【在宅医療の現場から】背中のしこり…「粉瘤(ふんりゅう)」が化膿したときの対応とは?
- 賢一 内田
- 10 分前
- 読了時間: 2分

今回は、背中にできた粉瘤(アテローマ)の感染症例をご紹介します。粉瘤とは、皮膚の下にできる袋状のしこりで、皮脂や角質がたまってできる良性腫瘍の一種です。通常は無症状のことが多いですが、細菌が入り込んで赤く腫れたり、痛んだり、膿んだりすることがあります。
🔍 エコーでの評価:皮膚の下に膿のたまりが
今回は、背中に赤みと腫れが出現した方に対して、エコー(超音波検査)を使用して評価しました。

すると、皮膚の下に広がる**低エコー域(=膿がたまっている部分)**を確認。深さは約2cmほどで、皮下にしっかりと膿瘍が形成されていました。

✂️ 処置:局所麻酔下で切開・排膿

感染が広がる前に、局所麻酔をして切開・排膿処置を行いました。膿をしっかりと出し切ることが、治癒への第一歩です。
🩹 治療の工夫:あえて「閉じない」で治す
創部は閉じず、**「オープンドレナージ(開放創管理)」**を選択。


これは、閉じてしまうと膿が残って再感染しやすいためです。
創内には、**吸収性の止血・抗菌効果を持つアルギン酸系のドレッシング材(アルゴダーム/カルトスタット)**を充填し、感染の長期化や不良肉芽の増殖を防ぎながら、自然な治癒を促しました。
📈 経過良好:赤みも引き、創もきれいに

数日の経過で、赤みや腫れも改善し、創部もかなりきれいになってきています。毎日の処置をしっかりと行えば、自宅でも安全に治療可能です。
💬 まとめ:粉瘤は“放置せず、早めの対応”が大切
粉瘤そのものは良性のしこりですが、一度感染してしまうと切開やドレナージが必要になることもあります。「なんだか腫れてきた」「触ると痛い」「赤くなっている」といった変化を感じたら、自己判断せず、早めに医療機関にご相談ください。
🏠 さくら在宅クリニックでは皮膚のトラブルも在宅でエコー評価・処置可能です。ご高齢の方や通院が難しい方でも、安心して治療が受けられる体制を整えています。
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