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リウマチを科学する29 関節液検査の解釈提出する前に、まず自分の目で見る

9 分前
読了時間: 3分

関節液検査の解釈提出する前に、まず自分の目で見る

関節液を吸引できたら、そのまま何も見ずに検査に提出する——これは少しもったいない。色調・混濁・粘稠度は、その場で数秒あれば確認でき、しかも鑑別の方向を決める情報になります。今回は見た目のチェックから、培養・グラム染色・結晶・細胞数の読み方までを整理します。

主に医師・医療スタッフ向けの内容です

#関節液検査#関節液培養#グラム染色#偏光顕微鏡#細胞数#多形核球#化膿性関節炎#結晶性関節炎#痛風・偽痛風#粘稠度#関節血腫#鑑別診断

1|外見と粘稠度——その場で分かること

関節液を吸引したら、まずは外見と粘稠度をチェックします。関節液を見て色調と混濁の有無を確認し、針から少し垂らしてみて粘稠度を見ます。

2|最重要は関節液培養
2|最重要は関節液培養

関節液検査で最も重要な検査は関節液培養です。前編で書いたとおり、化膿性関節炎の鑑別が最重要だからです。

1滴しか採れなかったら、その1滴は培養へ

吸引量が乏しいとき、どの検査を優先するかはあらかじめ決めておきましょう。答えは培養です。細胞数も結晶も大切ですが、見逃したときの代償が最も大きいのは化膿性関節炎です。

3|グラム染色と偏光顕微鏡

グラム染色は「出せば何か分かるかもしれない検査」ではなく、陽性に出たときの威力が大きい検査です。感度が低いので、陰性でも化膿性関節炎は否定できません。培養の結果を待つ姿勢は変わりません。
グラム染色は「出せば何か分かるかもしれない検査」ではなく、陽性に出たときの威力が大きい検査です。感度が低いので、陰性でも化膿性関節炎は否定できません。培養の結果を待つ姿勢は変わりません。

4|細胞数と細胞分類

関節液検査で細胞数と細胞分類を調べることも診断の助けになります。細胞数は白血球数とほぼ同義ですので、関節の炎症が強いほど細胞数は増加します。

細胞数が50,000/μLを超えると膿性関節液であり、化膿性関節炎を第一に考えます。ただし、結晶性関節炎や、高活動性の関節リウマチ・脊椎関節炎でも膿性関節液がみられることがあります。
細胞数が50,000/μLを超えると膿性関節液であり、化膿性関節炎を第一に考えます。ただし、結晶性関節炎や、高活動性の関節リウマチ・脊椎関節炎でも膿性関節液がみられることがあります。

細胞分類では多形核球、すなわち好中球の割合を見ます。炎症が強いほど、好中球の割合が増加します。

5|関節液検査の解釈

 関節液検査の解釈





関節液検査の解釈

 

非炎症性

炎症性

膿性

外見

透明

軽度混濁

混濁

細胞数(/μL)

〜2,000

2,000〜50,000

50,000〜

多形核球

< 20%

20〜75%

> 75%

代表的な疾患

変形性関節症


外傷


骨壊死

関節リウマチ


脊椎関節炎


結晶性関節炎


結核性関節炎

化膿性関節炎


結晶性関節炎

6|今回のまとめ

関節液検査の読み方

・提出前に外見と粘稠度を自分の目で確認する。炎症で白く濁り、ヒアルロン酸の分解により粘稠度は下がる。・最重要は関節液培養。1滴しか採れなければ、その1滴は培養へ。・グラム染色は感度50%以下だが特異度ほぼ100%。陽性ならその場で診断がつく。・偏光顕微鏡で尿酸結晶・ピロリン酸カルシウム結晶を確認すれば、痛風・偽痛風の診断に。・細胞数2,000で炎症性、50,000で膿性。ただし数字は目安。

本記事は医師・医療スタッフの皆さまに向けて、検査の考え方を整理したものです。掲載した分類と数値は目安であり、絶対的な基準ではありません。実際の診断は病歴・身体所見・経過を含めて総合的に判断してください。

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