top of page

リウマチを科学する22 どのように減量するか

1 時間前
読了時間: 3分

どのように減量するか速やかに、しかし急ぎすぎずに——減量はさじ加減の連続です

ステロイドは、効いたら終わりではありません。むしろ本番はそこから。副作用の多くは投与量に比例するため、病気が落ち着き次第すみやかに減らしていくのが原則です。ただし急ぎすぎれば再燃します。今回は減量のペース、具体的なスケジュールの例、そして「どこまで減らすのか」という目標について整理します。

#ステロイド#減量#漸減#プレドニゾロン#維持量#再燃#steroid-sparing effect#免疫抑制剤#SLE#EULAR#長期使用のリスク#薬の話

1|減らす理由と、急げない理由

ステロイドの副作用の多くは投与量に依存します。ですから、病気のコントロールが得られ次第、速やかに減量していくのが原則です。

とはいえ、減量を急ぎすぎると疾患が再燃してしまう可能性があります。前回の火事のたとえで言えば、放水している水の量を減らしたいけれど、急に減らしすぎると残り火が燃え広がってしまうかもしれない、という状況です。

2|減量の進め方は変わってきた
2|減量の進め方は変わってきた

かつてステロイドのみで寛解導入を行っていた時代は、「1〜2週ごとに10%ずつ減量」といった、ゆっくり減らしていくレジメンが一般的でした。

今は違います。さまざまな免疫抑制剤を使うことで、ステロイドの必要量そのものを減らせるようになりました。このように、免疫抑制剤がもつステロイド減量の効果をsteroid-sparing effectと呼びます。

3|減量スケジュールの一例
3|減量スケジュールの一例

どのようなスケジュールで減量を進めるかは施設によって異なりますし、疾患や併用薬にもよるため、実際はケース・バイ・ケースです。参考までに、PSL 60mg/日から治療を開始し、免疫抑制剤を併用しながら減量していく場合の一例を示します。

ステロイド減量スケジュールの例




ステロイド減量スケジュールの例

週数

PSL量/日

減らし方

1週

60mg

30mgまでは


1週毎に10mgずつ減量

2週

50mg

3週

40mg

4〜5週

30mg

6〜7週

25mg

15mgまでは


2週毎に5mgずつ減量

8〜9週

20mg

10〜11週

15mg

12〜13週

12.5mg

10mgまでは


2週毎に2.5mgずつ減量

14〜17週

10mg

※ あくまで一例です。実際のスケジュールは疾患・病勢・併用薬・施設の方針によって変わります。

「同じ5mg」でも意味が違います。60mgから50mgへの5mgと、10mgから5mgへの5mgでは、減らす割合がまったく違います。量が少なくなるほど1回の幅を小さくしていくのは、このためです。

4|どこまで減量するか

では、どこまで減らせばよいのでしょうか。維持量としてPSL 5mg/日程度を目標とする施設もありますし、ヨーロッパリウマチ学会のSLE治療ガイドライン(2023年)では、PSL 5mg/日以下を目指すと記載されています。

ただし、少量のステロイドであっても、長期使用では感染症や有害事象のリスクが存在します。「5mgだから安心」というわけではありません。

5|今回のまとめ
5|今回のまとめ

おさえておきたい3点

・副作用の多くは量に依存するため、コントロールがつき次第すみやかに減量する。ただし急ぐと再燃する。・免疫抑制剤のsteroid-sparing effectにより、以前より少ないステロイドで治療できるようになった。・維持量は5mg/日程度を目標とする考え方と、中止まで目指す考え方がある。少量でも長期使用のリスクはある。

 

本記事は一般の方および医療・介護スタッフの皆さまに向けて、薬の考え方をわかりやすく整理したものです。掲載した減量スケジュールは一例であり、実際の治療は疾患・病状・併用薬・施設の方針により大きく異なります。服用中のお薬については、自己判断で中止・減量せず、必ず主治医にご相談ください。


コメント


© 2021 湘南在宅研究所 All Rights Reserved.

情報通信機器を用いた診療の初診において向精神薬を処方しておりません

bottom of page