「褥瘡にガーゼ」は最悪の処置?その理由を解説します
- 賢一 内田
- 6月25日
- 読了時間: 2分

褥瘡(床ずれ)の処置として「ガーゼを当てておけば安心」と思っていませんか?実は、褥瘡にガーゼを当てることは、最悪の処置になり得るということをご存じでしょうか。
今回は、「なぜガーゼ処置が褥瘡にとって逆効果なのか?」を、褥瘡の発生メカニズムと傷の治り方から解説します。
1. 褥瘡はなぜできるのか?
褥瘡は、長時間同じ姿勢を取り続けることで、骨の突出した部分に過度な圧力(体圧)がかかり、血流が遮断されることによって発生します。血流が途絶えることで、皮膚やその下の組織が壊死し、やがて傷になります。
つまり、褥瘡治療や予防で最も大切なのは、**「体圧を取り除くこと」**です。
ところが、褥瘡にガーゼを当てた状態で体重がかかると、ガーゼの厚みが圧迫を助長し、患部の体圧がさらに上昇してしまいます。この状態では、褥瘡は治るどころか悪化する一方です。
2. 傷が治る環境とは?
もう一つのポイントは、「傷は湿潤環境でこそ早く・きれいに治る」という事実です。
しかし、従来のガーゼは吸収力が高く、傷を乾燥させてしまうため、治癒を妨げます。さらに、ガーゼ交換時に新しい組織を剥がしてしまう痛みとダメージも避けられません。
ガーゼで覆うことは、「見えなくしているだけ」であり、実際には乾燥と圧迫によって褥瘡を悪化させている可能性が高いのです。
解決策は?──体圧管理と湿潤療法
褥瘡ケアで本当に大切なのは、
ポジショニングや体圧分散による「原因除去」
創部を適切に保湿・保護する「湿潤療法」
これらを組み合わせてこそ、褥瘡は改善に向かいます。現場で「とりあえずガーゼ」という選択を見直すことで、患者さんの苦痛を減らし、よりよいケアにつながるはずです。
褥瘡は「貼るもの」より「支える姿勢」と「保つ湿度」が命です。ガーゼに頼らない、根本的なケアを一緒に考えていきましょう。🎥 在宅診療の知識もYouTubeで学べます!
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