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在宅医療を科学する5~治療と在宅での方針

  • 執筆者の写真: 賢一 内田
    賢一 内田
  • 5 時間前
  • 読了時間: 2分
―「治す医療」から「付き合う医療」へ―
―「治す医療」から「付き合う医療」へ―

これまでご紹介してきた難治性蜂窩織炎・静脈うっ滞性皮膚潰瘍の症例では、「どの治療を選ぶか」以上に、どの姿勢で関わるかが重要なテーマとなりました。

今回は、在宅診療における治療方針と考え方を整理します。

■ 治療方針の基本

静脈うっ滞性皮膚潰瘍に対して、漫然とした保存療法のみでは改善は困難です。

本症例では、以下を治療の柱としました。

1.持続的な圧迫療法

  • 弾性包帯・弾性ストッキングを用いた継続的圧迫

  • 静脈還流を促進し、浮腫を軽減

  • 感染再燃・滲出液増加の予防につながる

2.患肢挙上の徹底

  • 日常生活の中で**「足を下げっぱなしにしない」**

  • 下肢静脈圧を下げる最もシンプルで効果的な方法

3.外用療法の最適化

  • 肉芽形成の状態

  • 滲出液量

に応じて外用薬・被覆材を選択。「とりあえず同じ薬を塗り続ける」ことは避けます。

4.感染防止と衛生維持を最優先

  • 潰瘍を「完全に閉じる」ことより

  • 感染を起こさせないことを最重要視

■ 在宅診療での姿勢

在宅医療では、限られた医療資源の中でQOLを守るという視点が欠かせません。

この症例で共有した価値観は、

「潰瘍を治す」ことだけを目標にしない「潰瘍と付き合いながら、安定した生活を送る」

という考え方です。

  • 毎日の処置が過度な負担にならない

  • 介護者が無理なく継続できる

  • 本人の生活リズムを壊さない

こうした要素が、結果的に長期安定につながります。

■ 在宅だからこそできたこと

在宅診療では、

  • 圧迫の強さ・方法を生活に合わせて微調整

  • 浮腫や皮膚状態の変化を時系列で把握

  • 「できない治療」ではなく**「続けられる治療」**を選択

することが可能です。

その結果、潰瘍と共存できる安定状態を目標にした関わりが実現しました。

■ まとめ

静脈うっ滞性皮膚潰瘍・難治性蜂窩織炎では、

  • 圧迫

  • 挙上

  • スキンケア

  • 感染予防

といった地道な介入の積み重ねが最も重要です。

在宅医療は、「完治」を急がず、「生活を守る」医療を提供できる場でもあります。

在宅医療・慢性創傷管理については👉 さくら在宅クリニック公式サイトhttps://www.shounan-zaitaku.com/もぜひご覧ください。

🏷 タグ

#静脈うっ滞性皮膚潰瘍#難治性蜂窩織炎#下肢潰瘍#圧迫療法#弾性包帯#在宅医療#訪問診療#高齢者医療#慢性創傷#QOLを守る医療#生活を診る医療#さくら在宅クリニック


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