top of page

リウマチを科学する19 ステロイドってなに?もとをたどれば、体の中で毎日つくられているホルモンです

10 分前
読了時間: 3分

ステロイドってなに?もとをたどれば、体の中で毎日つくられているホルモンです

「ステロイド」と聞くと、副作用が心配な強い薬というイメージを持つ方が多いかもしれません。けれども、もとをたどれば私たちの体が毎日つくっているホルモンです。第5章では、ステロイドの正体・使い方・副作用対策を順に整理していきます。1回目は「そもそもステロイドとは何か」から始めます。

#ステロイド#副腎皮質ホルモン#糖質コルチコイド#コルチゾール#鉱質コルチコイド#アルドステロン#膠原病#関節リウマチ#薬の話#副腎#Hench#医学史

1|最初の患者さんは、3日で歩けるようになった

ステロイド治療の歴史は古く、1948年にアメリカのHench先生が、関節リウマチの28歳の女性に用いたのが最初とされています。その効果は劇的でした。治療前はほとんど寝たきりの状態だった患者さんが、治療開始から3日後には歩けるようになったと伝えられています。Hench先生はこの業績により、1950年にノーベル生理学・医学賞を受賞しました。

その後ステロイドは幅広い疾患に有効と分かり、さまざまな診療科で使われるようになりました。同時に、深刻な副作用も明らかになっていきます。そこで、より安全に使えるよう研究が進み、副作用を軽減した薬剤が登場し、投与方法も工夫され、予防と対応の方法も整えられてきました。
その後ステロイドは幅広い疾患に有効と分かり、さまざまな診療科で使われるようになりました。同時に、深刻な副作用も明らかになっていきます。そこで、より安全に使えるよう研究が進み、副作用を軽減した薬剤が登場し、投与方法も工夫され、予防と対応の方法も整えられてきました。

現在は抗リウマチ薬や免疫抑制剤が数多く使えるようになり、それらを組み合わせることでステロイドの使用量を減らせるようになりました。「なんでもかんでもステロイド」という時代ではありません。それでも、多くの膠原病の治療でステロイドが主役であることは変わっていません

ステロイドを制する者は、膠原病診療を制す

2|ステロイドの正体は「副腎皮質ホルモン」

ステロイドとは、もともとは副腎の皮質でつくられるホルモン——すなわち副腎皮質ホルモンのことです。副腎は左右の腎臓の上にちょこんと乗っている小さな臓器で、外側の皮質と内側の髄質に分かれています。

3|副腎皮質ホルモンは3種類

副腎皮質ホルモンは、大きく3つに分けられます。名前に使われている漢字が、それぞれの働きをそのまま表しているので、そこを手がかりにすると覚えやすくなります。


副腎皮質ホルモンの種類と主な作用

種類

主な作用

糖質コルチコイド

血糖の上昇、免疫・炎症反応の制御

鉱質コルチコイド

ナトリウムの再吸収、カリウムの排泄

性ホルモン

生殖機能に関与

治療に使う「ステロイド」は、ほぼ糖質コルチコイド

膠原病の治療で使われるプレドニゾロンなどは、糖質コルチコイドの働きを強めた薬です。目的は免疫・炎症反応を抑えること。ただし血糖を上げる作用や骨・脂質の代謝への作用は残るため、これが後の章で扱う副作用につながります。

なぜ副作用が「多い」のか。もともと1つのホルモンが、血糖・免疫・炎症・骨・脂質・ミネラルと、体じゅうの働きに関わっています。そのホルモンを薬として通常より多く使うのですから、効かせたい炎症以外の場所にも作用が及びます。副作用の多さは、このホルモンの守備範囲の広さの裏返しなのです。

4|今回のまとめ

おさえておきたい3点

・ステロイド治療は1948年の関節リウマチ症例に始まり、劇的な効果とともに副作用も明らかになってきた。・ステロイドの正体は副腎皮質ホルモンで、糖質コルチコイド・鉱質コルチコイド・性ホルモンの3種類がある。・治療に使うのは主に糖質コルチコイド(コルチゾール系)で、免疫・炎症を抑える働きを利用している。

本記事は一般の方および医療・介護スタッフの皆さまに向けて、薬の考え方をわかりやすく整理したものです。実際の治療は疾患・病状・併存症により大きく異なるため、内容は一部簡略化しています。服用中のお薬については、自己判断で中止・減量せず、必ず主治医にご相談ください。


コメント


© 2021 湘南在宅研究所 All Rights Reserved.

情報通信機器を用いた診療の初診において向精神薬を処方しておりません

bottom of page