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在宅医療を科学する55~食道カンジダを見逃すな!〜口腔内カンジダから食道病変への気づき〜
タグ: #食道カンジダ #口腔カンジダ #在宅医療 #訪問診療 #感染症 #嚥下障害 #ステロイド副作用 #さくら在宅クリニック はじめに 「うがいをしっかりしてくださいね」——ステロイド内服後の口腔内カンジダに気づいたとき、ついそう伝えて終わりにしていませんか? 実は、 その先に食道カンジダが隠れているケースがあります。 きっかけは口腔内カンジダ ステロイドを内服している患者さんに口腔内カンジダを発症した場合、まず行うのは うがいの励行 と局所抗真菌薬の使用です。これは標準的な対応です。 しかし—— 「症状を詳細に聞くと、嚥下時の痛みがある」 この一言が、診断を大きく変えることがあります。 嚥下時痛=食道カンジダを疑うサイン 口腔内カンジダが確認された患者さんが「飲み込むときに痛い」「食べると胸がしみる」と訴える場合、 食道カンジダへの進展を強く疑う 必要があります。 食道カンジダの主な症状は以下の通りです。 嚥下時痛(odynophagia) 嚥下困難(dysphagia) 胸骨後部の不快感・灼熱感 食欲低下・体重減少 免疫抑制状態(ステロ
3月23日読了時間: 2分


在宅医療を科学する46~あれ?思っていた経過と違う……!
足底部の創傷を診察していたところ、医師もスタッフも「あれれれ???」と思わず声に出してしまうような状況に遭遇しました。 在宅医療の現場では、毎回の訪問が「発見」の連続です。前回の診察からの変化が予想と異なることも少なくありません。それが良い方向への変化であっても、懸念が増す変化であっても、 しっかり観察・記録・対応 することが大切です。 在宅での足部創傷ケアのポイント 足部の潰瘍や傷は、特に以下のような患者さんで注意が必要です: 糖尿病のある方 :神経障害や血流障害により自覚症状が乏しいことがある 寝たきり・低活動の方 :血行不良や皮膚の脆弱化が起こりやすい 高齢者 :皮膚が薄く、治癒力が低下している 訪問のたびに創の 大きさ・深さ・色・滲出液・臭い・周囲皮膚の状態 を記録し、変化を見逃さないようにしています。 在宅医療だからこそできること 病院に来ることが難しい患者さんのご自宅に直接伺い、その場の環境・生活状況も踏まえた上でケアを行えるのが在宅医療の強みです。 「ちょっとした変化」も見逃さず、患者さんとご家族の安心のために、さくら在宅クリニック
3月13日読了時間: 2分


在宅医療を科学する44~あれれ? いつもと違う経過
【経過報告】足趾の傷、なんか変? ── 在宅医療の現場から あれれ? いつもと違う経過 在宅診療の現場では、毎回の訪問でしっかりと傷の状態を観察することがとても大切です。 今回ご紹介するのは、足の親指(母趾)に傷を抱えている患者さんの経過です。 写真をご覧いただくと、母趾の先端に 黒色壊死様の病変 と周囲の発赤・腫脹が確認できます。前回の訪問時と比較して「あれれ?」と思わず声が出てしまうような変化が見られました。 在宅での創傷観察ポイント 足趾の傷を観察する際、私たちが特に注意しているポイントをご紹介します。 1. 色の変化 黒色・暗紫色 → 壊死や血流障害のサイン 赤色・発赤の拡大 → 炎症・感染の広がりの可能性 黄色・白色滲出液 → 感染や壊死組織の存在 2. 腫脹・熱感 足背や趾間まで腫れが広がっていないか、触れたときの熱感はどうか、毎回丁寧に確認します。 3. 臭気 感染が進行すると特有の臭気が生じることがあります。見た目だけでなく、嗅覚も大切な診断ツールです。 4. 境界線の変化 壊死と正常組織の境界(デマルケーション)が明確にな
3月11日読了時間: 2分


