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パーキンソン病を科学する41~DATスキャンは正常?それでも“パーキンソン病”と診断された方へ 〜SWEDDsという概念〜

  • 執筆者の写真: 賢一 内田
    賢一 内田
  • 7月8日
  • 読了時間: 2分

パーキンソン病と診断されたにもかかわらず、DATスキャンでは異常が見られないケースがあります。

このような患者群は、専門的にはSWEDDs(Scans Without Evidence of Dopaminergic Deficit)=ドパミン神経脱落の証拠がない画像所見群と呼ばれ、近年注目されています。

✅ SWEDDsとは?

SWEDDsとは、以下のような特徴をもつ患者さんを指します:

  • 臨床的にはパーキンソン病と診断されている

  • DATスキャンではドパミントランスポーターの異常が見られない(=正常像)

  • L-DOPA(レボドパ)への反応が乏しい

  • L-DOPAを中止しても明らかな悪化は見られない

このような場合、実際には別の疾患である可能性が高く、特に以下が疑われます:

  • 本態性振戦(Essential Tremor)

  • ジストニア(Dystonia)

  • 機能性(心因性)運動障害 など

🧬 誤診を防ぐためにDATスキャンが果たす役割

これまでは症状から「パーキンソン病」と診断されていた方の中に、実際にはパーキンソニズムではない方が混在していることがわかってきました。

DATスキャンの登場により、**「真のドパミン神経変性があるかどうか」**を客観的に評価できるようになったことは、診断の精度向上に大きく貢献しています。

🏠 神経難病にも対応する在宅医療

さくら在宅クリニックでは、パーキンソン病をはじめとする神経難病に対し、患者さんの生活環境に合わせた在宅支援を行っています:

  • on/off現象や薬剤効果の波への対応

  • ジストニアや振戦などの鑑別・治療バランスの工夫

  • ご家族の介護負担への配慮

  • 地域の訪問看護・介護との密な連携

🎥 YouTubeでも学べます!

当院のYouTubeチャンネルでは、在宅医療や神経疾患に関する内容を医師が分かりやすく解説しています。

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