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在宅医療を科学する13~血糖値が正常でも要注意!SGLT2阻害薬と「正常血糖性ケトアシドーシス」

  • 執筆者の写真: 賢一 内田
    賢一 内田
  • 10 分前
  • 読了時間: 2分

糖尿病治療の現場で広く使われている「SGLT2阻害薬」。非常に優れたお薬ですが、服用中に「血糖値は高くないのに、体の中が酸性になる(アシドーシス)」という特殊な緊急事態が起きることがあります。

これを正常血糖性ケトアシドーシス(Euglycemic DKA)と呼びます。

● 通常のDKAと何が違うの?

通常の糖尿病性ケトアシドーシス(DKA)は、インスリン不足によって血糖値が300mg/dL以上という著しい高血糖を伴います。

しかし、SGLT2阻害薬を服用している場合、血糖値が150〜200mg/dLといった「一見正常に近い値」であっても、ケトン体が過剰に蓄積し、重篤な状態に陥ることがあります。

項目

通常の糖尿病性DKA

正常血糖性DKA

血糖値

300mg/dL以上

150〜200mg/dL

ケトン体

増加(++)

著明に増加(++++)

原因

インスリン不足

SGLT2阻害薬

● なぜ血糖値が上がらないのに危険なの?

SGLT2阻害薬によって尿糖が排泄されると、体内のインスリンが低下し、逆にグルカゴンが増加します。これにより脂肪分解が促進され、エネルギー源として「ケトン体」が大量に作られます。

結果として、血糖値は尿から出ているため高くならないものの、血液中にはケトン体があふれ、体が酸性に傾く(アシドーシス)という「ねじれ現象」が起きてしまうのです。

● 見逃さないための注意ポイント!

臨床現場やご家庭で特に注意すべき点は以下の通りです。

  • 血糖値の数字だけで安心しない: 血糖が高くないからDKAではない、と見逃さないことが重要です。

  • 体調の変化に敏感に: 倦怠感、呼吸促進、嘔気(吐き気)・嘔吐などの症状がある場合は要注意です。

  • 「シックデイ」は厳戒態勢: 食事摂取が低下している時、脱水時、感染症にかかっている時は特にリスクが高まります。

● Take-home Message

「血糖が高くないから大丈夫」という思い込みは禁物です。

もしSGLT2阻害薬を服用中の方が、上記のような不調を訴えられた場合は、必ずケトン体や血液ガスのチェックを念頭に置いてください。


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