在宅医療を科学する34~在宅診療で命を救う「スナップ診断」:大動脈解離を見逃さないための3点チェック
在宅医療や往診の現場では、病院のような精密検査がすぐには行えません。しかし、致死的な疾患である「大動脈解離」の中には、病歴と「疑う目」さえあれば、その場で判断し迅速な対応につなげられるものがあります。 今回は、往診現場で実践すべきアクションプランと、診断のポイントをまとめます。 1. 反射的に確認すべき「3点セット」 大動脈解離を疑う場合、まずは以下の3項目を即座にスクリーニングします。 突然発症の「裂けるような痛み」 : 胸背部から肩甲間部、顎や腹部へと移動するのが特徴です。 胸部X線での縦隔(じゅうかく)陰影の拡大 : 立位での縦隔幅が 8cm を超えているかを確認します。 左右上腕の血圧差(20 mmHg以上) : 両腕で同時に、または連続して血圧を測定します。 2. 在宅X線(レントゲン)撮影のコツ 現場での画像判断を確実にするための「押さえどころ」は以下の通りです。 基準画像(コントロール)を作っておく : 初診時にベースラインのX線を1枚撮影しておくことで、将来の急変時に比較が可能になり、見逃しを減らせます。 臥位(ねころんだ状態)
3月1日読了時間: 2分


在宅医療を科学する33~在宅診療の現場で「大動脈解離」をどう見抜くか?命を救うアクションプラン
在宅診療において、大動脈解離は「見た瞬間」に分かる症例もあれば、詳細な病歴と「疑う目」がなければ簡単に見逃してしまう症例もあります。限られた機材の中で迅速に判断を下すための、実戦的なスクリーニングとアルゴリズムを解説します。 1. 疑うべき「3項目」即時スクリーニング 往診現場で以下の臨床サインを確認した場合、大動脈解離の可能性を強く疑う必要があります。 突然発症の「裂けるような痛み」 : 胸背部から肩甲間部、頸部、顎、腹部へと痛みが移動することがあります。これまでにない激痛に加え、冷汗などの自律神経兆候を伴うのが特徴です。 左右上腕の血圧差(20 mmHg以上) : 腕頭動脈や鎖骨下動脈の狭窄でも起こり得ますが、胸背部症状を伴う場合は直ちに画像評価が必要です。 嗄声(させい:声のかすれ)や嚥下痛 : 上行大動脈から弓部にかけて縦隔が拡大し、反回神経を圧迫している兆候です。 陽性尤度比(LR+)による判断の確信度 上記3項目すべて該当: LR+ ≈ 66 (極めて高い確率で解離) 2項目該当: LR+ ≈ 5.3 2. 在宅X線(レントゲン)画
3月1日読了時間: 2分


在宅医療を科学する13~血糖値が正常でも要注意!SGLT2阻害薬と「正常血糖性ケトアシドーシス」
糖尿病治療の現場で広く使われている「SGLT2阻害薬」。非常に優れたお薬ですが、服用中に「血糖値は高くないのに、体の中が酸性になる(アシドーシス)」という特殊な緊急事態が起きることがあります。 これを正常血糖性ケトアシドーシス(Euglycemic DKA)と呼びます。 ● 通常のDKAと何が違うの? 通常の糖尿病性ケトアシドーシス(DKA)は、インスリン不足によって血糖値が 300mg/dL以上 という著しい高血糖を伴います。 しかし、SGLT2阻害薬を服用している場合、血糖値が 150〜200mg/dL といった「一見正常に近い値」であっても、ケトン体が過剰に蓄積し、重篤な状態に陥ることがあります。 項目 通常の糖尿病性DKA 正常血糖性DKA 血糖値 300mg/dL以上 150〜200mg/dL ケトン体 増加(++) 著明に増加(++++) 原因 インスリン不足 SGLT2阻害薬 ● なぜ血糖値が上がらないのに危険なの? SGLT2阻害薬によって尿糖が排泄されると、体内のインスリンが低下し、逆にグルカゴンが増加します。これにより脂肪分解
2月7日読了時間: 2分


攻めの栄養療法を科学する26~各種疾患・合併症における禁忌事項
慢性心不全|「増やす栄養」と「抑える栄養」のバランスが鍵 慢性心不全とは 心不全は、 「心臓に器質的・機能的異常が生じ、心ポンプ機能の代償機構が破綻した結果、呼吸困難・倦怠感・浮腫が出現し、運動耐容能が低下する臨床症候群」 と定義されます。 慢性心不全における栄養管理の柱は、 体液バランス(ナトリウム管理) 適正なエネルギー・たんぱく質量の確保 です。 慢性心不全における栄養量の基本 エネルギー・たんぱく質量 サルコペニアやフレイルを合併しやすい慢性心不全では、 エネルギー :30 kcal/kg/day 以上 たんぱく質 :1.2~1.5 g/kg/day が推奨されています。 腎機能障害を伴う場合の注意点 ただし、 eGFR < 45 mL/分/1.73m²(CKD G3b 以上) を認める場合は、 たんぱく質:0.6~0.8 g/kg/day へ制限する必要があります。 👉 腎機能を無視した高たんぱく設定は禁忌 であり、「攻めの栄養療法」の落とし穴となります。 ナトリウム(塩分)管理の考え方 ナトリウムは細胞外液の浸透圧維持に関与するため
2025年12月26日読了時間: 3分


