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リウマチを科学する36

21 時間前
読了時間: 4分

関節リウマチの単純X線

〜手のレントゲンで、何を見ているのか〜

対象:患者さん・ご家族/医療・介護スタッフの皆さん

診察では、見て・触って・動かして関節の状態を確かめます。けれども関節は皮膚の下に隠れていて、中で何が起きているかは直接見えません。その様子を「見える化」するのが画像検査です。今回は、その基本となる単純X線(レントゲン)の読み方をご紹介します。

1なぜ「手」のレントゲンを撮るのか

単純X線は、ほかの画像検査に比べて費用が安く、多くの施設で撮影できる、もっとも手軽な画像検査です。関節リウマチでは手の関節がもっとも侵されやすいため、診断を考えるときにも、治療中の経過をみるときにも、必ず手を撮影します。

2見えるもの・見えないもの
2見えるもの・見えないもの
それでも、関節炎の影響は骨に間接的な所見としてあらわれます。順序立てて読めば、多くの情報が得られます。読み方は「まず全体、次に関節」の2段階です。
それでも、関節炎の影響は骨に間接的な所見としてあらわれます。順序立てて読めば、多くの情報が得られます。読み方は「まず全体、次に関節」の2段階です。

3ステップ1:まずは全体の「かたち」を見る

最初に、骨がきれいに並んでいるかを確かめます。この骨の並び具合をアライメントと呼びます。

関節リウマチの手では、指の付け根(MCP関節)で指が小指側へ傾く尺側偏位がしばしば起こり、進行すると関節がずれる亜脱臼・脱臼に至ります。指の関節には次のような変形がみられることもあります。
関節リウマチの手では、指の付け根(MCP関節)で指が小指側へ傾く尺側偏位がしばしば起こり、進行すると関節がずれる亜脱臼・脱臼に至ります。指の関節には次のような変形がみられることもあります。
指を横から見た模式図(自作イラスト)。親指では「Z字変形」がみられることもあります。
指を横から見た模式図(自作イラスト)。親指では「Z字変形」がみられることもあります。

進行したときの特徴:手根骨の圧潰・癒合

手首には小さな骨(手根骨)が集まっています。関節リウマチが進むと、まず手根骨どうしのすき間が狭くなり、末期には骨がつぶれてくっつき(圧潰・癒合)、手首の部分そのものが短く・狭く見えるようになります。進行した関節リウマチに特徴的な所見です。

4ステップ2:関節を1つずつ見る

全体の並びを確かめたら、関節を1つずつ見ていきます。チェックするのは次の2点です。

1関節裂隙の狭小化

関節裂隙とは、骨と骨のあいだの間隔のこと。関節炎が長く続くと関節軟骨が失われていき、すき間が全体的に狭くなります。軽い変化は見慣れないと判断が難しいものですが、高度になるとすき間がほぼ消え、骨と骨がぶつかるようになります。

2骨びらん
2骨びらん

骨びらんは、関節炎によって骨が侵食され、ネズミにかじられたように欠ける所見です。関節リウマチでは、関節のふちにできる関節辺縁部の骨びらん(marginal erosion)が特徴的です。

なぜ「ふち」なのか。関節の辺縁には、軟骨に覆われず骨がむき出しになっている部分があり、ここが炎症で侵食されやすいためです。
なぜ「ふち」なのか。関節の辺縁には、軟骨に覆われず骨がむき出しになっている部分があり、ここが炎症で侵食されやすいためです。
5見ていく順番
5見ていく順番

侵されやすい手指の関節から始め、親指(第1指)から順に見ていくと効率的です。手根骨にも骨びらんはしばしばみられます。

6変形性関節症との見分け方
6変形性関節症との見分け方

関節リウマチと紛らわしい病気に変形性関節症があります。X線では次の点が手がかりになります。

 

関節リウマチ

変形性関節症

骨硬化骨のふちが白っぽく見える

みられない

みられるDIP関節・PIP関節に生じる

骨の濃さ

関節周囲が薄くなる脱灰により骨密度が低下

白っぽくなる骨硬化のため

骨棘骨のトゲ

—

できやすい

特徴的な変化

関節辺縁の骨びらん

骨硬化・骨棘

患者さんへ:レントゲンは「経過を比べる」ための検査でもあります

関節リウマチでは、診断のときだけでなく治療中にも手のレントゲンを撮ります。以前の写真と見比べることで、関節の変化が進んでいないかを確かめられるからです。「また撮るの?」と感じたら、その目的を遠慮なく主治医におたずねください。

今回のまとめ

  • 単純X線では関節そのものは見えないが、関節リウマチの評価には欠かせない

  • まず全体を見て、骨の並び(アライメント)を確認する

  • 次に関節を1つずつ見て、関節裂隙の狭小化と骨びらんがないかをチェックする

  • 骨硬化・骨棘があれば、変形性関節症を考える手がかりになる

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※本記事は一般的な医学情報をわかりやすくお伝えするために内容を簡略化しています。図はすべて説明用の模式図であり、実際のX線写真ではありません。画像の読影や治療方針は、お一人おひとりの症状・経過によって異なります。必ず主治医にご相談ください。

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