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リウマチを科学する21 ステロイドの投与量火事の消火にたとえると、量の決め方が見えてくる

3 分前
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ステロイドの投与量火事の消火にたとえると、量の決め方が見えてくる

「どうしてこの人はプレドニン40mgで、あの人は5mgなのか」——ステロイドの量は病名だけでは決まりません。決め手になるのは炎症の勢いです。今回は火事の消火にたとえながら、投与量の4つの区分と、寛解導入・寛解維持という治療の2段階を整理します。

#ステロイド#投与量#プレドニゾロン#寛解導入療法#寛解維持療法#パルス療法#低用量#中等量#高用量#免疫抑制剤#SLE#血管炎

1|火の勢いで、必要な水の量が変わる

もし火事が起きたら、どうやって消すでしょうか。小さなものが燃えただけならバケツ1杯の水で足りますが、太い木材が燃えていれば大量の水が必要です。建物全体が燃えていれば、水をかけるだけでは太刀打ちできず、消防隊による本格的な消火作業が要ります。

火の勢いによって、消火に必要な水の量が変わる——これはイメージしやすいと思います。膠原病とステロイドの関係も、これによく似ています。

※ 考え方を表したイメージ図です火=炎症や免疫反応の勢い、水=ステロイド。必要な量は火の勢いで決まります

SLEや血管炎で高熱が出て内臓にまで炎症が及んでいる状態は、いわば建物全体が火事になっている状態です。燃え盛る炎を消すには大量の水=大量のステロイドが要ります。そして燃え方によっては、水だけでなく特殊な消火剤も必要になる——ここで言う特殊な消火剤にあたるのが免疫抑制剤です。
SLEや血管炎で高熱が出て内臓にまで炎症が及んでいる状態は、いわば建物全体が火事になっている状態です。燃え盛る炎を消すには大量の水=大量のステロイドが要ります。そして燃え方によっては、水だけでなく特殊な消火剤も必要になる——ここで言う特殊な消火剤にあたるのが免疫抑制剤です。

2|治療は「鎮火」と「再燃の見張り」の2段階

燃え盛る火の勢いを食い止め、消火して鎮火させる。この状態を寛解と呼び、そこまで持ち込む治療を寛解導入療法といいます。

ただし、いったん寛解まで持ち込んでも、免疫システムが異常な状態は体の中で続いています。いつまた異常な免疫反応が引き金になって、あちこちに炎症が起きてもおかしくありません。火種はまだくすぶっているのです。そこで、引き続きステロイドや免疫抑制剤を使って免疫システムの誤作動を抑え込んでおく必要があります。これが寛解維持療法です。

3|投与量は大きく4つ
3|投与量は大きく4つ

ステロイドの投与量は、おおまかに低用量・中等量・高用量・パルス療法に分類されます。一般論として、量が増えれば効果は強くなりますが、その分副作用も出やすくなります。だからこそ、火の勢いに見合った量を選ぶことが大切になります。

ステロイドの投与量



ステロイドの投与量

分類

投与量

使用される場面

低用量

PSL 7.5mg/日 以下

寛解維持療法

中等量

PSL 0.5mg/kg/日(20〜30mg/日)程度

重度の内臓病変がない場合の寛解導入療法

高用量

PSL 1mg/kg/日(40〜60mg/日)程度

重度の内臓病変がある場合の寛解導入療法

パルス療法

mPSL 500〜1000mg/日 を3日間

ただちに生命に危険を及ぼす事態

量は体重でも変わります。中等量・高用量は体重あたりで決められるため、同じ「高用量」でも体格によって実際のmg数は変わります。「あの人と量が違う」のは、病気の勢いだけでなく体重の違いによることもあります。

近年の変化:水を減らし、消火剤を活かす

免疫抑制剤の進歩により、内臓病変があっても中等量のステロイドで治療できるケースが増えています。副作用の多いステロイドをできるだけ減らし、他の薬で補うという方向に治療は進んでいます。

4|今回のまとめ

おさえておきたい3点

・必要なステロイドの量は、病名ではなく炎症の勢いで決まる(火の勢いと水の量の関係)。・治療は、鎮火をめざす寛解導入療法と、再燃を防ぐ寛解維持療法の2段階。・量は低用量・中等量・高用量・パルス療法の4区分。量が増えれば効果も副作用も大きくなる。

本記事は一般の方および医療・介護スタッフの皆さまに向けて、薬の考え方をわかりやすく整理したものです。実際の投与量は疾患・病状・体重・併存症により大きく異なるため、内容は一部簡略化しています。服用中のお薬については、自己判断で中止・減量せず、必ず主治医にご相談ください。

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