在宅医療を科学する7~高齢糖尿病患者における糖尿病ケトアシドーシス(DKA)の発症例
- 2月1日
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1. 症例背景
89歳、女性。30年近く糖尿病治療を継続されており、超速効型インスリンおよび持効型インスリン、SGLT2阻害薬の併用療法を行っていました。直近の検査では随時血糖390mg/dL、HbA1c 10.1%とコントロールは不良な状態でした。
加齢に伴いADLが低下し、ベッド上で過ごす時間が増大。外来通院が困難となったため、当院にて糖尿病管理を含む全身管理を行う方針となりました。
2. 経過と往診時の所見
訪問診療開始後、意識障害が出現したとの連絡を受け緊急往診を施行しました。
バイタル・検査所見: 血糖値は252mg/dLと軽度上昇に留まっていましたが、呼吸促進(クスマウル呼吸の疑い)が認められました。
随伴症状: 嘔吐物に血液の混入を確認。
インスリン作用の不足に脱水などの加齢要因が加わり、血糖値が極端に高くない状態でも進行する「正常血糖ケトアシドーシス」の可能性も考慮し、精査・加療のため近隣病院へ緊急搬送となりました。
3. 在宅医療における視点
本症例のように、長年の既往がある高齢患者様が通院困難となった際、いかに迅速に異変を察知し、適切な医療機関へ繋ぐかが在宅医の重要な役割です。
特に糖尿病患者様においては、感染症や食事量の変化によって急激に病態が悪化するリスクがあります。私たちは、逗子市の地域医療の一翼を担う「さくら在宅クリニック」として、患者様が住み慣れた場所で安心して過ごせるよう、24時間体制でサポートしています。




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