座位中心の生活で悪化した臀部の褥瘡が、クッション変更で改善!
- 賢一 内田
- 7月12日
- 読了時間: 2分
👤 80代男性/要介護高齢者
🔍 状況とご相談内容
ケアマネジャーさんより、「お尻が赤くてなかなか治らない」とのご相談がありました。すでに低反発マットレスとクッションは導入済みとのことでしたが、臀部の発赤が持続しており、改善傾向が見られない状況でした。
<small>▶︎ [写真1:褥瘡発赤の状態(導入前)]</small>

🧪 体圧測定による原因の分析
体圧測定を実施したところ、以下のような結果が得られました:
仰臥位:24.7 mmHg
座位 :44.0 mmHg(※通常より高め)
➡️ この方は日中座っている時間が長く、座位による圧迫が明らかな原因と考えられました。
💡 対応:クッションの再選定
当初導入されていたクッションでは除圧効果が不十分と考え、より体圧分散性に優れた製品への変更をケアマネジャーさんへ提案しました。
導入されたのは、パワークッション(molten社)。電動で空気圧を変化させながら、断続的に除圧を行うタイプの高機能クッションです。
<small>▶︎ [写真2:導入されたパワークッション]</small>


📈 経過と効果
クッション変更後、約1か月で臀部の赤みは完全に消失。下の写真は、導入1か月後の様子です。
<small>▶︎ [写真3:改善後の臀部皮膚]</small>

✨ この症例から学べること
褥瘡の**最大の治療は原因除去(=除圧)**であること
患部の状態に加え、日常の姿勢・生活パターンに応じたアセスメントが重要
既存のクッションで効果不十分な場合、再評価と変更提案が必要
📝 まとめ
褥瘡対策は、「とりあえず保湿」や「軟膏処置」だけでは不十分です。原因(圧迫)を科学的に把握し、的確に対応することが改善への近道となります。まとめ
「とりあえず保湿」「とりあえず軟膏」だけでは褥瘡は治りません。科学的に圧迫の原因を分析し、最適なツールを選択することで、効果的な改善が可能です。
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