創傷ケア(スキン テア、褥瘡、下肢潰瘍)を科学する13~【褥瘡管理】慢性期における創傷評価とドレッシング材の選択
- 賢一 内田
- 6月21日
- 読了時間: 3分

〜DESIGN-Rで考える、深い褥瘡のケア〜
急性期(発症後1~3週間)を過ぎると、局所の炎症反応(発赤・腫脹・疼痛・熱感)は軽減し、創の輪郭が明瞭になります。この時期からは、創傷評価ツール「DESIGN-R」を用いた客観的な評価と管理が可能になります。
✅ DESIGN-Rとは?
D(Depth:深さ)E(Exudate:滲出液量)S(Size:大きさ)I(Inflammation/Infection:炎症・感染)G(Granulation:肉芽組織)N(Necrotic tissue:壊死組織)P(Pocket:ポケットの有無)
重症度の高いものは大文字(例:N)、軽度なものは小文字(例:n)で評価され、治療の目標は「すべての項目を小文字にすること」です。
🔄 治療の基本的な流れ
壊死組織の除去(N → n)
肉芽形成の促進(G → g)
創の収縮と上皮化(S → s)
なお、滲出液が多い(E)、感染兆候がある(I)、ポケットがある(P)などの状態では、それらを優先的に治療する必要があります。
🩹 ドレッシング材の選択ポイント
DESIGN-Rをもとに、滲出液量や感染状況、壊死組織の有無に応じてドレッシング材を選択します。
種類 | 特徴 | 適応 |
ハイドロジェル | 壊死組織の自己融解促進 | N→n、乾燥創 |
アルギン酸塩 | 滲出液でゲル化・止血作用 | E、出血傾向 |
ハイドロファイバー | 高吸収力、ゲル化 | E、感染予防(Ag含有あり) |
ポリウレタンフォーム | 創にフィット、吸水性高い | G→g、Pあり |
ハイドロコロイド | 湿潤環境を保持 | s→S、慢性創 |
キチン製剤 | 生体親和性、創傷治癒促進 | G、P、s |
※銀(Ag)含有製品は感染対策に有用です。
💊 外用薬の選び方(例)
有効成分 | 主な製品 | 適応 |
ポビドンヨード+シュガー | ユーパスタ等 | 感染創・壊死創(N→n) |
スルファジアジン銀 | ゲーベンクリーム | 感染予防(I→i) |
ブロメライン | ブロメライン軟膏 | デブリドマン目的(N→n) |
フィブラストスプレー | トラフェルミン | 上皮化促進(S→s) |
リフラップ軟膏 | リゾチーム含有 | 肉芽促進(G→g) |
アズノール軟膏 | 酸化亜鉛含有 | 炎症緩和・保湿目的 |
📌 まとめ
DESIGN-Rに基づいた観察が、慢性期褥瘡管理の基本
各項目の重症度に応じて、ドレッシング材や外用薬を選択
目指すのは“大文字から小文字へ”の変化と上皮化の達成🌸 スキン‐テアの正しい理解とケアで患者さんのQOLを守ろう
スキン‐テアは高齢者に多く見られる創傷であり、正確な評価と分類がとても大切です。STAR分類を活用し、早期発見・適切な対応につなげましょう。
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