看護師さんによる在宅医療におけるエコーを科学する27~エコーでの観察アプローチのポイント
- 賢一 内田
- 1 日前
- 読了時間: 2分

~PICC挿入に必要な基本知識~
PICC(末梢挿入型中心静脈カテーテル)を安全に挿入するためには、エコーを正しく使いこなすことが欠かせません。ここでは「準備」と「観察の基本ポイント」について整理します。
エコー観察の準備
プローブ:表在の血管を描出するため、リニア型プローブを使用
ジェル:音波を伝えやすくするために必須。皮膚とプローブの密着性を高め、安定した画像を得る
PICC成功の3つの条件
PICCを適切に挿入するためには、以下の3点が重要です。
適切な静脈の選択
適切な挿入部位の決定
カテーテル先端位置の確認
これらを満たすためには、エコーで「血管の見え方」「静脈と動脈の違い」「神経叢の位置」を理解しておく必要があります。
1. 血管の見え方
プローブを血管に対して直角に当て、短軸像を観察
プローブの中央に血管がくるように位置調整
エコー画像上では:
血管壁 → 白く観察される
血管内腔 → 黒く観察される
2. 静脈と動脈の区別
誤って動脈を穿刺しないために、エコーでの区別が重要です。
特徴 | 動脈 | 静脈 |
拍動 | 確認できる | なし |
圧迫時 | つぶれない | 扁平につぶれる |
血管壁の厚さ | 厚い | 薄い |
3. 神経叢の観察
神経叢はエコーで「カリフラワー状」の像として観察されます
穿刺部位が神経叢に近すぎると損傷のリスクがあるため、必ず位置を確認して避けることが重要です
まとめ
PICCのエコーアプローチでは、
適切な機器とジェルを準備する
短軸像で血管を描出する
動脈と静脈を正確に区別する
神経叢の位置を把握して安全に穿刺する
これらの基本を押さえることで、穿刺成功率が高まり、合併症リスクを減らすことができます。
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