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リウマチを科学する20 ステロイド薬の種類3つの要素で見ると、名前の多さに迷わなくなる

11 分前
読了時間: 4分

ステロイド薬の種類3つの要素で見ると、名前の多さに迷わなくなる

プレドニン、メドロール、デカドロン、コートリル——ステロイド薬は名前がたくさんあり、違いが分かりにくい薬の代表格です。けれども、見るべき要素は3つだけ。作用が続く時間、糖質コルチコイド作用、鉱質コルチコイド作用です。この3つを押さえると、どの薬がどんな場面で選ばれるのかが見えてきます。

#ステロイド#プレドニゾロン#メチルプレドニゾロン#デキサメタゾン#ヒドロコルチゾン#糖質コルチコイド#鉱質コルチコイド#作用持続時間#力価#等価換算#浮腫・高血圧#薬の話

1|見るべき要素は3つ

前回お伝えしたとおり、副腎皮質ホルモンには糖質コルチコイド・鉱質コルチコイド・性ホルモンの3種類があります。膠原病の治療で大事なのは免疫反応や炎症反応を抑えることですから、このうち最も重要なのは糖質コルチコイドとしての作用です。

日常診療で使われるステロイド薬は、次の3つの要素で分類され、特徴づけられます。

2|作用持続時間:なぜ中間型が使われるのか
2|作用持続時間:なぜ中間型が使われるのか

作用が続く時間によって、大きく3つに分かれます。約12時間なら短時間型、約24時間なら中間型、約48時間なら長時間型です。

膠原病の診療でよく使われるのは、中間型のプレドニゾロン(PSL)とメチルプレドニゾロン(mPSL)です。効果が続くのがちょうど1日ほどなので調整しやすく、1日1回内服という用法が可能になります。加えて、長時間型に比べて副腎不全という副作用が起こりにくいというメリットもあります。
膠原病の診療でよく使われるのは、中間型のプレドニゾロン(PSL)メチルプレドニゾロン(mPSL)です。効果が続くのがちょうど1日ほどなので調整しやすく、1日1回内服という用法が可能になります。加えて、長時間型に比べて副腎不全という副作用が起こりにくいというメリットもあります。

3|糖質コルチコイド作用=薬の「強さ」

ステロイド薬は、体内でつくられるコルチゾールと比べて、同じ量でも強い糖質コルチコイド作用を発揮するように設計されています。分かりやすく言えば、糖質コルチコイド作用の強さはその薬の効果の「強さ」に相当するということ。したがってこの強さは、投与量を考えるときの重要な要素になります。

4|鉱質コルチコイド作用は「減らしてある」

体内でつくられるコルチゾールは、糖質コルチコイド作用と鉱質コルチコイド作用の両方を併せ持っています。一方、化学的に合成されたステロイド薬では、鉱質コルチコイド作用は軽減されています。とくにメチルプレドニゾロンはほぼ無視できるレベルまで抑えられており、超大量投与も可能になっています。

ステロイド薬の特徴





ステロイド薬の特徴

作用持続時間

ステロイド薬

糖質コルチコイド作用

鉱質コルチコイド作用

短時間型


約12時間

ヒドロコルチゾン


コートリル®

1

1

中間型


約24時間

プレドニゾロン


プレドニン®

4

0.8

メチルプレドニゾロン


メドロール®

5

< 0.01

長時間型


約48時間

デキサメタゾン


デカドロン®

25

< 0.01

※ 作用の強さはヒドロコルチゾンを1としたときの比。

数字の使いみち。糖質コルチコイド作用の比は、そのまま量の換算に使えます。プレドニゾロンはヒドロコルチゾンの4倍強いので、ヒドロコルチゾン20mgとプレドニゾロン5mgがおよそ同じ強さ。同様に、メチルプレドニゾロン4mg、デキサメタゾン0.75mg前後が相当します。薬が変わるときは、この換算が出発点になります。

5|実際にいちばん使われるのはプレドニゾロン

日常診療で最も多く使われているのはプレドニゾロン(PSL)です。作用持続時間が中間型であることに加え、剤形に5mg錠と1mg錠の2種類があり、こまめな量の調節ができることが理由です。減量しながら続けていく薬なので、この「刻みやすさ」は大きな利点になります。

切り替えを考える場面
切り替えを考える場面

鉱質コルチコイド作用による浮腫や高血圧が問題になるときは、プレドニゾロンからメチルプレドニゾロンへの切り替えを考慮します。「効きが足りない」だけでなく、「別の作用が邪魔をしている」ときにも薬の選択が動く——ここがステロイドの使い方の面白いところです。

6|今回のまとめ

おさえておきたい3点

・ステロイド薬は、作用持続時間・糖質コルチコイド作用・鉱質コルチコイド作用の3要素で特徴づけられる。・中間型(PSL・mPSL)がよく使われるのは、1日1回で調整しやすく、副腎不全が起こりにくいため。・糖質コルチコイド作用は効果の強さ=量の換算に、鉱質コルチコイド作用は浮腫・高血圧のリスクに対応する。

本記事は一般の方および医療・介護スタッフの皆さまに向けて、薬の考え方をわかりやすく整理したものです。実際の治療は疾患・病状・併存症により大きく異なるため、内容は一部簡略化しています。服用中のお薬については、自己判断で中止・減量せず、必ず主治医にご相談ください。


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