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看護師さんによる在宅医療におけるエコーを科学する21~カラードプラエコーによる褥瘡部の血流評価とデブリードマンの活用

  • 執筆者の写真: 賢一 内田
    賢一 内田
  • 5 日前
  • 読了時間: 2分

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褥瘡の治療において、壊死組織を除去する「デブリードマン」は重要な処置の一つです。特にシャープデブリードマンは鋭利な器具を用いるため、不要な出血を避ける工夫が求められます。ここで有用なのがカラードプラエコーによる血流評価です。

① 不要な出血を避けるために

D3以上に褥瘡が進展しており、炎症や感染が見られない場合、柔らかい黄色の壊死組織は出血リスクが低いため、シャープデブリードマンが選択されることがあります。

しかし、壊死組織内には血流がないと考えられる一方で、思いがけない出血を経験することも少なくありません。

そこで、事前にカラードプラで血流を評価することで:

  • デブリードマンが適切か、保存的治療が良いかを判断する根拠になる

  • 処置中の予期せぬ出血を回避できる

といったメリットがあります。

② 血管の炎症や異常を発見できる場合も

褥瘡部の観察では、皮下脂肪層にパルス状の血流シグナルが描出されることがあります(図12)。

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これは、

  • 深部に残存する動脈(例:外側仙骨動脈)

  • 通常は描出されにくい血管の炎症

によるものである可能性があります。

このように血流が認められる場合には、

  • 壊死組織の自己融解

  • 創感染リスク

  • 全身状態や出血傾向

  • 手技の侵襲度

などを総合的に考慮する必要があります。

③ 実施にあたっての留意点

特定行為研修を受けた看護師がシャープデブリードマンを行う場合でも、必ず医師と相談のうえ、範囲や回数を検討することが不可欠です。

まとめ

カラードプラによる血流評価は、褥瘡治療におけるデブリードマンの安全性を高める重要なツールです。

  • 不要な出血を回避

  • 血管の炎症や異常を発見

  • 治療選択の根拠となる

といった役割を担い、より安全で効果的な褥瘡ケアに直結します。さくら在宅チャンネル(YouTube)

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