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逗子、葉山、鎌倉、横須賀、横浜市金沢区の在宅医療

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攻めの栄養療法を科学する21~はじめに|栄養療法は「治療の基盤」
栄養療法は、健康の維持・増進のみならず、生活習慣病やさまざまな疾患の 治癒・改善を支える重要な治療の一部 です。患者が何らかの栄養障害に陥った場合、 適切な栄養スクリーニングと栄養アセスメントを行い、早期に栄養状態を維持・改善する方策を講じること は、医療の基本とされています。 近年の研究により、栄養療法は以下の点で患者予後を改善することが示されています。 創傷治癒の促進 感染症合併の予防 治療反応性の向上 在院日数の短縮 医療費の削減 病期(セッティング)によって異なる「攻めの栄養療法」 2018年度の厚生労働省・病床機能報告では、平均在院日数の中央値は以下の通りでした。 高度急性期:9日 急性期:14日 回復期:51日 慢性期:234日 このように 医療のセッティングによって在院日数・患者背景・関与する職種・ゴール設定は大きく異なります 。そのため、「攻めの栄養療法」の対象患者や適応も、セッティングごとに考える必要があります。 本稿では、 急性期医療における栄養療法の考え方 を中心に解説します。 急性期医療における栄養療法の特徴 ICU患者に
2025年12月21日読了時間: 5分


在宅医療の役割―「人生の主導権を取り戻す」ための医療とは―
病気が進んでくると、私たちはいつの間にか「自分の人生なのに、自分で選べなくなっていく」そんな感覚に出会うことがあります。 通院の負担、治療の決まりごと、身体の変化…。気づけば、生活のリズムや過ごす場所さえも、誰かに委ねざるを得ないことが増えていくものです。 でも本来、 「どこで、誰と、どんな時間を過ごしたいか」 これは、すべての人に与えられた大切な“選ぶ権利”です。 在宅医療は、その“選ぶ力”を取り戻すための医療だと私は考えています。住み慣れた家で、自分らしい時間をもう一度取り戻すための支え。そして、病院へ行くことが難しくなった方にも、医療そのものを“届ける”仕組みです。 この記事では、日々の訪問診療の中で私が感じている 「在宅医療が果たす役割」 について、お話ししたいと思います。 🏡家で過ごすという選択は、「主導権を取り戻す」ということ 病気が進むと、どうしても“病院中心”の生活になりがちです。検査や治療にあわせて生活を整え、体調に合わせて予定が変わり、自分の気持ちとは違う場所で過ごすことも少なくありません。 けれど、人が大切にしたいことは案
2025年11月24日読了時間: 3分


在宅医療における認知症について6在宅医療における認知症について65Ala score(アラ・スコア)でみる
― アルツハイマー病とレビー小体型認知症の違い ― アルツハイマー病(AD)とレビー小体型認知症(DLB)は、初期症状の出方が少し違います。 アルツハイマー病初期 → 記憶障害(もの忘れ)が目立つ レビー小体型認知症初期 → 記憶障害はそれほど目立たず、 注意力の障害 と 視空間認知の障害 が目立ちやすい この違いを利用して、 MMSEの下位項目だけでADとDLBをある程度見分けよう としたのが Ala score(アラ・スコア) です。 ● Ala score の計算式 Ala score は、MMSEの以下の3つの下位得点を組み合わせます。 注意(④の100−7など) 想起(⑤の再生:3語の呼び戻し) 構成(⑪の二重五角形の模写) 論文中では、次のような合成得点として定義されています(概念的に): Ala score = 「注意」 − (想起スコアを補正)+ 「構成」 この合成点数が 低いほどDLBの可能性が高い とされ、 5点未満をDLBとみなすと、感度は約0.8 でADとの鑑別に役立つと報告されています。...
2025年11月20日読了時間: 3分


在宅医療における認知症について6在宅医療における認知症について64~認知症が疑われる患者さんの「評価の進め方」
認知症を疑う患者さんを評価する際には、段階的に情報を集め、誤診を避けることが重要です。ここでは 第1段階〜第3段階 の流れと、特に使用頻度の高い MMSEとHDS-R の注意点についてまとめます。 ■ 第1段階:病歴聴取(家族からの情報が最重要) 最初のステップは、患者さんご本人と家族からの丁寧な病歴聴取です。 ● 特に確認すべきポイント 症状の進行パターン 徐々に進むのか、階段状に悪化するのか 生活への影響度 日常生活に支障が出ているのか、単なる物忘れなのか 社会背景・生活状況 1人暮らしか、家族の支援状況はどうか 認知症では特に 家族からの情報が極めて重要 です。本人が自覚していない認知機能の低下を家族が気づいていることが多いためです。 ■ 第2段階:身体診察(神経学的評価を含む) 認知機能の低下が、脳血管障害・パーキンソン症候群など別の疾患によるものかを判断します。 ● 特に確認すべき所見 歩行障害(小刻み歩行・すくみ足) 錐体外路症状(筋固縮・手の震え・無動) 視野障害・麻痺・感覚障害 身体診察の段階で「認知症とは別の原因」が
2025年11月19日読了時間: 4分


