在宅酸素療法を科学する33~エンド・オブ・ライフケア悪性腫瘍患者の呼吸困難と酸素療法のエビデンス
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悪性腫瘍患者への酸素療法導入の実態

原因 | 病態 | 悪性腫瘍に伴う変化 | 治療関連原因 |
上気道狭窄 | 呼吸仕事量増加 | 口腔内・咽頭・喉頭の悪性腫瘍の増大 | — |
閉塞性換気障害 | 下気道の狭窄 | 気管および中枢側気管支の腫瘍、縦隔腫瘍、縦隔リンパ節腫大 | — |
拘束性換気障害 | 肺容量の減少 | 肺内腫瘍の増大、腫瘍による無気肺 | 肺切除術後、特に片肺全摘など |
胸郭・胸膜のコンプライアンスの低下 | 悪性胸膜中皮腫、胸膜腫瘍、胸水貯留、胸膜浸潤 | 胸膜癒着術後 | |
横隔神経麻痺 | 横隔神経への腫瘍の浸潤 | — | |
腹部膨満による肺活量の減少 | 癌性腹水貯留、巨大な肝腫瘍や腹部腫瘍、肝不全による腹水 | — | |
肺コンプライアンスの低下 | 吸気時の呼吸仕事量の増加 | 癌性リンパ管症 | 放射線性肺炎 |
肺胞低換気 | 呼吸中枢からの換気ドライブの減少 | 腫瘍随伴症候群による神経障害、重症筋無力症、電解質異常、癌悪液質候群 | 抗不安薬や麻薬性鎮痛薬の投与、ステロイドミオパチー |
シャント | 酸素化されず右室から左房に戻る血流の増加 | 多発性肺血栓塞栓症、PTTM、肺内の腫瘍による無気肺・閉塞性肺炎、肝肺症候群、肺実質内の腫瘍浸潤の増加 | — |
拡散能低下 | 肺胞気から毛細血管内の血液へのガス拡散に障害 | 癌性リンパ管症、ARDSの合併 | 薬剤性肺障害、放射線性肺炎 |
上大静脈症候群 | 上大静脈の外部からの圧迫や塞栓による閉塞 | 主に肺癌や縦隔腫瘍の悪化。腫瘍塞栓、血栓性塞栓 | — |
うっ血性心不全 | 左心機能の低下 | — | 化学療法薬の心毒性 |
心タンポナーデ | 癌性心膜液 | — | |
収縮性心膜炎 | 癌の心膜、心筋への浸潤 | 心膜癒着術後 |
エンド・オブ・ライフケアにおける酸素療法の意義
① 低酸素血症が明確でない癌患者への酸素療法
Cranstonらによるレビューでは、8つの研究の評価において、癌や心不全の終末期に対して、酸素投与は室内気との比較で有意な差がなかったとされている。





最近、高流量鼻カニューレ療法(HFNC)の使用を試みた報告が出ており、症例を選んで実施することも考慮される。


緩和目的でのNPPV(非侵襲的陽圧換気)の使用が考慮される。条件としては、適切なモニタリングができ、機器管理に習熟している体制が必要であると提案されている。
癌患者の呼吸困難への対応アルゴリズム日本緩和医療学会による推奨の概要






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