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在宅医療を科学する55~食道カンジダを見逃すな!〜口腔内カンジダから食道病変への気づき〜

  • 12 分前
  • 読了時間: 2分


はじめに

「うがいをしっかりしてくださいね」——ステロイド内服後の口腔内カンジダに気づいたとき、ついそう伝えて終わりにしていませんか?

実は、その先に食道カンジダが隠れているケースがあります。

きっかけは口腔内カンジダ

ステロイドを内服している患者さんに口腔内カンジダを発症した場合、まず行うのはうがいの励行と局所抗真菌薬の使用です。これは標準的な対応です。

しかし——

「症状を詳細に聞くと、嚥下時の痛みがある」

この一言が、診断を大きく変えることがあります。

嚥下時痛=食道カンジダを疑うサイン

口腔内カンジダが確認された患者さんが「飲み込むときに痛い」「食べると胸がしみる」と訴える場合、食道カンジダへの進展を強く疑う必要があります。

食道カンジダの主な症状は以下の通りです。

  • 嚥下時痛(odynophagia)

  • 嚥下困難(dysphagia)

  • 胸骨後部の不快感・灼熱感

  • 食欲低下・体重減少

免疫抑制状態(ステロイド使用、糖尿病、高齢者、悪性腫瘍など)の患者では、口腔内病変が食道へ波及しやすく、在宅・施設の現場では特に見落としが起こりやすい疾患です。

臨床所見からの診断

内視鏡検査が困難な在宅現場では、臨床所見による診断が重要です。

✅ 口腔内に白色偽膜性病変(写真参照)✅ 嚥下時痛の訴え✅ 免疫抑制状態の背景

これらが揃えば、経験的治療(empiric therapy)として抗真菌薬の全身投与を開始することが許容されます。

治療のポイント

口腔内カンジダに対する局所療法(ファンギゾンうがい液など)のみでは食道病変には効果不十分です。

食道カンジダが疑われる場合は、フルコナゾールなどの全身性抗真菌薬への切り替えを検討します。

病変部位

治療の選択

口腔内のみ

局所抗真菌薬(うがい・トローチ)

食道への進展疑い

フルコナゾール経口 or 点滴

在宅・訪問診療で意識したいこと

高齢者・ステロイド使用者・糖尿病患者など免疫が低下した方が「最近食欲がない」「飲み込みにくい」と言ったとき——

まず口の中を見てください。そして「飲み込むとき痛みはありますか?」と一言聞いてください。

その一問が、食道カンジダの早期発見につながります。

まとめ

  • ステロイド内服後の口腔内カンジダは食道への進展を念頭に

  • 嚥下時痛は食道カンジダの重要なサイン

  • 臨床所見のみでも診断・治療開始は可能

  • 局所療法のみでなく全身性抗真菌薬の使用を検討する

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