さん を演者として、“在宅診療” をテーマにセミナーを開催いたします。 本セミナーでは、私自身が経験してきた 教科書には載らない症例、失敗から得た学び、こうすればよかったと感じたケース を、ケースメソッド形式で参加者のみなさまと共有し、 症例ごとに「どうすればより良い医療になったか?」を共に考える時間 にしたいと考えております。 さくら在宅クリニックが大切にしている理念 病気が進むにつれ、患者さんはいつの間にか 「自分の人生なのに、自分で選べなくなっていく」 そんな感覚に直面することがあります。 私たちは、そのような患者さんに寄り添い、”人生の主導権を取り戻す支えになること”を目指しています。 在宅医療は「最後を家で迎えるためだけの医療」ではありません 在宅医療の本質とは、その人が “自分の人生をどう生きたいか” を
2025年12月7日読了時間: 2分


攻めの栄養療法を科学する⑦~【リハ栄養診療ガイドライン2018】
4つの主要疾患に対する “強化型栄養療法” の意義をわかりやすく解説 在宅医療・リハビリテーションの現場では、栄養状態が患者さんの回復に大きく影響します。そのエビデンスを体系的に整理したのが 「リハ栄養診療ガイドライン2018」 です。 本ガイドラインでは、日本リハ栄養学会が中心となり、4つの疾患領域について “強化型栄養療法” を行うべきかどうか を GRADE システムに基づいて検討しています。 ◆ 強化型栄養療法とは? 通常の食事提供や給食サービスに加えて、 個別栄養アセスメント 栄養指導・栄養カウンセリング 経口補助栄養(ONS)の活用 経腸栄養/静脈栄養の適切な併用 などを組み合わせ、 患者ごとの状態に合わせて栄養介入を最適化すること を指します。 【1】脳血管疾患(脳梗塞・脳出血など) ● CQ リハを実施している高齢の脳血管疾患患者に、強化型栄養療法は行うべきか? ● 推奨(弱い推奨・エビデンス低) 急性期の高齢脳血管疾患患者では、 死亡率 感染症の合併 QOL を改善する可能性があるため、 強化型栄養療法を弱く推奨 すると
2025年12月7日読了時間: 3分


攻めの栄養療法を科学する⑦~【リハ栄養診療ガイドライン2018】
4つの主要疾患に対する “強化型栄養療法” の意義をわかりやすく解説 在宅医療・リハビリテーションの現場では、栄養状態が患者さんの回復に大きく影響します。そのエビデンスを体系的に整理したのが 「リハ栄養診療ガイドライン2018」 です。 本ガイドラインでは、日本リハ栄養学会が中心となり、4つの疾患領域について “強化型栄養療法” を行うべきかどうか を GRADE システムに基づいて検討しています。 ◆ 強化型栄養療法とは? 通常の食事提供や給食サービスに加えて、 個別栄養アセスメント 栄養指導・栄養カウンセリング 経口補助栄養(ONS)の活用 経腸栄養/静脈栄養の適切な併用 などを組み合わせ、 患者ごとの状態に合わせて栄養介入を最適化すること を指します。 【1】脳血管疾患(脳梗塞・脳出血など) ● CQ リハを実施している高齢の脳血管疾患患者に、強化型栄養療法は行うべきか? ● 推奨(弱い推奨・エビデンス低) 急性期の高齢脳血管疾患患者では、 死亡率 感染症の合併 QOL を改善する可能性があるため、 強化型栄養療法を弱く推奨 すると
2025年12月6日読了時間: 3分


攻めの栄養療法を科学する⑥~【診療ガイドラインを“使いこなす”ということ】
――EBMとリハ栄養の実践から考える、臨床判断のあり方―― リハ栄養診療ガイドライン2018が発表されて以来、臨床現場では「どの患者に、どこまで介入すべきか?」という判断場面が増えています。 しかし、ガイドラインは そのまま自動的に当てはめれば良い“マニュアル”ではありません。 重要なのは、「目の前の患者にどう適応するか」を考える医療者の姿勢です。 図にあるように、EBMの臨床決定には次の3つが重なり合います。 研究エビデンス 患者の価値観・行動 医療者のスキル・経験 そしてこれらを包むのが、臨床の状態や環境です。 ガイドラインを活かす鍵は、この“重なり合い”にあります。 ◆ 1. ガイドラインをそのまま当てはめてはいけない理由 信頼できる診療ガイドラインであっても、 すべての患者に一律に適用できるわけではありません。 まず必要なのは、 併存疾患 社会的背景 栄養状態 家族の支援体制 リハの受けられる環境など、患者個人の状況を丁寧に把握すること。 そのうえでガイドラインに照らし、 この患者にとってエビデンスは妥当か ガイドラインの推奨が“利益>不
2025年12月4日読了時間: 3分
bottom of page