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攻めの栄養療法を科学する40~過栄養時の栄養管理

  • 執筆者の写真: 賢一 内田
    賢一 内田
  • 14 分前
  • 読了時間: 3分

― 「減らすだけ」では解決しない ―

過栄養とは、主にエネルギー摂取過剰活動量不足により脂肪が過剰に蓄積し、健康障害の発症リスクが高まった状態を指します。

特に注意が必要なのが サルコペニア肥満 です。単なる肥満と比べて、

  • ADL低下

  • 転倒・骨折

  • 生命予後の悪化

を来しやすく、「体重を減らせばよい」という単純な問題ではありません。

① エネルギー摂取過剰に対するアプローチ

体重減量を目的とする場合も、理論的なエネルギー設計が必要です。

体重1kg減量に必要なエネルギー量を約7,000kcal として、以下の式で1日あたりのエネルギー削減量を算出します。

7,000(kcal)× 体重減量目標(kg) ÷ 目標達成までの日数(日)

具体例

2か月で5kgの減量を目指す場合

  • 7,000 × 5 ÷ 60→ 約580kcal/日

この 580kcal/日 を算出したTEEから差し引き、栄養量を設定します。

たんぱく質不足に注意する

エネルギー削減だけに注目すると、たんぱく質量が不足しやすくなる点に注意が必要です。

筋肉量を維持するためにも、

  • 1.0 g/kg(標準体重)/日以上

のたんぱく質は、必ず確保するよう調整します。

👉 体重は減っても、筋肉を減らさないことが重要です。

② エネルギー消費不足に対するアプローチ

摂取エネルギーを減らすだけでは、消費量が少なければ脂肪は燃焼しにくいままです。

筋肉量を増やし、基礎代謝と脂肪燃焼を高めるためにも、

  • レジスタンストレーニング

  • 持久性トレーニング(有酸素運動)

などの運動介入を必ず併用します。

👉 過栄養の是正は、「栄養 × 運動」 の両輪がそろって初めて成立します。

ゴール設定における重要な注意点

患者・家族の思いを最優先にする

患者さんやご家族が積極的な栄養介入や減量を望んでいない場合、無理な介入はかえってQOLを低下させることがあります。

  • 何を大切にしたいのか

  • どこまでを目標とするのか

を必ず確認し、ゴールを共有したうえで介入します。

栄養とリハのゴールは連動している

SMARTなゴール設定において、栄養とリハビリのゴールは必ず連動しているはずです。

  • リハビリのゴールは何か

  • そのために必要な体力・筋肉量はどの程度か

を確認しながら、栄養のゴールを設定する必要があります。

さいごに

― SMARTなゴール設定なくして、攻めの栄養療法なし ―

SMARTなゴール設定なくして、質の高い「攻めの栄養療法」は成り立ちません。

ICFで評価を行ったうえで、

  • 多職種でゴールを共有し

  • 仮説を立て

  • 介入し

  • 結果を検証し

  • 必要に応じて修正する

というプロセスを繰り返すことが重要です。

また、栄養量を付加・削減する介入には、必ず運動(活動)を併用する必要があります。

リハ栄養管理を行う際は、常に

「今、目指すべきゴールは何か」

を問い続け、仮説と介入をアップデートし続けることが、臨床の質を高めます。


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