top of page

精神疾患を科学する 在宅医療で関わる精神疾患について㉔~離人症をやさしく解説現実感がなくなり、世界が白黒に見える体験

  • 3 日前
  • 読了時間: 3分
#離人症#現実感消失#自我意識の障害#うつ状態#うつ病#精神症状#在宅医療#訪問診療#さくら在宅クリニック
#離人症#現実感消失#自我意識の障害#うつ状態#うつ病#精神症状#在宅医療#訪問診療#さくら在宅クリニック

① 離人症とは

離人症は、自分の体が自分自身のものではないように感じられます。

患者さんの多くはよく、現実感がなくなるという表現をされます。しかし、この言葉は正常な人にとってはピンとこないかもしれません。実際に体験していないと想像しにくい症状だからこそ、患者さんが使う比喩から理解を試みることが役に立ちます。

② 「現実感がなくなる」とはどんな感覚か

現実感がなくなるという感覚は、周囲が生き生きと感じられなくなって、白黒に見えるような感覚に近いようです。色があるはずの世界から彩度が抜け落ちてしまったような、そんな体験だと考えると近いのかもしれません。

③ 患者さんが語る3つのイメージ
③ 患者さんが語る3つのイメージ

離人症を語るとき、患者さんからは次のような表現が聞かれます。

いずれも共通しているのは、自分と自分自身の間、あるいは自分と世界の間に、一枚の隔たりができてしまっているという感覚です。前回の記事で触れた「自己を認識する4つの様式」でいえば、自分と外界は別物であるという境界性や、自分がここにいるという実感が揺らいでいる状態と捉えることができます。
いずれも共通しているのは、自分と自分自身の間、あるいは自分と世界の間に、一枚の隔たりができてしまっているという感覚です。前回の記事で触れた「自己を認識する4つの様式」でいえば、自分と外界は別物であるという境界性や、自分がここにいるという実感が揺らいでいる状態と捉えることができます。

在宅診療の視点から

離人症は、うつ状態に伴って現れることが多い症状です。外から見て分かる変化に乏しいため、ご家族には「ぼんやりしている」「反応が薄い」としか映らないことがあります。しかしご本人にとっては、自分が自分でなくなるような強い不安を伴う体験です。「怠けている」「集中していない」と受け取られないよう、症状として共有しておくことが、ご本人を守ることにつながります。うつ状態の治療が進むにつれて改善していくことが多い症状でもあるため、まずは背景にある病状の評価を優先しましょう。

  • 離人症は、自分の体が自分自身のものではないように感じられる、自我意識の障害のひとつです

  • 患者さんの多くは「現実感がなくなる」と表現しますが、体験していない人にはイメージしにくい症状です

  • 現実感がなくなる感覚は、周囲が生き生きと感じられず、白黒に見えるような感覚に近いとされます

  • 自分を少し離れたところから見ている、テレビ画面越しに見ている、幽体離脱して自分を見下ろしている、といった比喩で語られます

  • うつ状態(うつ病など)でよくみられ、外からは分かりにくいため、症状として周囲に共有しておくことが大切です

本記事は一般的な情報提供を目的としたものです。ご本人やご家族に気になる症状がある場合は、内容の自己判断にとどめず、精神科医・かかりつけ医などの専門職にご相談ください。


コメント


© 2021 湘南在宅研究所 All Rights Reserved.

情報通信機器を用いた診療の初診において向精神薬を処方しておりません

bottom of page