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頭痛を科学する34~事故のあとの頭痛が長引くのはなぜ?― 「こころ」と「痛み」の深い関係を、やさしく解説します ―

  • 11 分前
  • 読了時間: 4分

事故のあとの頭痛が長引くのはなぜ?

― 「こころ」と「痛み」の深い関係を、やさしく解説します ―

さくら在宅クリニック

交通事故などで頭を打ったあと、検査では大きな異常がないのに頭痛だけが何か月も続くことがあります。「気のせいでは?」と言われてつらい思いをされる方も少なくありません。


でも、その痛みはけっして"気のせい"ではありません。体と心が影響しあって痛みが長引く、きちんとした仕組みがあるのです。

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意外! 頭痛は「軽いケガ」のほうが多い

「頭を強く打った人ほど頭痛がひどいはず」と思いがちですが、実際は逆のことが知られています。ある報告では、軽いケガのグループの頭痛発生率のほうが、重いケガのグループより高かったのです。

※ Yamaguchi らの報告より
※ Yamaguchi らの報告より

意識を失っていた時間の長さと頭痛の起こりやすさも、比例しませんでした。つまり、頭痛の強さは「脳のダメージの大きさ」だけでは説明できない、ということです。そこで注目されるのが「事故にまつわるストレス」の存在です。

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なぜストレスで痛みが強くなるの?

強いストレスや不安、気分の落ち込みが続くと、脳の中の痛みをやわらげる仕組みがうまく働かなくなります。その結果、ふだんなら気にならない程度の刺激でも、痛みとして強く感じやすくなるのです。

また、大きな事故で強い恐怖の記憶が残ると、PTSD(心的外傷後ストレス障害)につながることもあります。軽いケガでの発症は多くありませんが、軽症でも心のケアが必要になる方はいます。事故のあとは、体だけでなく心の状態にも目を向けることが大切です。
また、大きな事故で強い恐怖の記憶が残ると、PTSD(心的外傷後ストレス障害)につながることもあります。軽いケガでの発症は多くありませんが、軽症でも心のケアが必要になる方はいます。事故のあとは、体だけでなく心の状態にも目を向けることが大切です。

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事故のあとに出やすい"3つの不調"

軽い頭のケガの直後には、はっきりした異常がなくても、さまざまな不調(不定愁訴)が多くの方に起こり、たいていは少しずつ回復します。大きく次の3つのグループに分けられます。

軽い首・頭のケガの約7割は2〜3週間で落ち着きますが、約3割は痛みが続くと報告されています。長引くかどうかには、体の要因だけでなく、性格や置かれた状況、まわりとのやりとりなど、いくつもの要素が重なって関わってきます。
軽い首・頭のケガの約7割は2〜3週間で落ち着きますが、約3割は痛みが続くと報告されています。長引くかどうかには、体の要因だけでなく、性格や置かれた状況、まわりとのやりとりなど、いくつもの要素が重なって関わってきます。

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「体」「心」「まわりの状況」がからみあう

事故のあとの頭痛は、体の異常だけで説明できるものばかりではありません。専門的には「心理社会的疼痛症候群」という捉え方をします。むずかしい言葉ですが、意味はシンプルです。

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頭痛が長引く「6つの要因」

なぜ痛みが長引いてしまうのか。関わりやすい要因を6つに整理してみました。当てはまるものがあっても、一つずつ手当てしていけるものばかりです。

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"もめごと"のストレスが、痛みをさらに長引かせる

交通事故など相手のいるケガでは、賠償や手続きをめぐる問題が起こることがあります。こうした先の見えない不安やストレスそのものが、痛みを長引かせる一因になることが知られています。

実際、問題やもめごとが解決すると、痛みが軽くなり通院回数が大きく減る方が多いことも分かっています。これは「痛みがウソだった」という意味ではなく、ストレスが減ると、痛みをやわらげる体の仕組みも回復してくるということです。だからこそ、痛みそのものへの治療と同じくらい、心の負担を軽くするケアが大切になります。
実際、問題やもめごとが解決すると、痛みが軽くなり通院回数が大きく減る方が多いことも分かっています。これは「痛みがウソだった」という意味ではなく、ストレスが減ると、痛みをやわらげる体の仕組みも回復してくるということです。だからこそ、痛みそのものへの治療と同じくらい、心の負担を軽くするケアが大切になります。

この記事のまとめ

  • 事故のあとの頭痛は、脳のダメージの大きさだけでは決まらず、軽いケガでも長引くことがある

  • ストレスや不安は、脳の"痛みをやわらげる仕組み"を弱め、痛みを実際に強く感じさせる

  • 頭痛が長引く背景には、体・心・まわりの状況がからみあっている

  • 心の負担を軽くするケアは、痛みの治療と同じくらい大切

頭痛が長引いてつらいとき、それは「気のせい」でも「がまんが足りない」からでもありません。体と心の両面から、いっしょに整えていきましょう。気になる症状は、早めにご相談ください。

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 この記事は、頭頸部外傷後遺症の頭痛に関する医学書の解説をもとに、患者さんやご家族向けにやさしく再構成したものです。症状の感じ方や経過には個人差があります。診断・治療については主治医にご相談ください。


さくら在宅クリニック(神奈川県逗子市)/ 監修:内田賢一


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