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攻めの栄養療法を科学する26~各種疾患・合併症における禁忌事項
慢性心不全|「増やす栄養」と「抑える栄養」のバランスが鍵 慢性心不全とは 心不全は、 「心臓に器質的・機能的異常が生じ、心ポンプ機能の代償機構が破綻した結果、呼吸困難・倦怠感・浮腫が出現し、運動耐容能が低下する臨床症候群」 と定義されます。 慢性心不全における栄養管理の柱は、 体液バランス(ナトリウム管理) 適正なエネルギー・たんぱく質量の確保 です。 慢性心不全における栄養量の基本 エネルギー・たんぱく質量 サルコペニアやフレイルを合併しやすい慢性心不全では、 エネルギー :30 kcal/kg/day 以上 たんぱく質 :1.2~1.5 g/kg/day が推奨されています。 腎機能障害を伴う場合の注意点 ただし、 eGFR < 45 mL/分/1.73m²(CKD G3b 以上) を認める場合は、 たんぱく質:0.6~0.8 g/kg/day へ制限する必要があります。 👉 腎機能を無視した高たんぱく設定は禁忌 であり、「攻めの栄養療法」の落とし穴となります。 ナトリウム(塩分)管理の考え方 ナトリウムは細胞外液の浸透圧維持に関与するため
2025年12月26日読了時間: 3分


攻めの栄養療法を科学する25~各種疾患・合併症における禁忌事項
脂質異常症|「量を増やす」だけでは悪化する 脂質異常症とは 血中の リポたんぱく は、コレステロールや中性脂肪といった脂質を運搬し、全身を循環しています。通常、脂質は生体内のホメオスタシスにより一定範囲に保たれていますが、何らかの原因で血中脂質レベルが異常になると 脂質異常症 と診断されます。 脂質異常症では、 LDLコレステロール(LDL-C)の高値 中性脂肪(TG)の高値 HDLコレステロール(HDL-C)の低値 が、 冠動脈疾患や動脈硬化の主要な危険因子 となります。 脂質異常症と栄養療法の基本 脂質異常症に対する栄養療法の基本は、👉 「過剰なエネルギー摂取を避けること」 です。 一般的に推奨される栄養組成は以下の通りです。 脂質エネルギー比:20~25% 糖質エネルギー比:50~60% 加えて、 飽和脂肪酸の制限 一価・多価不飽和脂肪酸への置換 トランス脂肪酸の低減 が重要とされています。 脂質エネルギー比の低下は LDL-C の低下 に寄与し、炭水化物エネルギー比の調整は 高TG血症や低HDL-C に一定の改善効果を示します。 脂質
2025年12月25日読了時間: 3分


攻めの栄養療法を科学する24~侵襲|高度侵襲下では「攻めの栄養療法」は禁忌
侵襲とは何か 侵襲 とは、重症感染症・大手術・多発外傷・熱傷など、 生体を傷害し、生体恒常性を大きく乱す刺激 を指します。 侵襲が加わると、生体内では以下が生じます。 内因性エネルギー供給(endogenous energy supply)の増大 ストレスホルモン・炎症性サイトカインの大量分泌 一方、栄養療法は**外因性エネルギー供給(exogenous energy supply)**に相当します。生体のエネルギー需要は、👉 内因性+外因性エネルギーの合計で満たされる という点が重要です。 「必要量=外因性投与」は危険 侵襲下で、 エネルギー必要量と同量の外因性エネルギーを投与 すると、実質的には overfeeding(過剰栄養) となる可能性があります。 その結果、最も問題となる合併症が 高血糖 です。 侵襲時に高血糖が起こる理由 侵襲時には、 肝臓・骨格筋のグリコーゲンが消費される 肝グリコーゲンは 12~24時間程度で枯渇 その後は 乳酸 アミノ酸 を材料とした 糖新生 によりグルコースが供給されます。 飢餓時と異なる重要な点は
2025年12月24日読了時間: 3分


攻めの栄養療法を科学する23~はじめに|「攻めの栄養療法」は万能ではない
「攻めの栄養療法」 とは、体重や筋肉量を増やすことを目的に、 エネルギー消費量に加えて“エネルギー蓄積量”を考慮して必要量を設定する栄養療法 です。 ただし、単純にエネルギー量を増やせばよいわけではありません。 糖質・脂質・たんぱく質の配分 患者の病態や合併症 リハビリテーション・運動療法の併用 これらを考慮せずに行うと、 病態の悪化 代謝性合併症 脂肪のみの増加 を招く可能性があります。 特に、 リハビリや運動療法を併用しない「攻めの栄養療法」は、筋肉ではなく脂肪を増やすだけ になりやすく、必ずしも患者の利益にはなりません。 そのため、「攻めの栄養療法」は👉 すべての患者に適応される治療ではない 👉 禁忌を理解したうえで、適切な対象に限定して実践する ことが重要です。 本稿では、 攻めの栄養療法を行う際に必ず理解しておくべき禁忌事項 を、特に重要な「低栄養・飢餓状態」を中心に解説します。 低栄養患者における禁忌①|飢餓状態 飢餓とは何か 飢餓 とは、社会的・経済的要因や疾患を背景に、 長期間にわたり栄養摂取が不足し、慢性的な栄養障害をきたし
2025年12月23日読了時間: 4分


