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認知症は治せるか~認知症治療の羅針盤58~(リウマチ性多発筋痛症)— 認知症と誤診された PMR の1例 —

  • 1 日前
  • 読了時間: 2分

 

症例の概要

患者背景

80歳代・女性。高血圧症で通院中、ドネペジル服用。独居(2階に息子夫婦)。主婦・70歳で夫と死別。寡黙で我慢強い性格。飲酒・喫煙歴なし。

主な経過

半年前から急に閉じこもるようになり、動作緩慢・表情固くなった。食欲低下で食事・入浴が自力困難。精神科でHDS-R 18/30点で認知症と診断・ドネペジル処方。3カ月前に精神科病院に入院。入院後はベッド臥床がちで午前中は特に動きたがらず。37℃台微熱・体重5kg減少・炎症反応上昇で総合内科に紹介。

初診時所見

体温 37.2℃、BP 155/80 mmHg。眼瞼結膜に軽度貧血。両肩周囲に圧痛あり、外旋・外転・内転は痛みで困難。手首・手指・膝・足首の熱感・腫脹なし。Babinski 反射陰性。粗大麻痺なし。

 

診断のポイントと検査

急性〜亜急性の ADL 低下では変性疾患以外の要因を積極的に考える。慢性硬膜下血腫・脳腫瘍・電解質異常・肝腎不全・薬剤性・感染症に加え、悪性腫瘍・傍腫瘍症候群・膠原病・血管炎も鑑別。

正球性貧血・血小板増多・血沈亢進(85 mm/時)・CRP 5.2 mg/dL。腎機能・電解質・肝機能・甲状腺・CPKは正常。リウマチ因子・抗CCP抗体陰性。血液培養陰性。血管炎所見なし。

PMR 分類基準(欧州・米国リウマチ学会)— 4点以上でPMRと判断

項目

点数

朝のこわばり 45分以上

2点

股関節痛または可動域制限

1点

リウマチ因子または抗CCP抗体陰性

2点

肩・股関節以外に症状がない

1点

※50歳以上・両側肩痛・炎症反応上昇が前提条件。分類基準は診断基準ではない。

治療と経過

ステロイド治療前にIGRA(潜在性結核検査)を実施→陰性確認後に低用量ステロイド開始。1週間後の再診時には食欲改善・表情穏やか。1カ月後にはリハビリ意欲も増し、患者自ら「体が軽くなった」と発言。ADL改善で精神科病院退院、ステロイド漸減中。

 

学習のポイント(TIPS)

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