top of page
逗子、葉山、鎌倉、横須賀、横浜市金沢区の在宅医療

神奈川県逗子市桜山2-2-54
TEL 046-874-9475
FAX 050-3145-2736
平日9時~17時
検索


看護師さんによる在宅医療におけるエコーを科学する47~エコーで見るDVT⑥ ― 血栓の評価と判断の実際
深部静脈血栓症(DVT)の診断では、 血栓の存在・範囲・可動性・性状 を正確に把握することが重要です。ここでは、エコーによる血栓評価の基本手順を順を追って紹介します。 🔍血栓評価の4ステップ 1️⃣ 血栓検索(存在診断) 2️⃣ 血栓範囲の把握 3️⃣ 血栓中枢端(血栓尖)の可動性評価 4️⃣ 血栓性状評価(急性/慢性の判定) ① 血栓検索(存在診断) 基本は B-mode(2Dモード)による短軸走査 です。静脈を短軸で連続観察しながら、 適時圧迫 を行い血栓の有無を判断します。 🔸圧迫法の原理 正常静脈 :圧迫により完全につぶれ、内腔が消失する。 血栓あり :静脈内腔がつぶれず残存。(動脈は圧迫してもつぶれないため、比較対象として有用) 💡 静脈がつぶれない=血栓を強く疑う。短軸で検出後、 長軸走査 で血栓の連続性と内部性状を確認します。 🔸補助技術 カラードプラ法 :血流信号の欠損により血栓の存在を確認。 骨盤内観察 :腸管ガスの影響があるため、 やや強めの圧迫 で背側の静脈を描出。 ⚠️ 急性期の浮遊型血栓 は可動性が高く、 強い
10月17日読了時間: 4分


看護師さんによる在宅医療におけるエコーを科学する46~エコーで見るDVT⑤ ― 検査法と実践のポイント
深部静脈血栓症(DVT)は、 非侵襲的に診断できる代表的疾患のひとつ です。その評価において、エコー(超音波)は最も有用かつ即時性の高い検査手段です。今回は、DVTの**エコー検査法(全下肢静脈法)**について解説します。 🔍 DVTのエコー検査法 ― 2つのアプローチ DVT評価には、観察範囲の異なる2つの方法があります。 ① 全下肢静脈法(Whole-leg venous ultrasound) 骨盤部の総腸骨静脈から下腿ひらめ静脈まで を系統的に観察 急性期・慢性期ともに評価でき、再検不要 診療・在宅領域でも標準的な手技 ② 2点圧迫法(2-point CUS:compression ultrasonography) 鼠径部(総大腿静脈)と膝窩部(膝窩静脈) の2か所を限定的に圧迫評価 時間が限られる 救急現場向けの簡易法 初回陰性でも 1週間後の再検が必須 💡 本稿では、より詳細な評価が可能な 全下肢静脈法 を中心に解説します。 🩻 観察対象と静脈の基本構造 下肢の静脈は**筋膜より浅い「表在静脈」**と、**筋膜より深い「深部静
10月16日読了時間: 4分


看護師さんによる在宅医療におけるエコーを科学する45~エコーで見るDVT(深部静脈血栓症)― リンパ浮腫との鑑別にも重要
リンパ浮腫と同様に「下肢の腫脹」を呈する疾患として、**深部静脈血栓症(DVT: deep vein thrombosis)**があります。DVTは、**肺塞栓症(PE: pulmonary embolism)**の原因となり得る、命に関わる重要な疾患です。今回は、DVTの基本・症状・エコーによる診断法を整理します。 🩸DVTとは? 〜VTEという概念〜 DVTとは、主に**下肢の深部静脈(腸骨静脈〜下腿静脈)**に血栓が形成された状態を指します。それ自体は必ずしも致死的ではありませんが、 血栓が肺へ飛んでPE(肺塞栓症)を起こす と、突然の呼吸困難やショックを来し、重篤な転帰をとることがあります。 この DVTとPEを合わせて「VTE(venous thromboembolism:静脈血栓塞栓症)」 と呼びます。VTEは俗に「 エコノミークラス症候群 」「 旅行者血栓症 」としても知られ、長時間同じ姿勢で過ごす飛行機搭乗中や、術後の臥床中に発生することがあります。 💡 日本でも近年、生活習慣や高齢化、長時間手術などの影響で VTEは増加傾
10月15日読了時間: 3分