攻めの栄養療法を科学する25~各種疾患・合併症における禁忌事項
脂質異常症|「量を増やす」だけでは悪化する 脂質異常症とは 血中の リポたんぱく は、コレステロールや中性脂肪といった脂質を運搬し、全身を循環しています。通常、脂質は生体内のホメオスタシスにより一定範囲に保たれていますが、何らかの原因で血中脂質レベルが異常になると 脂質異常症 と診断されます。 脂質異常症では、 LDLコレステロール(LDL-C)の高値 中性脂肪(TG)の高値 HDLコレステロール(HDL-C)の低値 が、 冠動脈疾患や動脈硬化の主要な危険因子 となります。 脂質異常症と栄養療法の基本 脂質異常症に対する栄養療法の基本は、👉 「過剰なエネルギー摂取を避けること」 です。 一般的に推奨される栄養組成は以下の通りです。 脂質エネルギー比:20~25% 糖質エネルギー比:50~60% 加えて、 飽和脂肪酸の制限 一価・多価不飽和脂肪酸への置換 トランス脂肪酸の低減 が重要とされています。 脂質エネルギー比の低下は LDL-C の低下 に寄与し、炭水化物エネルギー比の調整は 高TG血症や低HDL-C に一定の改善効果を示します。 脂質
2025年12月25日読了時間: 3分


攻めの栄養療法を科学する24~侵襲|高度侵襲下では「攻めの栄養療法」は禁忌
侵襲とは何か 侵襲 とは、重症感染症・大手術・多発外傷・熱傷など、 生体を傷害し、生体恒常性を大きく乱す刺激 を指します。 侵襲が加わると、生体内では以下が生じます。 内因性エネルギー供給(endogenous energy supply)の増大 ストレスホルモン・炎症性サイトカインの大量分泌 一方、栄養療法は**外因性エネルギー供給(exogenous energy supply)**に相当します。生体のエネルギー需要は、👉 内因性+外因性エネルギーの合計で満たされる という点が重要です。 「必要量=外因性投与」は危険 侵襲下で、 エネルギー必要量と同量の外因性エネルギーを投与 すると、実質的には overfeeding(過剰栄養) となる可能性があります。 その結果、最も問題となる合併症が 高血糖 です。 侵襲時に高血糖が起こる理由 侵襲時には、 肝臓・骨格筋のグリコーゲンが消費される 肝グリコーゲンは 12~24時間程度で枯渇 その後は 乳酸 アミノ酸 を材料とした 糖新生 によりグルコースが供給されます。 飢餓時と異なる重要な点は
2025年12月24日読了時間: 3分


攻めの栄養療法を科学する23~はじめに|「攻めの栄養療法」は万能ではない
「攻めの栄養療法」 とは、体重や筋肉量を増やすことを目的に、 エネルギー消費量に加えて“エネルギー蓄積量”を考慮して必要量を設定する栄養療法 です。 ただし、単純にエネルギー量を増やせばよいわけではありません。 糖質・脂質・たんぱく質の配分 患者の病態や合併症 リハビリテーション・運動療法の併用 これらを考慮せずに行うと、 病態の悪化 代謝性合併症 脂肪のみの増加 を招く可能性があります。 特に、 リハビリや運動療法を併用しない「攻めの栄養療法」は、筋肉ではなく脂肪を増やすだけ になりやすく、必ずしも患者の利益にはなりません。 そのため、「攻めの栄養療法」は👉 すべての患者に適応される治療ではない 👉 禁忌を理解したうえで、適切な対象に限定して実践する ことが重要です。 本稿では、 攻めの栄養療法を行う際に必ず理解しておくべき禁忌事項 を、特に重要な「低栄養・飢餓状態」を中心に解説します。 低栄養患者における禁忌①|飢餓状態 飢餓とは何か 飢餓 とは、社会的・経済的要因や疾患を背景に、 長期間にわたり栄養摂取が不足し、慢性的な栄養障害をきたし
2025年12月23日読了時間: 4分


