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在宅医療の役割―「人生の主導権を取り戻す」ための医療とは―

  • 執筆者の写真: 賢一 内田
    賢一 内田
  • 2 日前
  • 読了時間: 3分

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病気が進んでくると、私たちはいつの間にか「自分の人生なのに、自分で選べなくなっていく」そんな感覚に出会うことがあります。

通院の負担、治療の決まりごと、身体の変化…。気づけば、生活のリズムや過ごす場所さえも、誰かに委ねざるを得ないことが増えていくものです。

でも本来、「どこで、誰と、どんな時間を過ごしたいか」これは、すべての人に与えられた大切な“選ぶ権利”です。

在宅医療は、その“選ぶ力”を取り戻すための医療だと私は考えています。住み慣れた家で、自分らしい時間をもう一度取り戻すための支え。そして、病院へ行くことが難しくなった方にも、医療そのものを“届ける”仕組みです。

この記事では、日々の訪問診療の中で私が感じている「在宅医療が果たす役割」について、お話ししたいと思います。

🏡家で過ごすという選択は、「主導権を取り戻す」ということ

病気が進むと、どうしても“病院中心”の生活になりがちです。検査や治療にあわせて生活を整え、体調に合わせて予定が変わり、自分の気持ちとは違う場所で過ごすことも少なくありません。

けれど、人が大切にしたいことは案外シンプルです。

  • 住み慣れた家で過ごしたい

  • 家族と同じ空間で時間を重ねたい

  • 自分らしく、心安らぐ場所で暮らしたい

その願いにもっとも寄り添える場所が「家」です。

家で過ごすということは、「病院に行かない」という意味ではなく、

“自分はどこで、誰と、どう生きたいか”を自分自身で選ぶということ。

そしてその選択を支えるのが、在宅医療の大切な役割です。

🚑医療へ行けない人に、医療が“会いに行く”

高齢で歩くのが難しい方、身体が思うように動かない方、外来へ通院することが困難になってきた方…。

そんな方々に「医療を受けに来てください」ではなく、「医療があなたのもとへ伺います」

これが在宅医療の本質です。

病気や障害という“ハードル”を前に、一人で抱え込む必要はありません。医療がそのハードルをそっと取り除いていくことで、また少しずつ“人生の主導権”が本人の手に戻っていきます。

🌈在宅医療とは、人生の“舵”を取り戻す医療

私は在宅医療を「最後を家で迎えるためだけの医療」だとは思っていません。

もっと大きく言えば、

その人が“自分の人生をどう生きたいか”を取り戻すための医療。

最期の時間を、病院ではなく、住み慣れた家で、自分が選んだ道の上で穏やかに過ごす。

そのための支えが在宅医療であり、私たちが毎日向き合っている仕事です。

🔗参考リンク

🏠 さくら在宅クリニックhttps://www.shounan-zaitaku.com/

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