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リウマチを科学する31 慢性多関節炎の考え方どの指の、どの関節か。

11 分前
読了時間: 4分

慢性多関節炎の考え方どの指の、どの関節か。そして関節以外に何があるか

多関節炎が6週間以上続く場合は、慢性多関節炎に分類されます。6週間以上症状が続いている人が、感染性心内膜炎などの細菌感染症である可能性は低くなり、一方で自己免疫疾患が原因である可能性が高くなります。ここから先の絞り込みには、2つのポイントがあります。

主に医師・医療スタッフ向けの内容です

#慢性多関節炎#関節リウマチ#変形性関節症#MCP関節#PIP関節#DIP関節#関節外症状#蝶形紅斑#ヘリオトロープ疹#乾癬性関節炎#成人発症スティル病#鑑別診断

1|考えるポイントは2つ

① 変形性関節症と関節リウマチの可能性
① 変形性関節症と関節リウマチの可能性

両者の違いのひとつは、侵される関節の分布にあります。痛みがある関節の数だけでなく、細かい分布にも注目する必要があります。

分布に加えて、触って確かめる

腫脹の硬さに着目すると、関節リウマチでは柔らかい腫脹を触れ、変形性関節症では硬い骨性腫脹を触れるのでしたね。関節の分布に加えて、関節もしっかり触っておきましょう。

ここまでの評価で関節リウマチが疑われれば、次は血液検査や画像検査を行います。ここから先は、第7章で改めて詳しく取り上げます。

② 関節以外の症状はどうか

関節外症状のなかでも、押さえておきたいのは発熱・皮疹・内臓の障害の3つです

発熱から考えること
発熱から考えること

発熱があれば、発熱を伴うような膠原病も鑑別になります。全身性エリテマトーデス(SLE)や成人発症スティル病では、しばしば「高熱+関節痛+皮疹」の組み合わせを呈します。痛風や偽痛風が慢性化した慢性痛風・慢性偽痛風でも、発熱と多関節炎を呈することがあります。

なお、関節リウマチでも37℃台の微熱は時々みられます。一方で、変形性関節症で発熱がみられることはまずありません。発熱の有無は、この2疾患を分ける手がかりのひとつにもなります。

皮疹から考えること

見逃したくない皮疹




見逃したくない皮疹

皮疹

部位・特徴

疑う疾患

蝶形紅斑

両頬に広がる紅斑

全身性エリテマトーデス(SLE)

ヘリオトロープ疹

まぶたの周囲の赤紫色の発疹

皮膚筋炎

乾癬の皮疹

頭や肘・膝

乾癬性関節炎を疑う大きなヒント

※ 手にみられる皮疹(ゴットロン徴候、皮膚硬化、レイノー現象など)は第3章「手でわかる膠原病のサイン」で取り上げました。

内臓の障害から考えること

臓器別に拾いたい症状


臓器

疑うきっかけになる症状

肺・心臓

呼吸苦、咳、浮腫

腎臓

蛋白尿、血尿

消化管

血便、下痢

これらの内臓障害がみられたら

SLEや血管炎といった膠原病の可能性を考慮します。関節の所見だけを追いかけていると、こうした全身のサインを取りこぼします。問診票に「ほかに気になる症状はありませんか」の一行を——そのひと手間が、診断の筋道を変えることがあります。

2|慢性多関節痛(炎)の主な原因

参考までに、慢性多関節痛(炎)の主な原因を挙げておきます。疾患の多さに圧倒されてしまいますが、ここまでに述べたような順序で考えていけば、全部ではなくとも大部分はカバーできているはずです。

慢性多関節痛(炎)の主な原因


分類

疾患

自己免疫性

関節リウマチ/リウマチ性多発筋痛症/脊椎関節炎/全身性エリテマトーデス/全身性強皮症/皮膚筋炎・多発性筋炎/血管炎/成人発症スティル病/サルコイドーシス

結晶性

慢性痛風/慢性偽痛風

非炎症性

変形性関節症/線維筋痛症

3|今回のまとめ

慢性多関節炎のポイント

・6週間以上続けば細菌感染症の可能性は下がり、自己免疫疾患の可能性が上がる。・最多は変形性関節症と関節リウマチ。分布(RA=MCP・PIP/OA=PIP・DIP)と腫脹の硬さで分ける。・関節外症状(発熱・皮疹・内臓の障害)を必ずチェックする。・発熱+関節痛+皮疹ならSLEや成人発症スティル病、内臓障害があればSLEや血管炎を考慮する。

本記事は医師・医療スタッフの皆さまに向けて、鑑別の考え方を整理したものです。図は分布の傾向を示す模式図であり、内容は一部簡略化しています。実際の診断は病歴・身体所見・検査結果を含めて総合的に判断してください。

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