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創傷ケア(スキン テア、褥瘡、下肢潰瘍)を科学する17~【褥瘡ケア実践編】浮腫状の不良肉芽とポケット創への対処法

  • 執筆者の写真: 賢一 内田
    賢一 内田
  • 12 時間前
  • 読了時間: 2分

〜DESIGN-R評価に基づいたケアの選択〜

褥瘡の中でも、「浮腫状の不良肉芽」や「ポケット形成を伴う創」は管理が難しく、治癒に時間がかかる傾向があります。今回は、それぞれの状態に適した外用剤とドレッシング材の選択を事例画像とともに解説します。

Case 1:浮腫状の不良肉芽(G6)


評価:D3-E6-s12-i0-G6-n0-P0創内に光沢のある浮腫性肉芽がびまん性に出現

✅ 外用剤(2つ選択)

  • スルファジアジン銀

  • カデキソマーヨウ素(ヨウ素軟膏)

💡選択理由

  • スルファジアジン銀は抗菌効果に加え、肉芽の過剰形成を抑制する作用があり、浮腫状肉芽のコントロールに有効。

  • カデキソマーヨウ素は滲出液を吸着・除去しつつ、浮腫を伴う肉芽の過形成を抑え、微生物バランスを整える

✅ ドレッシング材(2つ選択)

  • 銀含有ハイドロファイバー

  • アルギン酸Ag

💡選択理由

  • いずれも高吸収性+抗菌性に優れ、滲出液の多い浮腫肉芽に最適。また、創面の形状にフィットしやすい繊維系構造のため、ポケットなどにも適応しやすい。

Case 2:ポケットを伴う創(P2)


評価:D3-E6-s6-i0-G5-n0-P2部位:会陰部/サイズ:4.2×3.5cm、ポケット深さ:最大11.5×8cm壊死なし、膿苔付着あり、皮膚はおむつ摩擦による浸軟+色素沈着

✅ 外用剤(1つ選択)

  • スルファジアジン銀

💡選択理由

  • 抗菌・滲出液吸収・創面保護の三拍子そろったスタンダード。膿苔の制御や感染予防に最適。

✅ ドレッシング材(1つ選択)

  • 銀含有ハイドロファイバー

💡選択理由

  • ポケット内へ充填可能な繊維状構造+抗菌作用付きで、創底からの治癒を促進。滲出液が多くても安定して対応できる。

📌まとめ:状態別の材料選びが治癒への近道

状態

外用剤

ドレッシング材

浮腫状の不良肉芽(G6)

スルファジアジン銀、カデキソマーヨウ素

銀含有ハイドロファイバー、アルギン酸Ag

ポケット形成(P2)

スルファジアジン銀

銀含有ハイドロファイバー

浮腫肉芽=抗菌+吸収材ポケット創=抗菌+フィット性の高い充填材が基本の選び方となります。在宅・施設問わず、DESIGN-Rの評価をベースに、材料の「特性」と「適応」を一致させることがポイントです。

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