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神経障害性疼痛疼痛を科学する27~末梢性神経外傷(静脈穿刺などによる神経障害)— 予防・神経障害性疼痛・CRPSの診断と治療 —

  • 1 日前
  • 読了時間: 3分

末梢性神経外傷静脈穿刺採血合併症神経障害性疼痛CRPS複合性局所疼痛症候群アロディニア肘正中皮静脈橈側正中皮静脈正中神経橈骨神経浅枝神経腫神経縫合術交感神経節ブロック硬膜外脊髄電気刺激採血時注意点低出力レーザー治療



静脈穿刺による末梢性神経外傷とは

静脈穿刺などによる末梢性神経外傷は、針を用いた医療行為を行う際には常につきまとう問題です。採血手技や静脈留置針の留置は最も多く行われている侵襲を伴う医療行為の一つです。通常は「チクン」とした一瞬の痛みを感じるだけですが、「針を抜いているのに痛みの余韻が続いている」「針を刺した瞬間にビリッとしたしびれを感じた」「静脈留置針の留置後も痛みが消失しない」などの患者の訴えを認める場合があります。

Horowitzは、いかに適切な手段で採血を行っても神経外傷を完全に防ぐことはできないと指摘しています。このため、現時点でできることは、第一に採血時の適切な手技の確立、第二に不幸にして神経障害が生じてしまった場合の早期から適切な対応です。


避けるべき静脈と解剖学的知識

採血に適した静脈と避けるべき静脈

解剖学的リスクの詳細
解剖学的リスクの詳細

尺側正中皮静脈の近傍の皮下には、前腕内側皮神経、さらに深部に正中神経本幹が走行しています。また手関節部の橈骨茎状突起より中枢側12cm以内の前腕橈側皮静脈には橈骨神経の皮枝が密にからまっているため、静脈穿刺針による神経損傷の可能性が高いです。

解剖学実習用死体18体28手を用いた研究では、前腕橈側皮静脈と橈骨神経浅枝が28手中27手で交叉し、位置の平均は手関節より約11mm近位であったと報告されています。また上腕を駆血時に肘部での超音波画像を摘出した34人中12人で、尺側皮静脈の直下に正中神経が位置していたことが確認されています。

放散痛・しびれが生じた際の対応
放散痛・しびれが生じた際の対応
発現頻度・症状・機序・治療
発現頻度・症状・機序・治療

発現頻度

日本(大武らの献血者56万人対象調査):150人に神経損傷発生、84人が当日中に、27人が1週間以内に症状消失。治癒まで1年以上かかった人3人。
日本(大武らの献血者56万人対象調査):150人に神経損傷発生、84人が当日中に、27人が1週間以内に症状消失。治癒まで1年以上かかった人3人。

特徴的な症状と所見

採血時に「ひびいた」「しびれた」などの訴えが生じる場合が多いです。痛みの性質は、ビリビリ・電気が走るようなものが典型的です。痛みの部位に一致して触覚が過敏あるいは鈍くなっていることが多く、通常は刺入部位に圧痛を認める以外、熱感・発赤・腫脹などの所見は認められません。

損傷のパターン(機序)

注射針による神経障害のパターンは、針による神経炎、部分断裂に伴う神経腫、神経周膜の部分損傷により神経線維がヘルニアとなって突出する状態(perineural window)などが指摘されています。

治療
治療
CRPS
CRPS

複合性局所疼痛症候群(CRPS)の症状と治療

採血後に生じる痛みの原因には、組織損傷・穿刺後の出血・穿刺後の炎症に加えて、末梢神経損傷に起因する神経障害性疼痛やCRPSなどがあります。


発現頻度・特徴


CRPSの正確な発現頻度は不明です。若い女性に多く、正中・尺骨・坐骨・腓骨神経損傷後に多く発症しています。


特徴的な症状と所見


前述の神経障害性疼痛の臨床症状に、手が冷たい・発汗障害・浮腫などの自律神経障害の症状が加わります。特徴的な他覚所見としては、損傷したと考えられる末梢神経支配領域を越えて、一見健常な皮膚に触れた刺激を痛みとして感じるアロディニアを認めます。



CRPS早期発見のポイント


治療
治療
医療従事者への提言
医療従事者への提言

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