精神疾患を科学する 在宅医療で関わる精神疾患について㉕~感情の障害と「不安」をやさしく解説 情動と気分の違い、イライラも不安のサイン
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栄養管理がなぜ必要かをやさしく解説低栄養が褥瘡を招く仕組みとフレイル・サルコペニア
「栄養が大事」とは言われても、なぜ栄養不足が褥瘡につながるのか。今回は、低栄養が身体に何を起こすのか、褥瘡患者にみられる栄養不良の特徴、そしてフレイル・サルコペニア予防に必要な関わりまでを整理します。

① 感情とは ― 情動と気分の関係
感情とは、喜怒哀楽や快・不快を表す自我の状態です。
そして、情動や気分は感情の下位概念といわれています。同じように使われがちな言葉ですが、次のように整理できます。

うつ病や躁うつ病を気分障害というのは、長期間にわたり気分の落ち込みや高揚が継続する疾患だからです。例えば、うつ病の診断基準にも「抑うつ気分などが2週間の間存在する」ことがいわれています。
一方で、1日のうちで感情がころころ変わり、喜怒哀楽が激しい人は気分障害とはいいません。情動の変化が激しい人、俗にいう「気分屋さん」です。

「気分屋さん」の気分とは、どちらかといえば情動のことです。ただし一般社会だけでなく医療現場でも、実際には感情の障害の用語は厳密に区別されていないこともしばしばで、それほど気にする必要はないといわれています。大切なのは「どのくらいの期間続いているか」という視点です。
③ 不安とは ― 恐怖との違い

将来といった、ぼんやりとしてあいまいな形にできないものには不安という言葉を使い、ライオンやムカデなどはっきりとした対象には恐怖という言葉を使います。

不安は日常的に使う言葉ですが、不安に伴って出てくるほかの症状が重要になってきます。人は不安を抱いたとき、次のような状態になります。

イライラしている人を見たら近寄りたくないのが心情ですが、「どうしたの?」と声をかけてあげることが大切なことも多いのです。
在宅診療の視点から
訪問先で「最近怒りっぽくなった」「夜眠れていない」というご家族の訴えは、本人の不安のサインであることが少なくありません。認知症のBPSDや性格の変化として片付けてしまう前に、不安の背景(病状の進行への恐れ、介護者との関係、経済的な心配、独居の孤独)を一度は疑ってみることをおすすめします。イライラを「困った行動」ではなく「言葉にならない不安の表現」と読み替えるだけで、対応の選択肢は大きく広がります。
感情とは、喜怒哀楽や快・不快を表す自我の状態で、情動と気分はその下位概念です
情動(emotion)は外的刺激に誘発された一時的な変化、気分(mood)は比較的長く持続するものです
うつ病や躁うつ病を気分障害というのは、気分の落ち込みや高揚が長期間継続するためで、1日のうちで感情が変わる「気分屋さん」は気分障害とはいいません
不安は対象のない漠然としたものに抱く不快な感情、恐怖ははっきりした対象があるときに使う言葉です
イライラ・不眠・集中力低下・易疲労も不安のサインであり、全般性不安障害の診断基準でもあります
イライラしている人にこそ「どうしたの?」と声をかけることが大切な場合が多くあります
本記事は一般的な情報提供を目的としたものです。ご本人やご家族に気になる症状がある場合は、内容の自己判断にとどめず、精神科医・かかりつけ医などの専門職にご相談ください。




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