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創傷ケア(スキン テア、褥瘡、下肢潰瘍)を科学する15~【症例で学ぶ】浅い潰瘍と良性肉芽へのドレッシング材の選び方

  • 執筆者の写真: 賢一 内田
    賢一 内田
  • 4 時間前
  • 読了時間: 3分

〜DESIGN-Rスコアに基づく実践的判断〜

褥瘡ケアでは、創の深さや滲出液量、肉芽の状態などに応じて適切なドレッシング材を選択することが重要です。今回は「浅い潰瘍」と「良性肉芽(d2)」の2つのケースを例に、材料の選択とその理由を解説します。

🟤 Case 1:浅い潰瘍(真皮までの損傷)

部位:仙骨~尾骨・左後腸骨部深さ:d1(真皮まで)滲出液:中等量創サイズ:9×6cm炎症徴候:熱感なし

✅ 選択するドレッシング材

薄型ハイドロコロイド

💡 選択理由

  • 真皮までの損傷であり、比較的浅い創に適応

  • 中等量の滲出液を適度に吸収しつつ、湿潤環境を保つことで治癒を促進

  • 密着性に優れ、ずれや摩擦から創を保護

  • 観察の必要性が低く、長時間の貼付も可能

※ポリウレタンフィルム単独は滲出液があるため不適、ハイドロジェルは乾燥創向き。

🟢 Case 2:良性肉芽組織(d2)

部位:右大転子部DESIGN-R評価:d2-e3-s8-i0-g1-n0-p0滲出液:中等量・やや粘性あり排膿・悪臭:なし

✅ 選択するドレッシング材(2つ)

  • アルギン酸塩

  • ポリウレタンフォーム

💡 選択理由

  • 良性肉芽(g1)を保護し、破壊しない材質が前提

  • 中等量の滲出液を吸収できる高吸収材が必要(e3)

  • アルギン酸塩は止血作用・ゲル化作用により肉芽に優しく適合

  • ポリウレタンフォームは創形にフィットし、感染徴候がない清潔な創に適応

※感染リスクがないため銀含有製品は不要。

📌まとめ:創の性状ごとに最適な材を選ぶ

評価

適応状態

推奨ドレッシング材

d1

真皮まで、滲出中等

薄型ハイドロコロイド

d2

良性肉芽、滲出中等

アルギン酸塩+PUフォーム

褥瘡評価(DESIGN-R)と材料の特徴を照らし合わせることで、治癒促進とQOL向上が期待できます。🌸 スキン‐テアの正しい理解とケアで患者さんのQOLを守ろう

スキン‐テアは高齢者に多く見られる創傷であり、正確な評価と分類がとても大切です。STAR分類を活用し、早期発見・適切な対応につなげましょう。

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