精神疾患を科学する 在宅医療で関わる精神疾患について26~感情失禁をやさしく解説ちょっとしたことで泣いたり、笑ったりしてしまう
- 12 時間前
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① 感情失禁とは



経験的には、ちょっと昔話をしただけで泣かれることが多い気がします。特別に悲しい話をしたわけでもなく、懐かしい思い出を尋ねただけで、涙が止まらなくなってしまう——そんな場面に出会うことがあります。
よく聞かれる言葉
「年をとるとつい涙もろくなって……」
これは多くの人が経験することだと思いますが、高齢の人が急に涙もろくなったら脳血管障害があるサインかもしれません。
ポイント
大切なのは「涙もろい」ことそのものではなく、“急に”変わったかどうかです。もともとの性格として涙もろい方と、ここ数か月で明らかに変化した方とでは、意味がまったく異なります。
③ なぜ「失禁」という名前なのか
「失禁」と聞くと、多くの方は排尿のことを思い浮かべるのではないでしょうか。

在宅診療の視点から
訪問先で急に涙を流されると、こちらが何か失礼なことを言ってしまったのかと戸惑うことがあります。しかし感情失禁は本人の意思とは関係なく起こる症状であり、深い悲しみの表れとは限りません。ご家族が「気難しくなった」「情緒不安定になった」と受け止めて疲弊しているケースもあります。症状として説明するだけで、ご家族の負担がふっと軽くなることがあります。また、これまで穏やかだった方が急に涙もろくなった場合は、脳血管障害の新たな発症や進行を疑うきっかけにもなります。麻痺や構音障害、歩行の変化がないかも併せて確認しましょう。
感情失禁は、わずかな刺激で泣いたり、笑ったり、怒ったりする症状です
血管性認知症でよくみられ、ちょっと昔話をしただけで泣かれることも少なくありません
高齢の人が“急に”涙もろくなった場合は、脳血管障害があるサインかもしれません
「失禁」とは一般的におもらしのことをいいますが、涙を流すことから感情失禁と名前がついています
本人の意思とは関係なく起こる症状であり、性格の変化と誤解されないよう周囲に共有しておくことが大切です
本記事は一般的な情報提供を目的としたものです。ご本人やご家族に気になる症状がある場合は、内容の自己判断にとどめず、かかりつけ医・神経内科医・精神科医などの専門職にご相談ください。





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