看護師さんによる在宅医療におけるエコーを科学する44~エコーで見るリンパ浮腫④ ― 評価と判断の手技
エコーはリンパ浮腫の 病期判定・浮腫範囲の把握・経時的変化の追跡 において、非常に有用なツールです。ここでは、臨床での観察手技と経時的評価のポイントをまとめます。 🔍 内部性状の違いによる評価 リンパ浮腫では、 患肢全体の皮下組織の状態 を把握することが第一歩です。観察範囲は次の通りです。 上肢リンパ浮腫 :手関節(尺骨側)から上腕まで 下肢リンパ浮腫 :足関節(外果)から大腿まで 🔸 撮影のコツ エコー装置の「 動画機能 」や「 パノラマ撮影 」を活用すると、患肢全体の連続像を得られます。 プローブと皮膚の両方にゲルを十分塗布し、 皮膚上を滑らせながら移動 するのがポイントです。 プローブは**身体の長軸方向(縦向き)**に当てます。 💡 コツ: 浮腫の程度は長軸方向に変化するため、縦方向の走査がより正確な観察につながります。 🧭 部位による内部性状の違い 下肢リンパ浮腫の例を見ると、患肢全体で皮下組織が厚く、部位によって 内部性状(エコー輝度・構造)が異なる ことが分かります。これは、同じ患肢でも 部位ごとに病期が異なる可能性 を示
10月14日読了時間: 3分


看護師さんによる在宅医療におけるエコーを科学する43~エコーで見るリンパ浮腫③ ― 皮下組織の変化と「敷石様像
リンパ浮腫では、皮下組織の構造変化が進行とともに現れます。エコー(超音波)を用いると、この**皮下層の「見えないむくみ」 を視覚的にとらえることができます。特に特徴的なのが、浅筋膜の変化と 「敷石様像(paving stone appearance)」**です。...
10月13日読了時間: 3分


看護師さんによる在宅医療におけるエコーを科学する41~エコーで見るリンパ浮腫② ― 病期の評価とセルフケア支援
リンパ浮腫の管理で最も重要なことは、 病期を正確に評価し、進行を防ぐこと です。問診・視診・触診に加えて、近年では エコー(超音波)による非侵襲的な病期評価 が注目されています。 🔍② 病期進行を適切に評価する ― エコーが果たす役割...
10月12日読了時間: 3分


看護師さんによる在宅医療におけるエコーを科学する41~エコーで見えるリンパ浮腫 ― 評価と分類のポイント
リンパ浮腫は、 リンパ管系の形成異常や機能障害 によって、皮膚や皮下組織にリンパ液が貯留することで生じます。皮膚や皮下の厚みが増し、構造が変化していくのが病態の特徴です。腕や脚がむくみ、皮膚の硬さや張りが出ることが多く、 完治が難しい慢性的な疾患...
10月11日読了時間: 3分


看護師さんによる在宅医療におけるエコーを科学する24~エコーでの末梢静脈カテーテル留置評価
~太さ・深さ・走行を“見える化”する意味~ 点滴や輸液のために末梢静脈カテーテルを留置したのに、「点滴が落ちない」「腫れてきた」「発赤がある」「痛い」などの理由で抜去せざるを得なくなることがあります。これらは総称して**末梢静脈カテーテル中途抜去(Catheter...
8月31日読了時間: 2分


看護師さんによる在宅医療におけるエコーを科学する22~末梢静脈カテーテルの留置・管理で求められること
末梢静脈カテーテルとは 末梢静脈カテーテル(Peripheral Intravenous Catheter:PIVC)の留置は、看護師が日常的に行う医療行為の一つです。しかし、これは決して簡単な処置ではなく、 患者への苦痛を最小限に抑えつつ、安全に実施するための高い技術力...
8月21日読了時間: 2分


看護師さんによる在宅医療におけるエコーを科学する21~カラードプラエコーによる褥瘡部の血流評価とデブリードマンの活用
褥瘡の治療において、壊死組織を除去する「デブリードマン」は重要な処置の一つです。特に シャープデブリードマン は鋭利な器具を用いるため、不要な出血を避ける工夫が求められます。ここで有用なのが カラードプラエコーによる血流評価 です。 ① 不要な出血を避けるために...
8月20日読了時間: 2分


看護師さんによる在宅医療におけるエコーを科学する20
実際の観察 初回のエコーでは、 褥瘡部を中心に広範囲を観察 し、異常所見の有無を確認します。異常所見を認めた場合には、その位置をシェーマや写真に記録し、 縦断走査・横断走査で静止画と動画 を残します。動画は後から解析できるように、 ゆっくり撮影 するのがポイントです。...
8月19日読了時間: 2分


