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創傷ケア(スキン テア、褥瘡、下肢潰瘍)を科学する③~スキンテア予防の基本とケア用品の選び方

  • 執筆者の写真: 賢一 内田
    賢一 内田
  • 6月11日
  • 読了時間: 3分




スキンテア(皮膚裂傷)は、高齢者や皮膚がもろくなった方に多く見られる皮膚損傷の一つ。摩擦やずれといった外力によって、皮膚が裂けるように傷ついてしまいます。

スキンテアを防ぐには、以下の3つの視点が重要です。

✅ 1. 健やかな皮膚を保つには?

ポイントは「栄養」と「スキンケア」です。

🍴 栄養管理

  • 体重減少・食事摂取量・アルブミン値などを定期的にチェック

  • 褥瘡ケアと同様に、脱水にも注意!→ 皮膚が乾燥・硬化して裂けやすくなります。

💧 スキンケア

  • 保湿剤はローションタイプを選び、1日2回以上塗布

  • 塗る時は「毛の流れに沿って、押さえるように」優しく

  • 入浴では高温・長湯を避け、弱酸性の洗浄剤を使用

  • 冬は加湿器などで湿度管理も忘れずに

👕 肌着やパジャマも重要:柔らかくて伸縮性のある素材を選び、関節拘縮がある場合はゆったりした衣類を。

✅ 2. 摩擦とずれを防ぐ「外力保護ケア」

  • ベッド柵の隙間や家具の角にはクッション材やコーナーガード

  • 長袖・長ズボン・アームカバー・レッグカバーの着用もおすすめ

  • スライディングシート・ボード・グローブを使って、摩擦を最小限に!

🩹 ドレッシング材も活用

ポリウレタンフォームなどで、肘・すねなど衝突しやすい部位を保護しましょう。

 

⚠️ 医療用テープによる「テープテア」に要注意!

スキンテアの原因で多いのが、テープの貼り剥がしによる皮膚損傷(テープテア)

💡予防のコツ:

  • シリコーン粘着や皮膜剤を使用し、皮膚への刺激を減らす

  • 貼付時に皮膚を引っ張らない!

  • 剥がすときは180度反転し、皮膚を押さえながらゆっくりと

必要に応じて、粘着剥離剤の使用が推奨されます。

✅ 3. ケアを続けるために「人的環境」を整える

💬 医療チーム内での情報共有

  • 「この患者さんはハイリスク」と全スタッフで共有

  • 看護師だけでなく、リハビリ・栄養指導・事務職員も要注意

👨‍👩‍👧‍👦 家族への教育も重要

  • 手を握っただけで傷ができることも→ 家族にもスキンテアの理解と注意点を伝えましょう

🌸 まとめ

スキンテア予防のカギは、

  • 皮膚を健康に保つこと

  • 摩擦やずれを防ぐ工夫

  • 周囲の人が正しく理解し、継続して関わること

ケアの工夫とちょっとした心がけで、スキンテアは**「予防できる傷」**になります。大切な人の皮膚を守るために、明日からできるケアを見直してみませんか?🌸 スキン‐テアの正しい理解とケアで患者さんのQOLを守ろう

スキン‐テアは高齢者に多く見られる創傷であり、正確な評価と分類がとても大切です。STAR分類を活用し、早期発見・適切な対応につなげましょう。

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