誤嚥性肺炎を科学する4~メカニズムとリスク
- 39 分前
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誤嚥性肺炎は、本来は食道へ送られるべき食べ物や唾液が誤って気道に入り、そこに含まれる細菌によって引き起こされる細菌性肺炎です。
原因は食べ物だけではない: 臥床(がしょう)時や就寝時にむせずに気道へ入っていく唾液も、重要な原因となります。
お口の健康が直結: 口腔衛生状態を良好に保つことで細菌量を減らせますが、不良な場合は原因菌の保有量が増えてしまいます。
高い死亡率と後遺症: 死亡率が約15%と高いだけでなく、回復後も食べる機能、身体機能、認知機能が低下し、QOLが悪化する恐れがあります。
なぜ発症するのか?「抵抗力」と「侵襲性」のバランス
誤嚥したからといって、必ずしも肺炎になるわけではありません。発症は、肺の「個体の抵抗力」と、誤嚥物の「侵襲性(しんしゅうせい)」のバランスが崩れた時に起こります。
肺の抵抗力(守る力) | 誤嚥物の侵襲性(攻める力) |
喀出力: 咳で異物を出す力(咳嗽反射)、気道粘膜の機能 | 病原性: 細菌の種類や化学的な強さ(酸・アルカリなど) |
免疫力: 局所リンパ球や好中球などの防御反応 | 量・侵入部位: 誤嚥した量や、肺のどこまで入ったか(気管支・肺胞など) |
誤嚥性肺炎を防ぐ多面的アプローチ
誤嚥性肺炎の管理において、医師による適切な抗菌薬の選択は不可欠ですが、それと同じくらいケアの質が予後を大きく左右します。
予防と治療を支える「3つの柱」と「3つの工夫」
安定した食環境を目指すために、以下の7つのアプローチを組み合わせることが効果的です。
3つの柱(基盤の安定)
口腔ケア: 口腔内を衛生的に保ち、肺炎のきっかけとなる細菌を減らします。
リハビリテーション: 嚥下機能(飲み込む力)や身体機能を維持・向上させます。
栄養管理: 免疫力を保ち、筋力低下(サルコペニア)を防ぐために不可欠です。
3つの工夫(リスク軽減)
食形態の工夫: 食べやすく、飲み込みやすい食事の内容(とろみなど)を選びます。
ポジショニング: 誤嚥しにくい姿勢(座り方や頸部の角度など)を整えます。
薬の工夫: 嚥下機能に悪影響を与える薬を減らし、好影響を与える薬への変更を検討します。
正しい食事介助技術
安全で効率的な経口摂取を目指し、専門的な知識に基づいた介助を行います。これはケア提供者の力の見せどころであり、QOL維持に直結します。




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