看護師さんによる在宅医療におけるエコーを科学する19~エコーを用いた褥瘡観察・評価の手順
褥瘡の評価において、エコー検査は 表面からではわからない内部情報を得るための有効な方法 です。ここでは、褥瘡部を観察・評価する手順と実際の注意点を整理します(図3) 。 Step1:観察目的の明確化 エコー検査の目的は大きく2つに分けられます。 初回重症度評価...
8月18日読了時間: 2分


看護師さんによる在宅医療におけるエコーを科学する18~褥瘡(じょくそう)の内部評価におけるエコーの役割
褥瘡の観察は、これまで視診や触診が中心でした。しかし、表面からでは深部の状態を正確に把握できないことも多くあります。エコー(超音波検査)を用いることで、以下のような内部構造を可視化でき、褥瘡評価の精度が高まります。 深部組織損傷(DTI) 皮下ポケット...
8月17日読了時間: 2分


看護師さんによる在宅医療におけるエコーを科学する17~超音波でみる便秘評価 〜結腸・直腸の糞便貯留の見極め〜
便秘の評価に超音波を用いると、直腸診のように患者さんへ負担をかけずに、糞便の状態を把握することができます。今回は「結腸」と「直腸」における糞便の貯留と、そのケアの考え方について整理します。 結腸に糞便が貯留しているとき 結腸に過剰な糞便が貯まると、内容物で腸管が膨らみ、さら...
8月16日読了時間: 2分


看護師さんによる在宅医療におけるエコーを科学する16~【便秘ケアに役立つ】直腸のエコー観察法と描出のコツ
便秘のアセスメントにおいて、直腸内の便の有無や性状を正確に評価することは非常に重要です。従来の直腸診は不快感や羞恥心のリスクも伴いますが、 エコー(超音波)検査 なら 非侵襲的に直腸の状態を可視化 することができます。 直腸を“見える化”する基本構造とプローブの位置...
8月8日読了時間: 3分


看護師さんによる在宅医療におけるエコーを科学する16~【便秘の評価】結腸・直腸をエコーで観察するためのポイント
便秘を正確に評価するには、糞便の「貯留部位」「量」「性状」まで把握することが重要です。そこで有効なのが、 超音波(エコー)を用いた結腸・直腸の観察 です。この記事では、解剖的知識を踏まえた描出法や画像の見方について、現場で役立つポイントをまとめました。...
8月7日読了時間: 3分


看護師さんによる在宅医療におけるエコーを科学する16~【便秘ケアの新常識】超音波(エコー)で「見える化」する排便評価
便秘は多くの患者にとって身近な問題ですが、適切な評価がなければ「見逃し」や「誤ったケア」によるリスクも存在します。今回は、 エコーを活用した便秘評価 について解説します。 なぜ便秘評価に“エコー”が必要なのか? 便秘は排便回数だけで判断してはいけません。たとえば──...
8月6日読了時間: 3分


看護師さんによる在宅医療におけるエコーを科学する15~食事中の誤嚥や咽頭残留を「見える化」する ― エコーでの嚥下観察の手技と対処法 ―
はじめに 嚥下障害のケアでは、「誤嚥」や「咽頭残留」を的確に捉えることが非常に重要です。近年、**エコー(超音波)**を用いた嚥下観察が注目されており、ベッドサイドでも簡便に実施できる非侵襲的な評価手段として普及しつつあります。この記事では、エコーによる嚥下観察の基本的な手...
8月5日読了時間: 3分


看護師さんによる在宅医療におけるエコーを科学する13~食べる力を支える医療:摂食嚥下障害とその評価、そしてエコーの可能性
「食べること」は、私たちの命を支える営みであり、日々の喜びのひとつでもあります。しかし、年齢や病気などにより、その営みが困難になる方もいらっしゃいます。今回は、 摂食嚥下障害(えんげしょうがい)について、その評価法や最近注目されているエコー(超音波)による観察...
8月3日読了時間: 3分


看護師さんによる在宅医療におけるエコーを科学する⑧~エコーの基礎知識:撮影の手順とポイント
はじめに エコー(超音波)検査は、非侵襲的かつリアルタイムに体内を観察できる重要な手段です。今回は、エコー検査を安全かつ正確に行うための基本的な撮影手順を紹介します。 1. 機器の準備 ● 使用機器の種類 エコー装置には以下のタイプがあります: 据置型...
7月28日読了時間: 3分
bottom of page