top of page

認知症は治せるか~認知症治療の羅針盤56~一過性てんかん性健忘Transient Epileptic Amnesia(TEA)

  • 12 分前
  • 読了時間: 3分
🧠 Dementia Mimics⚡ TEA(一過性てんかん性健忘)🔄 繰り返す短時間の発作性健忘🌅 起床時に多い🧬 側頭葉てんかん(口部自動症・幻臭)⚠️ ALF(加速的長期的健忘)📋 Zeman診断基準(3項目)🔬 脳波:右側頭葉焦点性鋭波💊 カルバマゼピンで改善🆚 TGAとの鑑別(表2)🔍 脳波異常がなくてもTEAを除外すべきでない
🧠 Dementia Mimics⚡ TEA(一過性てんかん性健忘)🔄 繰り返す短時間の発作性健忘🌅 起床時に多い🧬 側頭葉てんかん(口部自動症・幻臭)⚠️ ALF(加速的長期的健忘)📋 Zeman診断基準(3項目)🔬 脳波:右側頭葉焦点性鋭波💊 カルバマゼピンで改善🆚 TGAとの鑑別(表2)🔍 脳波異常がなくてもTEAを除外すべきでない

症例提示(CASE)

現病歴

患者背景

60歳代後半の男性。約1年半前から、以前の特定の出来事を忘れてしまい、全く思い出せないということがあった。去年家族旅行に行ったが、その時の記憶がすっかり抜け落ちてしまっていた。自身の記憶がなくなることに強く不安を覚え、ひどく気分が落ち込んだ。

また、運転中や歩行中に、ふわっと自分から意識が離れていくような感じが20秒程度あった。妻によれば、口をぺちゃくちゃと動かす様子がみられることがあり、その際、声掛けに部分的には理解している様子がみられるものの、完全には理解できず、適切な応答ができなかった。少しして妻が呼びかけると、我に返るとのことであった。

10カ月前にもの忘れのため近医を受診し、MMSE 30/30点・HDS-R 25/30点と認知機能は比較的保たれていたが、経過観察となっていた。1カ月前の近医の定期受診の際に、主治医の前で口をぺちゃくちゃし、呼びかけに反応がないことを指摘されていた。

この1年間に、①前兆なく意識が遠のき口をぺちゃくちゃする動きが出現し終わっても意識がぼーっとする状態が残存する、②意識はあるが目の前に見える情景が自分と乖離して他人事のように客観視しているような気分になり、その際に話しかけられた内容は聞き取れて部分的には理解できている、という2種類の症状を繰り返しており、持続時間はそれぞれ1分程度、頻度は1〜2回/日であった。

家族歴:父が認知症、母が心臓疾患。熱性けいれんなし。

初診時現症と認知機能検査

診断のポイントと検査・経過
診断のポイントと検査・経過

診断のポイント

繰り返す健忘症状に加え、口部自動症や意識減損発作がてんかんを疑わせる。TEAでは発作中の行動は概ね正常であり、あとでその期間の記憶が抜けていることに気づくという特徴がある。

Discussion:TEAの臨床症状と病態
Discussion:TEAの臨床症状と病態

臨床的特徴

TEAは症候が健忘に限局するてんかん発作である。発作中に意識が保たれ、会話が可能で合目的な行動がとれる。ただし、発作中は記憶障害があり、以前のことを思い出せないことがある。TGAと異なり、TEAの発作中の前向性健忘は完全ではなく、発作後に発作中の記憶が部分的に保たれる症例がある。

TEAは中高年発症の焦点起始発作であり、背景に海馬を中心とする神経変性、虚血性変化、炎症、腫瘍などの病理などが想定される。TEAの背景に変性性認知症がある可能性はあり、自己免疫性脳炎の報告も散見され、辺縁系の信号異常や髄液所見を認める場合は自己免疫性脳炎の抗体を含む原因検索が必要となる。
TEAは中高年発症の焦点起始発作であり、背景に海馬を中心とする神経変性、虚血性変化、炎症、腫瘍などの病理などが想定される。TEAの背景に変性性認知症がある可能性はあり、自己免疫性脳炎の報告も散見され、辺縁系の信号異常や髄液所見を認める場合は自己免疫性脳炎の抗体を含む原因検索が必要となる。
加速的長期的健忘(Accelerated Long-Term Forgetting: ALF)
加速的長期的健忘(Accelerated Long-Term Forgetting: ALF)
TEAとTGAの鑑別
TEAとTGAの鑑別

TGAは症候がやや類似するが治療が異なるため鑑別が重要である。

特徴

TEA

TGA

誘因

起床時

心理的ストレス、身体的負荷

前兆

×

発作中の健忘

発作中の認知機能障害

×

×

発作随伴症状

△(幻臭など)

×

持続時間

1時間以内

24時間以内

再発率

高い

低い

脳波異常

×

抗てんかん薬への反応

×

発作間欠期の記憶障害(ALF)

×

TEAの治療と予後

一般にTEAは抗てんかん薬治療に対する反応性が良好とされている。しかし、抗てんかん薬の投与でもの忘れの症状が改善しない症例があり、約半数で治療後もALFが持続するという報告がある。TEAの患者10人を20年追跡した報告では、全般的な認知機能低下はみられず、認知症リスクの上昇は明らかでなく、TEAの予後は良好であるとしている


コメント


© 2021 湘南在宅研究所 All Rights Reserved.

情報通信機器を用いた診療の初診において向精神薬を処方しておりません

bottom of page