攻めの栄養療法を科学する21~はじめに|栄養療法は「治療の基盤」
栄養療法は、健康の維持・増進のみならず、生活習慣病やさまざまな疾患の 治癒・改善を支える重要な治療の一部 です。患者が何らかの栄養障害に陥った場合、 適切な栄養スクリーニングと栄養アセスメントを行い、早期に栄養状態を維持・改善する方策を講じること は、医療の基本とされています。 近年の研究により、栄養療法は以下の点で患者予後を改善することが示されています。 創傷治癒の促進 感染症合併の予防 治療反応性の向上 在院日数の短縮 医療費の削減 病期(セッティング)によって異なる「攻めの栄養療法」 2018年度の厚生労働省・病床機能報告では、平均在院日数の中央値は以下の通りでした。 高度急性期:9日 急性期:14日 回復期:51日 慢性期:234日 このように 医療のセッティングによって在院日数・患者背景・関与する職種・ゴール設定は大きく異なります 。そのため、「攻めの栄養療法」の対象患者や適応も、セッティングごとに考える必要があります。 本稿では、 急性期医療における栄養療法の考え方 を中心に解説します。 急性期医療における栄養療法の特徴 ICU患者に
2025年12月21日読了時間: 5分


在宅医療の役割―「人生の主導権を取り戻す」ための医療とは―
病気が進んでくると、私たちはいつの間にか「自分の人生なのに、自分で選べなくなっていく」そんな感覚に出会うことがあります。 通院の負担、治療の決まりごと、身体の変化…。気づけば、生活のリズムや過ごす場所さえも、誰かに委ねざるを得ないことが増えていくものです。 でも本来、 「どこで、誰と、どんな時間を過ごしたいか」 これは、すべての人に与えられた大切な“選ぶ権利”です。 在宅医療は、その“選ぶ力”を取り戻すための医療だと私は考えています。住み慣れた家で、自分らしい時間をもう一度取り戻すための支え。そして、病院へ行くことが難しくなった方にも、医療そのものを“届ける”仕組みです。 この記事では、日々の訪問診療の中で私が感じている 「在宅医療が果たす役割」 について、お話ししたいと思います。 🏡家で過ごすという選択は、「主導権を取り戻す」ということ 病気が進むと、どうしても“病院中心”の生活になりがちです。検査や治療にあわせて生活を整え、体調に合わせて予定が変わり、自分の気持ちとは違う場所で過ごすことも少なくありません。 けれど、人が大切にしたいことは案
2025年11月24日読了時間: 3分


座位中心の生活で悪化した臀部の褥瘡が、クッション変更で改善!
👤 80代男性/要介護高齢者 🔍 状況とご相談内容 ケアマネジャーさんより、「 お尻が赤くてなかなか治らない 」とのご相談がありました。すでに 低反発マットレス と クッション は導入済みとのことでしたが、臀部の発赤が持続しており、改善傾向が見られない状況でした。...
2025年7月12日読了時間: 2分


【在宅医療の現場から】背中のしこり…「粉瘤(ふんりゅう)」が化膿したときの対応とは?
今回は、 背中にできた粉瘤(アテローマ)の感染症例 をご紹介します。粉瘤とは、皮膚の下にできる袋状のしこりで、皮脂や角質がたまってできる良性腫瘍の一種です。通常は無症状のことが多いですが、細菌が入り込んで 赤く腫れたり、痛んだり、膿んだりすることがあります 。 🔍...
2025年6月19日読了時間: 2分


パーキンソン病を科学する24~【パーキンソン病治療の選択肢】在宅医療で支える“その先”の治療とは?
― さくら在宅クリニックの取り組み ― ■ パーキンソン病治療の基本とその次の選択 パーキンソン病治療の中心は**L-ドパ製剤(ドーパミン補充療法)**ですが、それだけでは長期的な症状コントロールが難しくなることがあります。 そんなときに重要となるのが、...
2025年6月15日読了時間: 2分


ご自宅でできる「嚥下内視鏡検査」~誤嚥性肺炎を繰り返す方・飲み込みに不安のある方へ~
高齢者の在宅医療において、とても重要なテーマの一つが「食べること」です。特に 認知症や脳卒中の既往がある方、がん・神経難病を抱える方 にとって、「食べる」ことは大きな課題となる場合があります。 🍽 食べられない理由はさまざま 嚥下(飲み込み)機能の低下...
2025年6月15日読了時間: 2分
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