在宅医療における認知症について63~認知症予防として“無効”とわかっている方法
世の中には「認知症に効く」「脳に良い」と宣伝されるサプリメントや健康法が数多くあります。しかし、実際には 科学的根拠に基づいた臨床研究で効果が否定されているもの も少なくありません。 ここでは、無作為化比較試験(RCT)やメタ解析など、信頼性の高い研究に基づいて “予防効果がない” と確認されている方法をまとめます。 ■ 1. ビタミンEなどの抗酸化物質(サプリメント) ビタミンE・C、ベータカロチン、亜鉛・銅など「抗酸化」をうたうサプリメントには、認知症を予防する効果がありません。 ● 主な研究結果 2166名・7年間のRCT ビタミンE・C・ベータカロチン → 認知機能はプラセボと同じ MCI(軽度認知障害)769名・3年間のRCT ビタミンE・ドネペジルともに アルツハイマー病予防効果なし 65歳以上の女性 39,876名 ビタミンE → 認知機能改善なし 心血管リスク女性 2824名 ビタミンC・E・βカロチン → 認知機能改善なし 男性7540名 ビタミンE・セレニウム → 認知症発症予防なし → 抗酸化サプリで認知症は予防
2025年11月18日読了時間: 3分


在宅医療における認知症について62~認知症予防:生活習慣病と生活習慣が与える大きな影響
認知症は「年齢」「遺伝」など変えられない要因もありますが、実は 生活習慣病や生活習慣の改善 によって発症リスクを下げられることが、多くの研究によって示されています。 本記事では、予防効果を期待できる “変えられる因子” として ①生活習慣病の管理(糖尿病・高血圧)②生活習慣(禁煙・運動・節酒・食生活) の2つに分けて解説します。 ■ 生活習慣病と認知症リスク 1. 糖尿病 糖尿病は認知症、特にアルツハイマー病のリスクを高めることが、数多くの観察研究で示されています。 台湾研究:糖尿病群は アルツハイマー病の発症が1.76倍 日本研究:糖尿病ありで 発症2.05倍 メタ解析: アルツハイマー病 1.46倍 血管性認知症 2.48倍 → 血糖管理は認知症予防に直結 。 2. 高血圧 特に 中年期の高血圧 が認知症リスクを上昇させます。 中年期の高血圧は認知機能低下と強く相関 75歳以上では「降圧しすぎても予防効果は不明」 75歳以上の降圧目標: 150/90mmHg(可能なら140/90未満) → 40〜60代のうちにしっかり治療することが予
2025年11月17日読了時間: 3分


在宅医療における認知症について61~ 認知症を「予防する」ために知っておきたいこと
― 特に“薬”が与える影響について ― 認知症の方を支えるご家族、とくに子世代からは、 「自分も認知症になるのでは…」 と心配の声を聞くことが少なくありません。 これまでの数多くの疫学研究から、認知症の発症にはいくつかの“危険因子”があることがわかっています。 ■ 変えられない危険因子 代表的なものは以下の3つです。 加齢 :年齢が上がるほど発症リスクが高まる 遺伝(アポリポタンパクE ε4) :アルツハイマー病の発症リスクを高める 教育年数 :教育期間が長いほど発症しにくい傾向 しかし、これらは「知ったところで避けようがない」因子ばかり。そこで注目されるのが、**“変えられる要素=予防可能な因子”**です。 一般臨床の現場で取り組める予防要因は大きく3つあります。 医薬品(薬の影響) 生活習慣病(高血圧・糖尿病など)の管理 生活習慣(運動・睡眠・栄養など) 本記事では、その中でも特にエビデンスが蓄積している**「薬と認知症リスク」**にフォーカスします。 ■ 1. ベンゾジアゼピン(BZD)系薬と認知症リスク ベンゾジアゼピン受容体作動薬は、不
2025年11月16日読了時間: 4分
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