在宅医療を科学する11~正常血糖性ケトアシドーシス(euglycemic DKA)を知っていますか?
- 賢一 内田
- 1 日前
- 読了時間: 2分

「血糖値が正常だから大丈夫」その思い込みが、思わぬ体調悪化を見逃す原因になるかもしれません。本日は、特にSGLT2阻害薬を服用中の方やそのご家族に知っておいていただきたい「正常血糖性ケトアシドーシス」について解説します。
1. 正常血糖性ケトアシドーシスとは?
通常、糖尿病の深刻な合併症である「ケトアシドーシス」は、著しい高血糖を伴います。しかし、特定の条件下では血糖値がそれほど高くない(正常〜軽度上昇程度)にもかかわらず、血液が酸性に傾き(アシドーシス)、生命に関わる状態になることがあります。これが「正常血糖性ケトアシドーシス(euglycemic DKA)」です。
2. 臨床的な特徴
この病態の最大の注意点は、一般的な血糖測定だけでは異常に気づきにくいことです。具体的な特徴は以下の通りです。
項目 | 特徴 |
血糖値 | 正常〜軽度上昇(≦250 mg/dL) |
ケトン体 | 高値(血中β-ヒドロキシ酪酸の上昇) |
血液 pH | 低下(アシドーシス) |
HCO₃⁻ | 低値 |
AG(アニオンギャップ) | 増加 |
3. 注意すべきタイミング
一見元気そうに見えても、以下のような症状や状況がある場合は注意が必要です。
激しい倦怠感や吐き気、嘔吐がある
食事が十分に摂れていない(シックデイ)
手術前後や過度な糖質制限を行っている
特にSGLT2阻害薬を服用されている方は、インスリン分泌が低下している際などにこの病態を来しやすいことが報告されています。
まとめ:数値以上に「体感」を大切に
在宅医療や日々のセルフケアにおいて、血糖値の数字は一つの指標に過ぎません。「数値は正常なのに、なんだかいつもより体がきつい、おかしい」と感じたときは、すぐに医療機関へ相談してください。
私たちは、数字の裏に隠れた小さなサインを見逃さない医療を心がけています。




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