在宅医療を科学する1~難治性蜂窩織炎と診断された女性のケース
- 賢一 内田
- 10 時間前
- 読了時間: 2分

今回は、難治性蜂窩織炎と診断された女性のケースを通して、在宅医療の現場で直面しやすい課題と、その対応についてご紹介します。
■ 病歴の概要
本症例は、医療機関を受診しないまま老夫婦で生活されていた女性です。下肢に潰瘍が出現したものの、息子さんが受診を勧めてもご本人は受診を強く拒否していました。
その後、状態悪化により搬送され、蜂窩織炎と診断。以下のような治療・対応が行われました。
抗生剤投与および抗菌外用剤による治療
PAD(末梢動脈疾患)の関与も考慮し、抗血小板薬を併用
下肢浮腫に対して利尿薬を使用
糖尿病なし、喫煙歴なし
いわゆる「典型的なリスク因子」が乏しい一方で、受診遅れ・生活背景が重なり、治療に難渋したケースといえます。
■ なぜ難治化したのか?
この症例で重要なのは、病気そのものだけでなく、社会的・心理的背景です。
医療機関未受診の期間が長かった
高齢夫婦のみの生活で、外部の目が入りにくかった
本人の「受診拒否」という強い意思
これらが重なり、感染の早期発見・早期治療の機会を逃したことが、難治化の一因と考えられます。
■ 在宅医療だからできる介入
在宅医療の現場では、単に病変を診るだけでなく、
生活環境
家族関係
受診や治療に対する価値観
まで含めて支援することが求められます。
本症例のように、「受診しない」「通院できない」「通院したくない」といった背景がある場合こそ、在宅医療の役割が大きくなると感じさせられるケースでした。
■ まとめ
蜂窩織炎は決して珍しい疾患ではありませんが、受診の遅れや生活背景によっては、重症化・難治化することがあります。
在宅医療は、
病気を診る医療から生活を支える医療
へと視点を広げることで、こうしたケースにより深く関わることができます。
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