攻めの栄養療法を科学する①~【攻めの栄養療法】低栄養・サルコペニア改善のカギは“リハ × 栄養”の両輪です
- 賢一 内田
- 15 分前
- 読了時間: 3分

在宅医療でもリハビリでも、**「食べられない」「痩せてしまった」「筋力が落ちた」**という場面は日常的です。
そんな時に重要なのが、今日お話しする “攻めの栄養療法(アグレッシブ・ニュートリション)” です。
◆ 攻めの栄養療法とは?
通常の栄養管理は、「今日使うエネルギーを今日の食事で補う」考え方です。
一方で攻めの栄養療法は、1日の消費エネルギーに “体重を増やすためのエネルギー” を上乗せする方法。
特に以下の患者さんに有効とされています。
低栄養
サルコペニア(筋肉量の低下)
リハビリを頑張っても改善が乏しいケース
リハビリの効果を最大化するための“攻め”の栄養戦略とも言えます。
◆ なぜ必要なのか?
リハビリが必要な方は、病前からの低栄養、急性期での食欲低下、施設入院中の栄養不足などさまざまな理由で 体重・筋肉量が落ちやすい状況 にあります。
研究でも、
回復期リハ病棟では 40〜50% が低栄養
サルコペニアは 約50% の患者で認められる
体重減少は ADL改善の妨げになる
などが示されています。
つまり、筋肉量が減る → 動けない → さらに食べられない → ADL低下という悪循環に陥りやすいのです。
◆ どれくらい栄養を摂ればいいの?(目安量)
攻めの栄養療法の基本は以下です。
● エネルギー:
35 kcal / 理想体重(kg) / 日
● たんぱく質:
1.3〜1.4 g / 理想体重(kg) / 日
例)理想体重50kgの人なら
エネルギー:1,750 kcal/日
たんぱく質:65〜70 g/日
これくらいは必要です。
高齢者が体重を1kg増やすには 8,800〜22,600 kcal 必要と言われており、「少し増やせばいい」レベルではないことが理解いただけると思います。
◆ リハビリと併用すると効果はさらに大きい
筋肉は 「使う × 作る」 の両方が揃って増えます。
リハビリ:筋肉を使う
栄養:その材料を作る
攻めの栄養療法とリハビリをセットで行うことで、歩行能力・ADL・嚥下機能まで改善した症例が複数報告されています。
◆ 実践にあたっての注意点
攻めの栄養療法を始める際には、以下に注意が必要です。
refeeding症候群
腎機能障害
糖代謝異常
脂質異常
そのため、医療者によるリハ栄養アセスメント(評価) → ゴール設定 → 栄養介入というプロセスが欠かせません。
◆ まとめ
攻めの栄養療法は「食べられないから仕方ない」から一歩前へ進む治療法 です。
低栄養・サルコペニアの改善
リハビリ効果の最大化
ADL向上
生活の質の改善
在宅でも病院でも、とても重要なアプローチです。
必要な方には経口・経管・静脈栄養を組み合わせて積極的に支えることで、回復力が大きく違ってきます。
在宅医療でも多くの場面で活用できますので、興味のある方はお気軽にご相談ください。

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