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在宅医療を科学する45~在宅環境での足部多発潰瘍・壊死組織に対するドレッシング管理の実際

  • 2 時間前
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この記事のポイント
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  • 在宅環境での足部多発潰瘍・壊死組織に対するドレッシング管理の実際

  • 壊死組織(黒色壊死)の観察ポイントと記録のとり方

  • 在宅医療チームによる多職種連携のケアプロセス

症例概要



部位

足部(足底・趾部)

創傷の性状

壊死組織(黒色壊死)を伴う多発潰瘍、浸出液あり

使用材料

非固着性ドレッシング材、吸収パッド

ケア環境

在宅(訪問診療・訪問看護)

 

観察所見と評価

1. 創傷の状態

趾部(主に第1趾・足底側)に黒色乾性壊死(dry gangrene様)を認める。 壊死組織の辺縁は概ね明瞭で、周囲皮膚との境界は比較的安定している。 足底部には複数の浸出液を伴う潰瘍が存在し、ドレッシング材の汚染(黄色〜褐色滲出液)が観察された。

2. 皮膚周囲の状態

足背・下腿部の皮膚は乾燥・鱗屑を伴い、菲薄化傾向。毛細血管の透見が可能な程度の皮膚菲薄化を認め、 血流障害(末梢動脈疾患:PAD)や糖尿病性神経障害との関連が示唆される所見であった。

📌 在宅ケアでの観察ポイント:


壊死組織の拡大・軟化・悪臭の有無を毎回記録。感染徴候(発赤・熱感・膿性浸出液・全身発熱)が出現した場合は速やかに主治医へ報告し、抗菌薬投与や外科的デブリードマンの適応を検討する。

ケアの実際

ドレッシング交換手順

非固着性ドレッシング材を使用し、創面への機械的刺激を最小化。交換時は生理食塩水による 愛護的な洗浄を行い、浸出液・壊死組織の性状・量を観察・記録した。 固定は粘着力の弱いテープを使用し、脆弱な周囲皮膚への損傷を予防している。

体圧・免荷管理

在宅での免荷は難しい場面も多いが、クッション素材の活用・臥床時の足部挙上など 生活の中でできる工夫を本人・家族に繰り返し指導している。 歩行動線上の環境整備も訪問リハビリと連携して実施中。

在宅チームとしての課題と方針

本症例では、壊死の進行抑制と感染予防を最優先としつつ、在宅での本人・家族の QOLを損なわないケアの継続を目指している。根治的な外科的処置が困難な状況では、 「治癒」ではなく「悪化させない・苦痛を最小化する」という 緩和的創傷ケア(palliative wound care)の視点が重要となる。

多職種(訪問医・訪問看護師・訪問リハビリ・薬剤師・ケアマネジャー)が情報を 共有しながら、個別性のあるケアプランを継続的に見直していく予定である。


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