攻めの栄養療法を科学する21~はじめに|栄養療法は「治療の基盤」
栄養療法は、健康の維持・増進のみならず、生活習慣病やさまざまな疾患の 治癒・改善を支える重要な治療の一部 です。患者が何らかの栄養障害に陥った場合、 適切な栄養スクリーニングと栄養アセスメントを行い、早期に栄養状態を維持・改善する方策を講じること は、医療の基本とされています。 近年の研究により、栄養療法は以下の点で患者予後を改善することが示されています。 創傷治癒の促進 感染症合併の予防 治療反応性の向上 在院日数の短縮 医療費の削減 病期(セッティング)によって異なる「攻めの栄養療法」 2018年度の厚生労働省・病床機能報告では、平均在院日数の中央値は以下の通りでした。 高度急性期:9日 急性期:14日 回復期:51日 慢性期:234日 このように 医療のセッティングによって在院日数・患者背景・関与する職種・ゴール設定は大きく異なります 。そのため、「攻めの栄養療法」の対象患者や適応も、セッティングごとに考える必要があります。 本稿では、 急性期医療における栄養療法の考え方 を中心に解説します。 急性期医療における栄養療法の特徴 ICU患者に
2025年12月21日読了時間: 5分


在宅医療の役割―「人生の主導権を取り戻す」ための医療とは―
病気が進んでくると、私たちはいつの間にか「自分の人生なのに、自分で選べなくなっていく」そんな感覚に出会うことがあります。 通院の負担、治療の決まりごと、身体の変化…。気づけば、生活のリズムや過ごす場所さえも、誰かに委ねざるを得ないことが増えていくものです。 でも本来、 「どこで、誰と、どんな時間を過ごしたいか」 これは、すべての人に与えられた大切な“選ぶ権利”です。 在宅医療は、その“選ぶ力”を取り戻すための医療だと私は考えています。住み慣れた家で、自分らしい時間をもう一度取り戻すための支え。そして、病院へ行くことが難しくなった方にも、医療そのものを“届ける”仕組みです。 この記事では、日々の訪問診療の中で私が感じている 「在宅医療が果たす役割」 について、お話ししたいと思います。 🏡家で過ごすという選択は、「主導権を取り戻す」ということ 病気が進むと、どうしても“病院中心”の生活になりがちです。検査や治療にあわせて生活を整え、体調に合わせて予定が変わり、自分の気持ちとは違う場所で過ごすことも少なくありません。 けれど、人が大切にしたいことは案
2025年11月24日読了時間: 3分


座位中心の生活で悪化した臀部の褥瘡が、クッション変更で改善!
👤 80代男性/要介護高齢者 🔍 状況とご相談内容 ケアマネジャーさんより、「 お尻が赤くてなかなか治らない 」とのご相談がありました。すでに 低反発マットレス と クッション は導入済みとのことでしたが、臀部の発赤が持続しており、改善傾向が見られない状況でした。...
2025年7月12日読了時間: 2分


【在宅医療の現場から】背中のしこり…「粉瘤(ふんりゅう)」が化膿したときの対応とは?
今回は、 背中にできた粉瘤(アテローマ)の感染症例 をご紹介します。粉瘤とは、皮膚の下にできる袋状のしこりで、皮脂や角質がたまってできる良性腫瘍の一種です。通常は無症状のことが多いですが、細菌が入り込んで 赤く腫れたり、痛んだり、膿んだりすることがあります 。 🔍...
2025年6月19日読了時間: 2分


パーキンソン病を科学する24~【パーキンソン病治療の選択肢】在宅医療で支える“その先”の治療とは?
― さくら在宅クリニックの取り組み ― ■ パーキンソン病治療の基本とその次の選択 パーキンソン病治療の中心は**L-ドパ製剤(ドーパミン補充療法)**ですが、それだけでは長期的な症状コントロールが難しくなることがあります。 そんなときに重要となるのが、...
2025年6月15日読了時間: 2分


ご自宅でできる「嚥下内視鏡検査」~誤嚥性肺炎を繰り返す方・飲み込みに不安のある方へ~
高齢者の在宅医療において、とても重要なテーマの一つが「食べること」です。特に 認知症や脳卒中の既往がある方、がん・神経難病を抱える方 にとって、「食べる」ことは大きな課題となる場合があります。 🍽 食べられない理由はさまざま 嚥下(飲み込み)機能の低下...
2025年6月15日読了時間: 2分
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