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在宅酸素療法を科学する41~火気取扱いの注意特にタバコの危険性

  • 10 分前
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在宅酸素療法中の火災

酸素は他の燃焼を助ける性質(支燃性)があり、酸素濃度が高いと自身は燃えなくても燃えるものを激しく燃焼させる。消えかけたタバコも酸素があると火を噴き、空気中では燃えにくいカニューレも酸素が通っていると導火線のように激しく火を噴いて燃え広がる。

日本呼吸器学会「在宅呼吸ケア白書2010」のアンケートでは、HOT患者のうち3%が喫煙しており、家庭内に喫煙者がいる割合は17%であった。社会的損失は年間約1億円弱と推計される。
日本呼吸器学会「在宅呼吸ケア白書2010」のアンケートでは、HOT患者のうち3%が喫煙しており、家庭内に喫煙者がいる割合は17%であった。社会的損失は年間約1億円弱と推計される。

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火災例の紹介

● 消防による在宅酸素中の火災例の特徴
● 消防による在宅酸素中の火災例の特徴

区分

内容

特徴(5項目)

  1. 自由に歩けないベッド上の生活

  2. 出火責任者が初期消火できない

  3. 熱傷率がほぼ100%(顔面)

  4. 布団や畳に「焼け焦げ」があることが多い

  5. 禁煙を指導されていたが守られていない

関係者からの


聴き取り

  • 本人:ライターをつけると急に炎が大きくなり、顔のあたりが燃え始めた。あわてて顔を手ではたいた

  • ヘルパー:寝たきりの状態だが、以前にもタバコで髭を焦がしたことがある

  • 家族:カニューレを鼻にしながらタバコを吸っていたので危ないと何回も注意したが聞かない。以前もタバコの火種を布団に落として焦がした

火災の対策①:2m以内の火気使用の厳禁

厚生労働省や日本産業・医療ガス協会は「在宅酸素療法時は、たばこ等の火気の取扱いにご注意下さい」というリーフレットや動画で注意喚起し、使用中は2m以内での火気使用厳禁などを呼びかけている。

🚭 在宅酸素療法中は、酸素チューブ(カニューレ)から半径2メートル以内での火気の使用を絶対に禁止する。

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火災の対策②:「焼け焦げサイン」など問題行動の把握

まずはHOT中の喫煙を確認する。酸素を吸いながらの喫煙者は重度のニコチン依存症である。依存症は否認の病と言われ、本人は喫煙を否定することが多いが、医師の往診またはヘルパー・家族・訪問看護師・酸素供給業者と協力し、主治医が喫煙の事実を把握する必要がある。

● 火災につながる危険因子
● 火災につながる危険因子

① ストーブや仏壇の線香・ロウソク

② 酸素使用しながらガスコンロを使用している

③ 同居者に喫煙者がいる

④ 家具・家電の裏など隠れた場所のコンセントに埃が溜まり、トラッキングを起こしそうになっている(漏電)

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火災の対策③:在宅酸素適応の再評価

導入の適応評価を厳密に行う。禁煙が原則である。

喫煙しつづける患者へのHOTの導入・継続について、現時点で日本には法的もしくは保険診療上の制限はなく、主治医の裁量に任されている。また日本では、火災に遭った隣人から、患者に酸素処方した医師に対し民事上の損害賠償請求はない。
喫煙しつづける患者へのHOTの導入・継続について、現時点で日本には法的もしくは保険診療上の制限はなく、主治医の裁量に任されている。また日本では、火災に遭った隣人から、患者に酸素処方した医師に対し民事上の損害賠償請求はない。

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火災の対策④〜⑥:酸素を吸う場所・安全な喫煙指導・ニコチン依存症治療

④ 酸素を吸う場所を変える

認知症など自己管理能力が低く、火災予防手段がとれない喫煙者には、監視者(家族・ケアワーカー)がいない場合、HOTを導入しない、もしくは中止の必要がある。

路上喫煙は外出するHOT患者にとってきわめて危険であり、公共の場所での喫煙は禁止することが必要と言える。
路上喫煙は外出するHOT患者にとってきわめて危険であり、公共の場所での喫煙は禁止することが必要と言える。

⑤ 「安全な喫煙」の指導

喫煙者にHOTを処方する医師には、「安全な喫煙」を指導する義務が生じる。安全な喫煙はありえないが、禁煙に至るまでのやむをえない事情がある場合に限り、以下を指導する。

⑥ 慢性疾患としてのニコチン依存症治療
⑥ 慢性疾患としてのニコチン依存症治療

ニコチン依存症の治療が不十分なことも、HOT中に喫煙を続ける原因のひとつ。ニコチン依存症は再発と寛解を繰り返す慢性疾患であり、喘息や糖尿病と同様に長期にわたり治療する必要がある。

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火災の対策⑦⑧:防火設備・認知症対策

⑦ 防火設備

酸素カニューレの難燃化も重要。現在のカニューレは導火線のように非常によく火を噴いて燃える、きわめて危険なものである。素材が難燃性のものや、燃えるとヒューズのようにチューブ内腔が閉塞して酸素供給を阻害するものが望ましい。

⑧ 認知症対策
⑧ 認知症対策

認知症患者はタバコが手に入る限り禁煙不可能である。見守りのない、タバコ屋まで歩行可能な認知症ニコチン依存症患者には、HOTは不可能である。

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